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湖の畔の要塞【市原湖畔美術館】@千葉県・市原市

実はダム湖の畔にある市原湖畔美術館。

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恒久展示作品も多く、企画展ももちろん所蔵作品をきちんと見せる気概が感じられる。企画展示がメインになりがちで、来館者も企画展示を目的に訪れることも多いであろう昨今の美術館の流れがあるが、この美術館は所蔵作品を各所に配置することで、来館者が館内を周遊する動線をうまく作り出すことに成功している。私はいつもクワクボリョウタさんの作品を楽しみに、そして屋上には必ず登る。

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クワクボリョウタ《Lost Windows》
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Acconci Studio《 MUSEUM-STAIRS/ROOF OF NEEDLES&PINS》

所蔵作品への愛情も、企画展へのこだわりもとても強く、遠方なんなら行きにくい市原でもここの展覧会は行かなくて後悔したことの方が多いからとつい長距離ドライブを敢行してしまう。

館内の掲示物もつい手に取りたくなる地元の情報が多くあったり、子どもでも元も場所に戻せるような仕組みがしっかりと考えられていたり(金属壁に掲示できるようにパウチされたチラシ裏にマグネットが貼ってあって感動した)、おしゃれだけど近寄り難いなんて雰囲気はない。

私が訪れた時にはミュージアムショップに展覧会参加作家の小作品が販売されており、高額ではあるが買えない値段ではなく、美術館で展覧会を開催するレベルの作家だからきっと所有は難しいだろうな…という考えを払拭してくれる。指定管理者に都内のギャラリーが関与しているからその辺上手だなという考えもあるが、気になって作品を所有してみたい人かつギャラリーには行きにくい層に対してのフォローもあるんだとちょっぴり嬉しくなる工夫があった。


美術館から車で5分程度のところにある高滝ダム記念館ではダムカレーも食べられる。昔21_21の〈土木展〉でダムカレー(※模型)の展示を見てから憧れていたが、ここで出会えるとは思ってもいなかった。オーソドックスな形の(?)ダムカレーで、ルー自体は粘度があるので、放水は難しい。
(※ライス側にルーを流すことをダムの放水に見立ててこう呼ぶのはダムマニアでは常識とのこと。もはやダムカレーはカレーではなくダムということらしい。)

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ダムカレー 920円

見立ての美学が食事のシーンにまで及ぶのは日本的な思想で本当に愉快だと思う。

市原アートミックスで昼食難民が多数発生するため、ここのダムカレーはお腹もいっぱいになるし、レストランの雰囲気もスキー場のレストハウスのような気取ってない懐かしい雰囲気で穴場なのでは?

近くのある市原ぞうの国もゾウの鼻に触れることができ、餌やりもできるなんとも刺激的な動物園。アートファンは市原アートミックスの時に訪れがちな市原だけど、会期外でも魅力があるところ。午前中は美術館、お昼はダムカレーからの市原ぞうの国なんて回っちゃえば市原を満喫できるはず。

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鼻を触らせてくれたゾウさん


晴れたら、市原行きましょう。


■市原湖畔美術館

■高滝ダム記念館

■市原ぞうの国


本日も最後まで読んでくださってありがとうございました!
よい夜をお過ごしください◎

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