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仕事の使命とYさんのオーダー絵画

こんにちは!

遊び呆けた4月に代わり、5月は有難いことに仕事で多忙の日々でした。
一通りの入稿が終わり心に余裕が出てきましたので、久々にブログを書かせて頂きます!

今回いただいたお仕事はどれも納期が1ヶ月以内というお仕事ばかりで、ひたすらに入稿めがけて作業→やり取り→作業→やり取りの日々。
投げては返ってくる仕事のキャッチボールで、ほぼ毎晩深夜2時ごろまで作業を。
深夜に及ぶ連夜仕事は、産後は控えていたので久々でした。


20代から出産するまでの30代前半、私の人生は「The 仕事」でした。

本当に本当に働いていました。

ろくに恋愛もせずに、デザイン仕事と向き合う日々で。
以前のブログにも書いたように、最初に勤めたデザイン会社が激務+超絶スパルタな所で、心がすっかり仕事の鬼化していました。
さらには20代でフリーランスになったので、甘くみられてはダメだと、とても気張っていたと思います。
男勝りでしたし、クライアントさんに突っかかることもしばしば。全くもって可愛くなく生意気でした。

1ヶ月に1日しか休みが取れない月もありましたし、飲み会に行って、12時ごろ事務所に戻って仕事というのも日常茶飯事。曜日や祝日の感覚もなかったです。
今は眠くなってダメですが、夜になると飲みながら仕事を(そして、それが捗るという)。
年商は初年度から一千万を優に超えていました。


あの時の自分を思い出すと、とにかく生意気だったなーーと、恥ずかしいのですが、同時によく一人で頑張っていたなと。
不安や孤独と戦いながら、全身全霊を込めてデザインの仕事に打ち込んでいました。
魂が入ったものはやはり素晴らしく、今でも良い仕事をしてきたなと思っています。

要は私は仕事が、ものを作る仕事がとても好きなのです。

特に今は、自分の表現したい「カモコラージュ」という仕事をメインでしていて、そしてその世界観を通してご依頼をいただけるというのは本当に嬉しいもので。

なので、5月は多忙ながらも幸せを噛み締めていました。
今生は死ぬ直前まで仕事をして、燃え尽きて死にたいです  笑。



さて、そんなフリーランス駆け出し時代に、仕事で知り合ったYさんという方がいて。
彼女からオーダー絵画のご依頼をいただきました。

彼女はクライアントさんであり、同志でもあり、夏フェス仲間でもあり、友達でもあり、15年近くのご縁です。

出会った当初は編プロに勤めていたのですが、今は独立して映像業界でバリバリ働いているキャリアウーマンです。

ある時、クルマ雑誌の特集ページのお仕事を頂き、その時の担当が彼女でした。
ロケでふかわりょうさんがモデルとして同席していたのですが、終始超絶不機嫌だった彼を、ハラハラしながら一緒に見守っていたのをいまでも良く覚えています。また彼女は男性並みに勇ましく、その日は1日かけてドライバーも務め、数カ所のSA/PAを旋回。

プライベートでは夏フェス仲間でもあり、フジロックで毎年現地で会っては乾杯をしていました。
ある年には宿に泊めてくれたり、ある時は最終日のフェスが終わった夜12時すぎ、そのままヘロヘロになりながら休憩なしで新潟から東京へと車で送ってくれた事もあり(運転が本当に上手い!)。可愛い顔と裏腹に、勇ましく面倒見の良い粋な方です。

また、カモコラージュを立ち上げ当初から応援していてくれて、展示があるたびに来てくれました。

昔からとにかく超個性的なYさん。
分かりやすいエピソードの一つに、30歳の彼女の誕生日に、六本木にあるライブハウスをレンタル。自分の誕生日会を盛大に開くという。
たくさんの人がお祝いに駆けつける中、ステージでCHAGE and ASKAの「YAH YAH YAH」を熱唱するという、大物中の大物ぷり。

彼女の破天荒さには、毎回驚きと元気をもらっていて。
会う回数は今では1、2年に一回程度なのですが、どこかでいつも繋がっている大切な存在です。


そんな彼女が久々に連絡をくれて
最初の一言目が

「4月からシングルマザーまじめまーす!」


えええーーー!!!


心底驚き、乗っていた電車を飛び降りてしまいました。

妊娠していたのも知らなかったのですが、しかも最初からシングル宣言!!
とても自由人の彼女らしいなーーと。妙に納得。


さらにその翌月には

「出たー」

と、予定日よりも3週間早く出てきたとのご報告を。
早っ!どんだけ!!?? でも、これまた彼女らしい!!


さらに彼女は出産のマタニティムービーを作る計画をしていて、その中でのメインビジュアルとして、オーダー絵画のご依頼くださいました。
ムービー自体かなり大掛かりで、作り込んだプロならではの企画書が上がってくる
という。

切迫早産で入退院繰り返しながら仕事もこなし、そんな過酷な中ムービー制作もするなんて、本当すごい。



出産の前の週末に、今まで住んでいた家でムービー撮影。
この写真の2.3日後に出産とは、神がかったタイミングです。

産まれた赤ちゃん、女の子で名前は「羽月貴ちゃん」
早速会いに行きましたが、小さくて可愛い!!新生児って特別ですよね。




彼女の絵のイメージは

・夜に産まれたので、夜っぽい感じで
・「女の子」と伝わる感じで
・「森」をイメージする感じの木々のイラストを入れたい

・友人に描いてもらったビーグルのイラストを入れたい


・お腹の羽月ペイント


・羽月貴ちゃんの裸んぼ姿


とのことでした。



よし!最高の絵画を作ろう!!と意気込みを。

CDジャケットになるように正方形でのご依頼でした。

ラフはこのような感じで2案ご提案。
毎回、フルオーダーでご依頼いただく際には、2案はお見せするようにしています。
これはデザイナー時代から必ずそうしていて。
比べて選択をしてもらうことで、ご依頼いただいた方に納得感が生まれるのです。



仕上がりはこのような感じになりました。

夜の森の中で天使となったYさん。

神々しい光を放ちながら、母体の羽根の中で包まれる羽月貴ちゃん。

神話性の高い天使やペガサスも出てきて彼女の誕生を祝福。

森の守り神であるフクロウとビーグルもその様子をそっと見守っています。

Yさん、こちらの仕上がりをとても喜んでくださり、ホッとしました。
私自身もいつもの肖像コラージュとはまたちょっと雰囲気が違うオーダー絵画に、新たなチャレンジができたかなと、とても気に入っています!


特製額に入れて納品。


その方の人生の節目を一枚の絵画に仕上げる事は、本当に嬉しくて光栄で。
これ以上の光栄なことってあるのでしょうかという位です。
なので毎回緊張しっぱなしです。

ご希望に添えるよう、毎回魂を削るくらいに心を込めて制作をさせて頂いております。

それは20代から変わらずに、ずっと仕事が大好きだから。
仕事は私にとって使命だと思っています。


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