駅どめ
以前、あるアメリカ人が、一番感動した日本映画は『ハチ公物語』と言っていた。
その方は犬が好きで、自分でも飼っていたから、その回答は納得だった。
今でも渋谷のハチ公像は、ハロウィーン期間は封鎖されたり、外出自粛の時期はマスク姿になるなど、何かと話題になる。
2009年にはアメリカ版の映画『HACHI 約束の犬』も公開され、今でも有名なハチ公。
日本版『ハチ公物語』で今でも印象に残っているのは、渋谷駅にハチを引き取りに行くシーン。
『駅どめ』といって、鉄道で運ばれてきた荷物を駅に引き取りに行く制度があった当時の様子が描かれている。
自宅まで荷物が届けられるのが当たり前の現在から見ると、時代の移り変わりを感じてしまう。
今でいうと『コンビニ受け取り』といったところだろうか?
後に全廃され、今はなくなってしまった『駅どめ』。
それゆえに、輸送の歴史の1ページを描いた貴重な場面(と勝手に解釈)。
ちなみにペットの輸送は現在も可能なようだ。
ある輸送会社のHPによると『生後3ヵ月未満の動物は輸送出来かねる場合がある』とのこと。
作中でも、秋田からの長旅で渋谷駅に到着し、駅どめとなっているハチ。
そのハチを、上野先生のお宅の書生さんやご近所さんが迎えに行くと、ハチが全く動かず大騒ぎ!という場面がある。
この場面、輸送の歴史の資料としても、物語としても印象に残っている私の中の名シーン。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?