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タレントプールの作り方

弱いつながりがこれからの時代は必要不可欠

リファラル採用については、社長と5〜10人ぐらいからはじめてみましょうということをいい続けています。

社長が本気であるということを理解してもらった上で、社長と会社が大好きな5〜10人で始めることにより小さな実績を上げる。

小さな実績が上がってから、全社的に社員を巻き込むことがセオリーになりつつあります。

なぜなら、社長からのトップダウンでリファラル採用をはじめたとしても、「うちの会社は人手不足なのか?」、「会社に不満があるのに友人、知人は紹介できない」、「通常業務でさえ忙しいのに、できるわけがない」などのハレーション分子を振りまくだけですし、人事採用担当者が予想をしていた紹介数より上がってこないというのが現状です。

協力をしてほしい人が忙しいからという理由もあります。

フットワークの軽い人事であれば、会社を愛している社員を見つけることができ、業務時間中に個別に対応をしていくことも1つの手段になると気づくでしょう。

「いま会社ではこういう採用問題を抱えています。」と伝えます。

その場で個人携帯からソーシャルネットを見てもらって、「この人と一緒に働きたい」「この人なら会社にマッチングしそう」などといろいろな人に目星をつけてもらい、その場でアクションを起こしてもらうことにしてみました。

facebook、LinkedInについては実名制であり、経歴についてはプロフィールを見ることができればわかります。

半ば強制的ではありますが、時間をもらって話をして、その場でアクションをしてもらうことによって危機感を持ってもらうことが初動でのポイントになります。

友達の友達はみな友達だ大作戦

紹介してもらうことに対して、抵抗がないインセンティブを同時に施策しておかないといけません。

よくあるのが、社員紹介で3000円、採用で10000円などと単発的なインセンティブを発生させる企業が多くありますが、社員が本当に自分の友人、知人を紹介するのにその金額でいいのでしょうか。

とある企業でリファラル採用をお手伝いさせていただいた時に、この問題が意外に重要だということに気付かされました。

情報提供して3000円、採用されて10000円って、友人を紹介する価値があるのか?という疑問がわいてきました。

そして社員に協力をしてもらうことについても、トップダウンではなく、人事が主導権を握ってチームで推進する事をすすめました。

その会社の社長さんとお話をした時に、「社長、あなたの友人を3000円で紹介をしますか?」と質問をしてしまいました。

そうすると社長は少し考え込んで「そうだよなぁ〜自分の友だちを3000円では紹介しないよな。」と眉間にしわを寄せながら答えた。

間髪を入れずに「では、いくらなら紹介をしてくれますか?」と矢継ぎ早に質問をしてしまった。

社長はさらに困った顔をしながら、「お金だけじゃないなぁ。この人になら紹介をしてもいいかなと思える人ならねっ」

そうしたら、インセンティブ制度についてもちょっと考え直してみてはどうでしょうと提案したのは他でもない。

そこで愛社精神のある社員を5人程度、選抜してもらうと同時に人事が主導権を握ってリファラル採用をおこなうプロジェクトをスタートさせました。

3ヶ月で1人採用を目標に草の根運動を始める事になりました。

名付けて「友達の友達はみな友達だ。世界に広げよう友達の輪大作戦」ということではじめました。

リファラル採用を浸透させるにはコツがある!?

社員のスマートフォンの中には、電話帳、ソーシャルネットが存在しています。

1人の社員から発生する友達の輪は無限大に広がっていくことになりますから、チャンスも無限大に広がります。

これを一度に朝礼や社員総会でリファラル採用をやりますといったところで浸透はしません。

浸透をさせるためにはそれなりの準備が必要になります。

紹介してもらった時、採用が決まった時でインセンティブを発生させることが必要になります。

紹介をしてもらった時は単発のインセンティブで問題はありません。

採用が決まった時のインセンティブについては、継続的なインセンティブが効果的ともいえます。

最近ではアルバイトの人材紹介もありますし、出稿するだけでも費用が発生します。

一人あたりの採用単価を考えると10万円から15万円ぐらいと推定をした時に、インセンティブを考えてみましょう。

採用単価については、各会社で違いますから、その辺については経営層と人事がガッチリとスクラムを組んで運営することにしてください。

紹介をしてもらい面接に来てもらった時に、1万円のインセンティブが発生します。

採用が決まったら、その社員が在籍をしている間、最長2年間は5千円のインセンティブが発生する仕組みにすると、採用単価の範囲内で収まる形になります。

社員にしても単発的なインセンティブが発生して一時期収入がアップするよりも、継続的なほうが心理的負担も小さくなります。

複数人紹介をして採用をしてもらうと、社員にとっては収入のプラスになりますし、継続的であればまた紹介をしたくなる仕組みです。

いかに腹落ちをさせるか

実際に時間を確保して人探しに取り組んでもらうと、「実はこの人よさそうでした」というように、今まで顕在化していなかった自社の採用ニーズに当てはまる人が多く出てきます。

また取り組んでみてわかったことは、「採用担当が思っている以上に、どこまで人を誘っていいのかが伝わっていなかった」ということがありました。
 
「この人は自社に合っているが、転職する気はなさそうなのでタイミングが違うと思う」など、採用担当としては何がきっかけで転職を考えるのか、どのタイミングで考えるかはわからないので声はかけてほしいのですが、そういった認識の違いもありました。

ただ、そのようなズレも、一緒に時間を共有して、話をして、時には定型文、オリジナル文章も一緒につくり、リファラルリクルーティングを一緒に寄り添って行っていくことでなくなっていきました。

「先駆者のいない自由に動かせてもらえるいい環境」になっています。

形があったら、それに頼ってしまっていたかもしれません。

でも、今採用市場自体がいろいろと変わってきている中で、0から形を作っていかなければならない環境にいれて良かったと思っています。

変にとらわれることがなく、常に自社に最適な採用方法を見直して前に進んでいければと思っています。

また、良いものを文化として根付かせていくことができることは担当者としては嬉しいものです。
 
現時点ではリファラルリクルーティングの文化を創りたいと思っていて、「自分の仲間は自分で見つけてくる」というような文化を根付かせられたらいいなと思っています。

人事は本当に人の人生を扱っている仕事だと感じているので、入社してもらうことではなく、その人自身が幸せになってもらうことが1番だと思っています。

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