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第17話 カピちゃん、自分の家に着く。

怒って文句を言い続けるロボ君をなだめながら、銀色の鳥はカピちゃんを連れてロボ君の家の外に出ました。外に出ると、辺りはもう真っ暗でした。

「今日は遅くまですまなかったね。ちなみにカピちゃんの家は、ロボ君の家のすぐ隣に準備したからね。そこまで案内しよう。」
と、銀色の鳥は言うと、ロボ君の家の隣にある家の方へ歩き出しました。

「ええ・・・私の家はロボ君の家の隣なんですか?」
と、カピちゃんは少し気まずそうに言いました。さっきの会話の感じだと、ロボ君と自分が仲良くできるとはあまり思えなかったからです。

「そうなんだよ。近くに住んでいた方が仲良くできると思ってね。お互いに輪廻の森に来たばかりだから、色々助け合うこともできると思うよ。ちなみに、カピちゃんの家の精霊の名前は『梅さん』というんだ。とても優しい方だから、カピちゃんもすぐに仲良くなれると思うよ。」
と、銀色の鳥は言うと、ロボ君の家の隣にある家の前で止まりました。カピちゃんも急いでその家の前まで来ました。

「梅さん、新しく輪廻の森に来たカピバラのカピちゃんが、この家に住むことになったよ。ドアを開けてくれるかな?」
と、銀色の鳥が言うやいなや、その家のドアが勢いよく開き、家の明かりがパッとつきました。

「いらっしゃい、よく来たね!あら可愛い子だこと!カピバラのカピちゃんっていうのかい?あまり見たことのないタイプの子だね。さあさあ、もう暗いから早く入って。シルバーさんも良かったらどうぞ。」
と、優しいお婆さんのような声が、開いたドアの奥から聞こえました。

「では、お言葉に甘えて入らせてもらおうかな。カピちゃんもおいで。この家での暮らし方を説明しよう。」
と、銀色の鳥はカピちゃんの方を向いて言うと、どんどんその家の中で入っていきました。

カピちゃんはドアの奥の声のした方向をじっと見つめましたが、そこには何もありませんでした。(声は聞こえるけど姿は見えないって変な感じだな・・・)とカピちゃんは思いました。(なんだか変な感じだけど、他に行けるところもないからなあ・・・)とカピちゃんは思いながら、その家の中に入りました。

その家の中は、ロボ君の家とほとんど同じような作りでした。銀色の鳥についていくと広めの部屋があり、その床にはやはりフカフカの何かが敷いてありました。銀色の鳥はそのフカフカの床に座りこむと、カピちゃんの方を向いてこう言いました。

「カピちゃんも座ってゆっくりくつろぐといい。この家はカピちゃんの家だからね。この家の使い方で何かわからないことがあったら、家の精霊の『梅さん』に聞くといいよ。『梅さん』は家の精霊としてベテランだからね、困ったことがあったらきっと相談に乗ってくれると思うよ。」

「もちろんですよ。カピちゃん、何でも気軽に相談して下さいね。人間の社会のことにも私はかなり詳しいからね、きっとお役に立てると思いますよ。」
と、今度は天井の方から、あの優しいお婆さんのような声が聞こえました。

「ありがとうございます。私・・・あの、まだこの森に来たばかりでわからないことばかりなんですけど・・・お世話になります。」
と、カピちゃんは天井の方を見ながら、しどろもどろ言いました。

その様子を見て、銀色の鳥はニコニコして言いました。
「今日は大変な1日だったね、カピちゃん。ロボ君の家にも行ってくれてどうもありがとう。ロボ君がなかなか学校に行かないことで、私も困っていてね。ロボ君は外にもあまり出たがらないし。何しろこの森には、ロボットがロボ君しかいないだろう。おそらく孤独だと感じているんじゃないかな?それに、ロボ君は生きている時に猫に襲われたことがあるから、動物全般がちょっと苦手なようでね・・・」
と、銀色の鳥は言ってため息をつきました。

「ただ、カピちゃんならロボ君の友達になれるんじゃないかと思っているんだ。カピちゃんも今のところは、この森で唯一のカピバラだからね。ロボ君と同じく、二人共にこの森では珍しいタイプだと言えるかな。それに、二人共に身体の大きさもそんなに変わりないし、この森に来た時期も近いから、きっといい友達になれるんじゃないかと思うんだ。」
と、銀色の鳥は言ってカピちゃんの方をじっと見つめました。

「いい友達ですか・・・それはどうでしょう?ロボ君はあまり私と仲良くしたくないみたいですし・・・友達になれるかどうかはわからないですよ・・・。」
と、カピちゃんは自信なさげに言いました。

~第18話につづく~

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