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日本の素敵なバレエダンサー①福岡雄大さん(新国立劇場バレエ団プリンシパル)

(最終更新:2024/03/24)
海外で活躍する実力や実績を持つにも関わらず、あえて日本で踊ることを選んでくれた素晴らしいダンサー達が日本では多数活躍しています。それらのダンサー達の実力はずば抜けており、私たちは知らず知らずのうちに世界トップレベルの舞台を目にしていることが多いです。
舞踊評論家の桜井多佳子さんのインタビューを拝読し、素晴らしい実力を持つダンサー達をもっと多くの方に知ってほしいと思い「日本の素敵なバレエダンサー」シリーズを執筆しようと決意しました。

ちなみに桜井さんのインタビューですが、とても内容が良く、ダンサー達の待遇、教育についても深く踏み込まれており、かなり読み応えがあります。特に印象に残ったのは日本のバレエ団+日本で活躍するダンサーのレベルが高いというこの欄です。

奥村康祐さんは国際コンクールでも入賞していて、海外の国立バレエ団で活躍するチャンスもありました。私に言わせれば、(日本の)新国立を選んでくれたわけです。(現在、新国立劇場バレエ団プリンシパルの)福岡雄大さんも海外で活躍していたけど、帰ってきてくれた。にもかかわらず、海外でプリンシパルになった人だけをあれだけ取り上げてしまうというのは、私は非常におかしいと思うんですよ。もちろん英国ロイヤルバレエ団もパリ・オペラ座バレエ団も素晴らしい。でも、新国立劇場バレエ団の水準も高い。プリンシパルのレベルも非常に高いのです。

https://www.artscouncil-tokyo.jp/ja/blog/29479/

さて、海外で活躍した実績を持ちながらも、日本で踊ることを選んでくださったダンサーは沢山いますが、このシリーズ第1回は桜井多佳子さんが名前を挙げられていた新国立劇場バレエ団のプリンシパル福岡雄大さんについて書いてみたいと思います。

福岡雄大さんは2003年渡欧され、スイスのチューリッヒバレエ団のソリストとして活躍されました。2008年には世界的に有名なヴァルナ国際バレエコンクールで銅メダルを受賞されており、その実力は国内外で認められています。2009年に新国立劇場バレエ団に入団し、数々の主役を演じ、2011年にはプリンシパルに昇格しました。
福岡雄大さんの溌剌とした魅力と、舞台を支配する存在感の大きさ、そして安定したテクニックに魅了されるファンは多く、特に小野絢子さんとのペアは「ゴールデンコンビ」と呼ばれており、チケットは完売することも多いです。

私が福岡雄大さんを初めて見たのは、2017年2月24日に新国立劇場で上演されたプティ版「コッペリア」です。
「コッペリア」は「白鳥の湖」や「くるみ割り人形」に比べると知名度が落ちるので、当日券は絶対買えるだろうと思っていましたが、小野/福岡ペアの人気は7年前の当時から凄まじく、なんとラスト1枚でした。
なぜここまで細かく覚えているかというと、新国立劇場には当日半額の学生券があり、初台まで急いで向かった記憶があるからです(どうしてもコッペリアを見たかったのですが、当時は本当にお金がなかったのです…🥲)

ちなみに私の雄大さんの第一印象は「タバコ吸ってるイケメンのお兄さん」でした。プティ版コッペリアではフランツが最初にタバコを吸ってるシーンから始まるので、とても印象に残りました。その回も2020年の「コッペリア」配信でも、街の人気者のフランツを楽しそうに演じられていたことをよく覚えています。

そんな雄大さんを久々にリアルで見た舞台はやはり「コッペリア」で、2023年に6年ぶりに拝見することが出来ました。
初日の急なキャスト変更によりなんと代役として出てこられましたが、そんなことを全く感じさせない溌剌とした超元気でかっこいいフランツだったことを覚えています。私は初日と3日目を見に行きましたが、雄大さんが超ノリノリでものすごく舞台をリードしており、とても楽しかったです。

それまでに見た雄大さんの舞台は毎回フランツでしたので、超元気でヤンチャなお兄さんというイメージだったのですが、横浜バレエフェスティバルで見た雄大さんのアルブレヒトは憔悴しきって踊り過ぎて今にも死にそうな様子がよく表現されており、雄大さんの表現力の幅に驚きました。
その後も新国立劇場の「ドンキホーテ」や「くるみ割り人形」で雄大さんを見ましたが、くるみの王子はとても優雅で、ドンキホーテでは溌剌とした明るいキャラクターを軽妙に演じており、踊りだけでなく居酒屋でのマイムや食事のシーンの演技がとても上手で群を抜いていたことが印象に残っています。

そして「雄大さん凄いな」と改めて思ったのは、2023年11月25日に行われたヤングガラで木下嘉人さん振付の「Passacaglia」を見た時です。普段なかなか見る機会のない現代風の作品だったということもありますが、雄大さんが出てきた瞬間場がピシッと引き締まったのを感じ、プリンシパルとして活躍してきた雄大さんの凄みを肌で感じました。

長年新国立劇場バレエ団の顔として沢山の観客を魅了してきた雄大さんの舞台は、いつみても溌剌とした魅力、深い表現力と共に観客の心に訴えかけてくるものがあります。日本で踊ってくださり、世界レベルの踊りをいつも披露してくださり、1人のバレエファンとして心から感謝しています。

そんなかっこいい福岡雄大さんの今後の出演情報はこちらです。

新国立劇場バレエ団「ラ・バヤデール」 主演ソロル役
2024年4月27日(土) 14:00
2024年5月4日(土・祝) 18:30

新国立劇場バレエ団「アラジン」 主演アラジン役
2024年6月14日(金) 19:00
2024年6月21日(金) 13:00
2024年6月23日(日) 14:00

ちなみに海外で活躍してた実績を持ちながら、日本で踊ることを選んでくれたダンサーを紹介するシリーズですが、新国立バレエ団、Kバレエカンパニー、東京バレエ団、牧阿佐美バレヱ団だけでも何名も該当者がいます。
私が実際に彼らの舞台を見た時の感想や、見どころポイントなども含め、順次書いていきたいと思います🥰 ではでは👋✨

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