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【息ぬき音楽エッセイvol.28】 Forest Swordsと中二病 by 村松社長

みなさまこんにちは。カロワークスの村松社長です。
昼間と朝晩の温度差がエグい日が多かったり、秋なのに夏みたいな夕立が降ったり、秋をすっ飛ばして冬みたいになったりとお天気に振り回されている近頃ですが、皆さまの自律神経はお元気でしょうか?
そしてネットやテレビ、SNSを開けば気が滅入るニュースばかり…。社会情勢に全く触れない当noteではありますが、文字通り息ぬきにしていただけたら幸いです。

さてさて、本日の主役は社長が大好きなフォレスト・ソーズでございますよ!
フォレスト・ソーズこと、マシュー・エドワード・バーンズさんはイギリス出身のアーティスト。2010年頃からこの名義で活動を始め、今年3枚目のアルバムを発表&マッシヴ・アタックとのコラボなどでも注目されている方です。
社長はこのどこか根暗な感じ、トライバルかつ真顔で冷たい視線を投げかけてくるような曲たちがとにかく大好物なのです。デザイナーでもあるご本人が手掛けるアートワークも見どころ。

Forest Swords「The Highest Flood」2017

Forest Swords「Crow」2018

彼の音楽ジャンルとしてはダブとか、ウィッチハウス(オカルトやシャーマニズムなどをテーマにした電子音楽)などと言われたりするのですが、すみません、聴いているとどうしても「中二病」という言葉が浮かんでくるのですよ…。

そもそも「森の剣(Forest Swords)」とかいう名前も中二っぽいし、聴いている時に心を占める得も言われぬ高揚感は、どう考えてもあの、中二の時にぐるぐる渦巻いていた気持ちに似ているんです。これはきっと社長だけじゃないはず。

ここで「中二病」をおさらいしておきましょう。
「厨二病」と書くとネットスラング味が強いですが、辞書にも載っているし真面目な研究もされている言葉です。発祥は1999年、ラジオの深夜番組で伊集院光さんが作った造語という説があるんですね。知りませんでした。

オタク用語の基礎知識』(2006年)によると、典型的な症例として以下の6点が挙げられているそうです。自分のことを言われているのかと思いましたよ…。
・洋楽を聴き始める。
・うまくもないコーヒーを飲み始め「コーヒーはブラックが美味い」などと強がる。
・売れたバンドを「売れる前から知っている」とムキになる。
・やればできると思っている。
・親に対して「プライバシーを尊重してくれ」と激昂する。
・社会の勉強をある程度して、歴史に詳しくなると「アメリカって汚いよな」と急に言い出す。

中二というと年齢的には14歳くらい。すぐに思い出すものに楳図かずお先生の大傑作「14歳」がありますし、エヴァンゲリオンの碇シンジを始め14歳が主人公の小説や映画、漫画もたくさんあります。
一方現実世界では、14歳から刑事責任能力が認められるようになり、罪を犯すと少年法で罰せられることになる年齢。

音楽に関する話題では、2018年のニューヨーク・タイムズに「人は14歳の時に聴いていた音楽に最も影響を受ける」という研究結果が掲載されました。自らを振り返ると「確かに…」という感じですが、当時はそんなに大切な年齢だって誰も言ってなかったし!「いま聴いている音楽に一生影響を受けますよ」ってもっと大々的に言ってほしい!!

ここで極論を言いますが、社長は中二病の何が悪いのかわかりませんし、人様に迷惑をかけるこじらせ方をしなければ卒業する必要もないと思っています。
例えば俗に言う「邪気眼系中二病」(自分は選ばれし特別能力を持つ者、などと思い込む)なんてクリエイティビティ&つらい現実を乗り越える妄想の萌芽じゃないですか。素晴らしい。
そして、今も憧れる人や優れた仕事をしている人は、ほとんどが中二病を卒業できていない人なのではないか…と思ったりもするのです。

最後に今年出たばかりのフォレスト・ソーズの曲を貼っておきますね。
皆さま、ほどほど中二メンタルを保ちつつ日々を乗り切ってまいりましょう。それではまた次回〜!

Forest Swords「Butterfly Effect」2023


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