見出し画像

ふしめふしめ

相変わらずの年度末。空いてる時間のほとんどを、研究関係の物書き、もしくはその準備に使っています。会議も多くて、なんとなく怒涛の1週間でした。

昨日と今日は、僕が所属している学科のコースの卒論発表会でした。心理学コースです。2回目の指導学生です。旧カリキュラム最後の学年で、学部が改組して新カリとなり、現在はコースの教員が増えたので、この学年は学生人数に対し教員が多く、僕の指導学生も1人(僕も改組に伴って職を得ました)。いつも局長と呼んでるラボメンです。

局長は、wordチョイスのセンスが光る、焼酎がよく似合う女史です。多分、授業を聞いて、何らかの波長が合って、うちを希望してくれました。PSYCHO-PASSが好き、とか、そういうところで、合ったのでしょう。最初は嫉妬の研究がしたいと言ってたのですが「ちょっとマウスでは難しいなぁ」と思い、浮気心をテーマにしようという着想に至りました。このテーマを楽しんでくれて、コツコツとデータを出してくれました。

学生さんと一緒に研究をする味わい

本当は僕から「このテーマで研究をしなさい」と言った方が、絶対に卒論の進みは早いし、仮説も当たる確率は高いと思うのだけど、それでは本人のモチベーションが上がらないということも、僕自身よくわかるので、なるべく本人の趣向に合うテーマを話し合うことにしています。大変なのですが。

局長の卒論では、結果的に、仮説は外れたのだが、1期生のYさんの卒論のデータと併せて考えると意味のある結果であることがわかり、追加で実験もしてもらって、データセットを揃えました。シンプルで簡単な実験だけど、(個体差の大きい行動実験なのに)キレイなデータで、僕はとても満足しています。短報として英文論文に出来ると考えています。今抱えている仕事が終わったら、春休み期間中に速攻で書こうと思うほどです。来年度は業績が欲しいので、とてもありがたい。

1人しかいない学年だったので、上の学年とうまくやっていけるか、とか、その後は下の学年と一緒にやっていけるかとか、局長も僕も若干不安だったところもあるのだが、蓋を開けてみれば、みんなとても仲が良かった。

卒論発表会は、学生さんは自分の発表で精一杯でしょうが、僕らからすると、他のラボの研究の勉強にもなるし、指導教員の先生がどんな指導をしているかもよくわかります。そういう機会です。それは、僕らの切磋琢磨にもなるかなと思います(ちゃんと指導する先生同士なら)。昨年度と今年度は、同僚の先生の統計の授業に僕も潜っていたので、他のラボの発表の理解もスムーズでした。心理統計は、素晴らしい手法ですね。

学生さんにとっては、卒論は4年間の積み重ねの結果ですが、僕らにとっても、一人一人の卒論指導の積み重ねで、ラボとしての研究になるのだよな、と改めて思います。思いますし、それをしないと、僕の研究者としての先もないでしょう。

夜には卒論発表会の打ち上げもありました。うちのラボメンは、よく食べてよく飲みます。僕は、寝不足と疲労、まだまだ書き続けなければいけない日々なので、飲んでなかったのですが、ラボンときたら、秒で出来上がっていました。テンションが上がるやつとか、笑いが深くなるやつとか...

打ち上げ後に、局長にプレゼントをもらいました(上のインスタ参照)。鹿児島のハサミ焼のショップで、とても僕好みのものを揃えてくれて、手紙に手書きの説明書まで付いていて、じんわりします。とても、よかものをもらいました。


朝が雨だったので、帰りも歩いて帰りました(いつもは自転車)。キャンパスを眺めて歩きながら「この先はずっと送り出す一方だな」と思いながら、「いつか僕が、ここを去る時が来て、こうやってキャンパスを眺めながら最後の帰路につくということも、あり得るか」と思いました。まぁ、遅くても定年のときにはそうなるでしょう。


もう1つの節目

実は先日、ゆとりさんがお仕事を退職しました(厳密には、現在は有給消化中)。ゆとりさんは、僕が行きつけのマルヤガーデンズにあるD&DEPARTMENT鹿児島(通称 d、および d鹿児島)のスタッフでした。最後の1年はゆとり店長でした。新卒で入社したとき、唯一の新入社員で(確か)、最年少のゆとり世代だったので、このあだ名になったそうで。

僕は、d鹿児島も、d鹿児島のスタッフも大好きで、dを作ったナガオカさんの語りも好きになったし、マルヤも大好きで、ここで働いてるゆとりさんの話を聞くのも好きで、僕が鹿児島にとても馴染んでいるのも、この場所のおかげであるところが大きい。他の鹿児島の友人も、何らかの形でマルヤと関わっている人が多いのです。

ゆとりさんは、10年お勤めになったのを機に、次のチャレンジに向かうそうです。

10年という節目でいろいろ変わることはあるもので、僕が鹿児島に来て3年が過ぎ、ここで出会った方々の節目にも立ち会うことが増えました。

僕の同僚の近代文学の先生とも仲の良い古本屋のつばめさんとかも(実はこの写真は僕が撮影)。


ゆとりさんの最終出勤日の翌々日は、VOULへカレーを食べに、VOULでゆとりさん一家と合流。


せっかく海辺まで来たので、甲突川を跨ぐ橋まで、自転車で。


その後、川沿いのサニーデイズコーヒーさんへ。素敵な夫婦が営む写真スタジオ付きの店舗です。ゆとりさんが退職のご挨拶をしていました。たぶん、浅煎りだろうと思われるコーヒーで、僕は東京界隈の浅煎りは苦手なことが多いのだけど、こちらの酸味はとても香りが良くて好きになりました(浅煎りじゃなかったらすみません)。


今、我が家では、ゆとりさんが退職の際にもらってきた花がいっぱいです。

これらを、日々、ドライフラワーにして、長く部屋に飾っていきたいと思う、今日この頃です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?