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318 三歩で三県散歩する!渡良瀬遊水地三県境へ

わたしは小学生のころから地図が好き。
今もほぼ毎日地図を眺める地図マニアです。
地図が好きな人にとって、国境とか県境とかそういった人が引いた境界線は何かと興味をそそるものです。
今回はそんな境界線、いや境界点の中でも特に有名な「渡良瀬遊水地三県境」をご紹介します。

やってきたのは東武鉄道の柳生駅。ここは埼玉県加須市になります。

結構有名な観光地のようで、駅前にはこのような看板が。こちらに歩いていけばいいようです。

のどかな田園風景の中を歩きます。向こうに見えるのは「道の駅かぞわたらせ」。名前の通り埼玉県加須市にありますが、私が今写真を撮っているこの場所は栃木県栃木市です。先客がいますが、あそこが「渡良瀬三県境」になります。

すぐそこに立てられていた交通安全運動ののぼりも「栃木警察署」のものです。

こちらが三県境。左手が埼玉県加須市、奥の田んぼが群馬県板倉町、右手が栃木県栃木市となります。


地図だとこんな感じ。「P」マークのある左手が三県境です。

水路を挟んで三県が分かれていることがわかります。

水路の真ん中に三県境の境界標が刻まれています。
それでは、三県を三歩でまわる散歩をしてみましょう。

一歩
二歩
三歩!

関東三県を三歩で一回りしてしまいました。
ところで、この三県境、どうしてこんな中途半端な場所にできたのでしょうか。

青が今の渡良瀬川、水色が明治以前の渡良瀬川。

かつて、渡良瀬川は今の流路とは異なり西の方を流れていました。これが栃木県と群馬、埼玉県の境となっていたのですが、洪水対策のため明治43年に流路を変更しました。また、そこに注いでいた群馬県と埼玉県の間を流れていた谷田川も河道変更がなされます。もとあった川は治水工事で出た土砂で埋め立てられて新たな耕地が生まれ、ここに平地の三県境が誕生することとなったのです。

全国に48ある三県境ですが、山や川の中にあって平地にあるのは全国でもここだけ。地理に関心のない方にはなんてことない場所なんですが、実は極めて珍しい場所です。

さて、せっかくここまできたので少し足を伸ばして渡良瀬遊水地まで歩いてみましょう。

広さ約3300ヘクタールと広大な面積を擁する遊水地は明治20年代に発生した足尾銅山から流れ出た鉱毒対策のために造られました。当時ここにあった谷中村は廃村されて湖底に沈み、当時は大変な騒ぎとなりました。あれから100年以上たった今は治水、利水対策として活用されており、また、地域住民がバーベキューなどをして楽しんだり、周囲を自転車で回るサイクリストの活動の場となったりしています。

遊水地から道の駅まで、栃木県方向から埼玉県方向に県道脇の自転車道を歩きます。先の地図の県道9号線に沿った道路です。9月終わりというのに今年はいつまでも暑い。でも空が爽やかな秋の空に変わってきていました。

道路に県境が書かれています。栃木県から群馬県に入ります。

それからものの数分で今度は群馬県から埼玉県へ。そのすぐ先に道の駅かぞわたらせがあります。

こちらの道の駅で休憩。先ほどの三県境はここで車を停めて行くこともできます。ちなみにここにはコミュニティバスが来ますが、埼玉県加須市のではなく、栃木県栃木市のバス。

ここで頂いたおやつも栃木では知らない人はいない関東・栃木レモン牛乳のアイス。とちおとめを使ったお土産なども多く、なかなか栃木感強めです。
でも錦鯉なんか販売してるのは加須市が鯉のぼりの町だからなのかな?

地理好きでもそうでなくても。ふらっと散歩するのに最適な場所だと思います。全国でもほかにはない三県境を訪ねに是非埼玉・栃木・群馬へお越しください。


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