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日本の素敵なバレエダンサー②清水裕三郎さん(新国立劇場バレエ団)

(最終更新 2024年3月23日)


きっかけ

舞踊評論家の桜井多佳子さんのインタビューを読んだことがきっかけで、海外で活躍する実力を持ちながらも日本で踊ってくれているバレエダンサーを紹介するシリーズを書き始めました。ちなみに第1弾は桜井さんが文中で名前を挙げていた福岡雄大さんについて紹介しました。

次に誰について取り上げようか考えていた際、たまたま2009年に出版された新国立劇場バレエ団のDVD Book「白鳥の湖」を見る機会があり、そこには今も現役の小野絢子さん、今村美由起さん、川口藍さん、原健太さん、清水裕三郎さんなどの名前が記載されていました。

清水裕三郎ってあのドロッセルマイヤーの清水さん!?結構ベテランなんだなぁと驚くと同時に、一緒に新国くるみを見に行った知り合いが清水さんのドロッセルマイヤーを大絶賛していたこと、以前福岡雄大さんのインタビューを読んだ時、雄大さんも清水さんの名前を挙げていたことを思い出しました。

清水裕三郎さんはロレンツォやドロッセルマイヤーなどの演技力が必要とされる役が多い印象なので、どんな先生に習われたのか興味を持って調べたところ、なんとEnglish National Ballet School出身で、ドイツのドレスデン歌劇場バレエ団に在籍していたと!ちなみにドレスデンは元Kバレエカンパニープリンシパルの康村和恵さんやYUMIKOレオタードの竹島由美子さんもプリンシパルとして在籍されていた、超名門のバレエ団です。なんと…すっごい実力者やん…!

というわけで今回は清水裕三郎さんについて書いてみようと思います✨

清水裕三郎さんのプロフィール

イケメン!ハンサム!かっこいい!

清水裕三郎さんは東京バレエ学校で学び、2000年にEnglish National Ballet Schoolに留学し、アントニー・ダウソンやマーク・デュボイに師事し、2003年に名門ドレスデン国立歌劇場バレエ団に入団しました。
2008年に新国立劇場バレエ団に入団し、現在も在籍されています。

清水さんの師匠アントニー・ダウソンについて

プロフィールを見てびっくりしたんですが、清水さんの先生であるアントニー・ダウソンって私知ってます‼️
10年くらい前にBBCが制作したイングリッシュ・ナショナルバレエ団のドキュメンタリーを見たことがあり、そこにアントニーも出演していました。
なぜ少ししか出演していなかったアントニーを覚えているかというと、1話で当時入団したばかりのムンタギロフが遅刻してスタッフに怒られるシーンがあり、アントニーが「君は世界的なスターになれる可能性がある」とムンタギロフを諭していて「丁寧に怒ってあげている優しいスタッフがいるな」と妙に印象に残っていたからです😂

1話にて、左が多分アントニーさん
3話にて

改めて、清水さんの師匠であるアントニーのプロフィールですが、元ロイヤルのプリンシパルで、ENBスクールで長年教鞭を執り、ENBでもイーグリングの片腕として活躍された、とんでもない経歴の持ち主です。
清水さんがこんな凄い方に師事していたことに驚いたと同時に、これだけの教育を受けているのであれば吉田都監督が演技力が必要とされる役に清水さんをキャスティングするのも納得です。

https://malvernballetseminars.co.uk/antony-dowson/

ちなみにこのドキュメンタリーは"Agony and Ecstasy A Year with English National Ballet"という3部作で、現在ロイヤル・バレエ団でプリンシパルとして踊るワディム・ムンタギロフだけでなく、ベルリン国立バレエ団プリンシパルのクセニア・オフシャニクなども出演している非常に見応えのある内容です。

清水さんの舞台を実際に見た感想①(ドンキホーテのロレンツォ)

さて、清水さんの舞台を実際に見た感想ですが、私が印象に残っているのはドンキホーテのロレンツォ(キトリの父)です。ロレンツォは当時清水さんと中島駿野さんとのダブルキャストで、どちらもかなり個性的な役作りでとても印象に残っています。ちなみに先ほど配役を確認したところ、10/21、10/22、10/29となんと3回も清水さんのロレンツォを見ていました!

清水さんのロレンツォで特に印象に残っているのは、小柴富久修ガマーシュと一緒だった回です。これは小柴さん演じるガマーシュが神経質で高飛車な金持ちに見えたことも影響しているかもしれませんが、清水ロレンツォは金持ちのガマーシュに嫌われないために必死に従っているという、上司に逆らえない現代のサラリーマンのような雰囲気を出していたのが印象的でした。

別回でロレンツォを演じた中島さんが娘をガマーシュに嫁がせようと超・超・超必死で、バレエのファンタジーな世界観を表していた演技に比べ、清水さんの役作りは社会構造と世の中の不条理をきちんと理解した上で作られているように見え、とても興味深かったです。
結局世の中お金(力)を持っている人が強く、そのパワーは本当に力強いです。バレエの世界ではバジルと結婚できてハッピーですが、現代社会では明らかにお金や立場(身分)あるガマーシュの方が強いでしょう。ハンサムであってもお金がなく、儲からなさそうな職業のバジルは、今の世の中ではおそらく女性陣から若いうちしか相手にされず、結婚対象には絶対にしてもらえないと思います(キトリが金持ちであれば話は別ですが)。

パワーを持つ人に気に入られたいのであれば、黙って従うことも大事だと思います。清水さんの演技を見ていると、ドンキホーテという物語の中の登場人物でありながらも、1人の人間としての哀愁も表現しているように見え、この方はきっと今まで生きてこられた中で不条理なことや、納得できないことに沢山対処してきたんだろうなと思いました。その様子を見た観客も、思わず感情移入せずにはいられないロレンツォでした。
他にもキトリのヴァリエーションの時はトレアドールやガマーシュと一緒にマント代わりにシーツを振っていたり、とにかくとても面白かったです。

清水さんの舞台を実際に見た感想②(くるみ割り人形のドロッセルマイヤー)

さて、清水ドロッセルマイヤーについては、私の知り合いが大晦日公演で清水さんを見て大絶賛していたことが記憶に新しいです。2023年12月31日の公演では、年末ということもあり、公演後に観客にサプライズが用意されました。そのサプライズは、劇中で手品師であるドロッセルマイヤーが魔法をかけるかのように披露されたのですが、その時の清水さんの動きは観客をとても引き込むものでした。

例えば視線の送り方について、清水さんは威圧して全体を見るのではなく、視線がピンポイントだったように思えました。このような場合では大抵平面的かつ観客を威圧的に見回すので、通常観客は何が起こるかわかってしまい、つまらないです。でも裕三郎さんの視線の送り方は、何が起こるか予想できなものであり、観客を非常に引き込んでいました。
また視線だけでなく、腕の使い方も独特で、目が離せなかったです。

今回清水さんはドロッセルマイヤーだけでなく、アラビアの踊りや客人もこなすなど、大活躍されていました。くるみでの清水さんは色々と印象に残っていて、例えば1幕の最初で客人がスケートをしながら登場するのですが、客人役の時は毎回最初に登場して手に息を吹きかけていたり、アラビアでは清水さんだけ独特の髪型をされていたことを覚えています(何やっててもイケメンで格好いいのです💕)

キングが絶賛する清水さんのレッスンウェアは本当にカッコいいのか調べてみた

最後に、キングこと福岡雄大さんがインタビューで清水さんのレッスンウェアがオシャレと回答しており、個人的にとても気になったので検証してみたくなりました😂
まぁプロにしてみればいかに格好よく見えるかより、いかに体が冷えないか、動きやすいかが大事なのは分かりますが、男性バレエダンサーはあまり見た目に興味ないんだろうなという印象を抱かせる服を着ている方が多いイメージなので、雄大さんのコメントはとても印象に残りました。

というわけで今回はネット上にアップされていた映像を3つ確認し、キングが絶賛する裕三郎さんがどれだけ格好いいのか検証してみようと思います😊
(元リンクは各画像をクリック)

エビデンス①マクベス公開リハーサル

イケメン!

エビデンス②ドンキホーテのリハーサル

イケオジ!

エビデンス③ウィールドン振付「DGV Danse à Grande Vitesse ©」リハーサル

ハンサム!

結論:
ウェアの細かいデザインまでは分からないので判別不可能ですが、サイズ感が絶妙で、確かに格好いい!さすがキングが絶賛するだけある!

考察:
数年分のビデオを確認しましたが、基本的に裕三郎さんが着ているものはダークカラーの無地がメインなので、ウェアのデザインというより、この場合はサイズ感が肝となるはずです。これだけ格好良く見えるのは、裕三郎さんにサイズがきちんと合っており、かつ抜群のルックスの裕三郎さんが着こなしているからという理由が大きいと考察します。

そしてそれを見抜いて裕三郎さんがオシャレと紹介した福岡雄大さんもオシャレの分かる方だと思いました。雄大さんもウェアのサイズがきちんと合っていて、毎回2人ともすごく素敵です☺️

眉目秀麗!

余談:
おしゃれなウェアを着たいバレエボーイズ達は裕三郎さんや雄大さんのウェアを見て似たようなのを購入するか、もし面識がある方なら一緒に買い物に行って実際に選んでもらったら、間違いなく素敵なウェアをチョイスしてくれそうな気がします😍

裕三郎さんや雄大さんは、バレエダンサーやオシャレになりたいボーイズ達のファッションアドバイザーとかやったらどうでしょうかね。2人ともこれだけカッコいいから裕三郎さんや雄大さんキッカケに、ファッションをきっかけに、バレエファンが増やせる可能性もありそうだなとか思いました。
ボーイズだけでなく、大人は、特に女性はバレエ習うモチベーションって綺麗になりたいが多いので、オシャレなバレエウェアやファッションコーディネートを提案するYoutubeとかを2人で出したら流行りそうだなぁ。「ファッションキングとオシャレ手品師の部屋」とかいうチャンネル名は、どうでしょう😂😂😂
すみません、つい調子に乗ってふざけすぎました😂😂😂

裕三郎さんや雄大さんって、全然バレエを知らない顧客層が彼らをきっかけにバレエに興味を持ったり、劇場に行くきっかけを作れそうなオシャレで素敵な2人だなって勝手に想像しちゃいました😊 ではでは👋💕

裕三郎さんの今後の出演情報

ラ・バヤデール(新国立劇場バレエ団)
2024年4月27日(土)14:00
2024年4月28日(日)13:00 
2024年4月28日(日)18:30
2024年4月29日(月・祝)14:00
2024年5月3日(金・祝)14:00 
2024年5月4日(土・祝)13:00 
2024年5月4日(土・祝)18:30
2024年5月5日(日・祝)14:00

クラシックバレエあーとかんぱにぃ
STAGE PERFORMANCE 2024 "SPECIAL GALA"
2024年8月10日(土)18:00


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