見出し画像

時代とともに変わる採用と評価

求められる企業の柔軟性

今までのやり方や待ちの姿勢でいる人事制度を引いている企業は衰退する恐れがあります。
採用担当者同士で話をしていると、いまだに母集団の形成ができないということが話題になります。
それは待ちの姿勢で採用戦略を考えているからそうなっているような気がします。
本気で知恵を絞り、そのためにはどんな戦略が必要になるのかを考えていません。

私は就職、転職サイトに出稿をすることは、広告宣伝であり、
認知度を高めるための手法であるといっています。
人材のプールの中に広告を出すことによって、
自分の企業を知ってもらうキッカケになるでしょう。

採用人数をクリアするためには、これだけでは足りません。
会社説明会を開いたり、ソーシャルネットを駆使して、
情報を発信しているだけでは足りないのです。

2次の情報になるのと、同じように良い所だけを書いている情報なので、
信ぴょう性が疑われてしまうことになります。
広報宣伝活動の一環であればいいのですが、それを採用につなげるには力が入ります。

採用担当者はコンテンツづくり、マーケティング、宣伝の仕方がわかる必要があります。
いいことばかり書いていても胡散臭く感じますし、人集めであるということに気づかれます。
社員の紹介やオフィス周辺のグルメなどをやっているところもありますが、
社員紹介というのはリスクがあります。

ヘッドハンターが狙っていたり、新規開拓営業を考える営業パーソンが狙っていたり、
個人的な問題などいろいろなリスクを考えなければなりません。
共感できるネタというのと、万人受けをしようとしているため、
内容やコンテンツがにたりよったりしていることがよくあります。

1次の情報をいかに伝えるのかということを考えなくてはなりません。
そうすると企業の垣根を超える必要もあるでしょうし、
業界の垣根や慣習というものを超えていく必要があるのではないだろうか。

人材のプールの中に飛び込んで母集団をつくる時代は終わりかけています。
ハンティング型の採用に切り替わる過渡期に入っているといえるでしょう。
大手企業だから安泰であるという時代も終わっていますし、
キャリアの突然死を迎えてしまうこともよくありますから、
そうならないためにはどうしたらいいのかをよく考える必要があります。

そのためにはスピードキャリア、スペシャリスト育成、
ビジネスプロデューサー育成などと多岐に渡るキャリアプランを提案することが必要だ。
いろいろなキャリアプランがあり、その先にはロールモデルがあるということが、
企業の選択肢を増やす方法ではないだろうか。

これを実現するためには、過去の習慣、慣習、しがらみといったものをすべて消さなければならない。
先入観、思い込み、決めつけがあると、時代に合わせた柔軟な発想ができなくなるからである。
過去の成功体験は過去の時代背景とマッチしたことですから、
参考にはなるけど、同じフレームは使えない。

また、これからは採用した人が働きやすい環境を作ること、
働く人が正当に評価をされる人事制度というのが求められます。
現在の図式では、昇進、昇給は上司の判断1つで決まることが多くあります。

いまだに年功序列が残っている企業が多くあり、
勤続年数が長い順に昇進をしていくシステムはいまだに根強く残っている。
実力のある若手が転職をする理由はここにもある。
上司の判断1つで何もかも決まってしまうという不公平感がそこにはあるから。
社会とは窓ガラスを割らないルールですが、騒げば左遷されたり、
不当な降格を食らうことになるので、モノを言う若手がいなくなるでしょう。

上司は自分のイスを守るのに必死になり、若手のチャンスを潰しているということに気づいていない。
そのため、限られたポストの数を争うためにはポストの渋滞が起きていることがよくあります。
そういうことに愛想をつかしてしまって、転職をしたり、独立開業をしたりするでしょう。

優秀な人材をうまく活用する方法を生み出さなきゃいけない。
女性が活躍できるようにするためには、時代のニーズにあった人事制度をつくる、
福利厚生を作ることが必要になる時代です。

また、終身雇用が前提となった研修や人材育成制度というもの以外にも、
スピードキャリアやスペシャリストキャリアなど多様性のあるキャリア地図を描ける様にしないといけません。

コレをやったら、イメージダウン

内定承諾書を書かせたら人事の勝ちと考えている人もいる。
なぜなら、それがあることによって損害賠償請求ができると思い込んでいるからである。
しかし、内定承諾書については法的拘束力が全くないということを知らないからだ。

学校の推薦状みたいなものだからとか、
これをもらっておけば内定辞退をしにくいという心理的なプレッシャーはあるかも知れません。
内定を辞退したからといって、辞退した人に対して損害賠償請求をする会社はほとんどありません。
裁判沙汰になったとしても、費用だけが莫大にかかってしまうこと、
企業ブランドの低下を否めないからである。

裁判になると企業のブランドイメージが著しく低下をする。
内定辞退を仕手の係争ということになるのであれば、
ソーシャルネットやインターネットであっという間に情報が拡散される。
そして採用戦略に対して重大な影響をおよぼすことを認識しているからである。

裁判に勝てたとしても数万円程度の金額になるため、
リスクを取るだけの意味がないというのが本音である。
普通であれば損害賠償請求が起きにくい状況ではありますが、
経験の浅い人事は気弱な学生を見つけて、損害賠償請求をした。

しかし、この学生の後ろにいるキャリアセンターのセンター長の存在を知らなかった。
確たる有名な人であり、業界では有名なキャリアセンター長だったのだ。
後日、呼び出された採用担当者は、カミナリをもらうと同時に、
学生、学生の関係者に対して、謝罪をしたというのはいうまでもない。
学生の立場からしたら、謝罪より返金をしてくれというのが本音だろう。

また、皆さんの記憶にもあると思いますが、TV局のアナウンサー採用試験で、
キャバクラでアルバイトをしていたことで内定取り消しになり、
その後労働裁判を起こして、勝訴してアナウンサーになった人もいます。

それは内定取り消しの根拠が非常に曖昧だったということ。
テレビ局もバブルの時のように、提供がつきにくくなったことや
いろいろと社内で問題があり、いろいろな人材が流出していく事になったり、
その都度色々なメディアでバッシングを受けていた。

今求められるのは、アナウンサーとしての品格という理由で
内定を取り消してしまったテレビ局はあまりにも入社後のバッシングを気にした措置と見受けられた。
企業のブランドイメージというのは非常に重要なものであり、
あまりにも批判を受けることを気にしたあまりにやってしまったケースともいえるだろう。

しかし、気になることが1つでてきた。
企業が内定を取り消す際にはいろいろと問題になるにもかかわらず、
内定者が内定を辞退することについては問題にならないという矛盾。

職業選択の自由があるといえばそれで終わってしまうけど、
あまりにも労働者保護の観点が強力であるということは
言うまでもないことかもしれない。

また、余裕がないということになると、学生に伝わる事になり、
学生のコミュニティでは、この会社の人事はブラックじゃないかとか、
オワハラをうけたんですけど…などとソーシャルネットで拡散すると、
炎上をしてしまうことになる。

限られた範囲でルール違反を起こさないように試行錯誤をしていくのが、
これからの人事、採用担当の力であるというのはいうまでもない。
ルール違反は一発レッドカードで退場処分になってしまうと、
その企業の採用戦略全体が危うくなってしまうし、コストも掛かることになってしまうことになる。

リスクを超えられるだけのロジックがあれば、
そのリスクを背負ってでも勝負をすることができますが、
ロジックもなく、感覚的にいろいろなことをやってしまうということは、
おもいっきり危険を犯すことになるので、絶対にやめたほうがいいでしょう。




よろしければサポートをお願いいたします!頂いたサポートについては、製作費として使わせていただきます。