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採用担当の知恵と腕が試される時代

得するサイト!?損するサイト!?

次にわかったことは、いい媒体かどうかは、「媒体×手法×自社現状で判断する」ということがあります。

採用に困っている時に、人事の横のつながりやサイトの営業担当者に決まって質問をしていたことがありました。

他の会社の応募状況や内定状況はどうなっているのか?と本音ベースでいろいろと根掘り葉掘り聞いていた。

「この媒体がいいですよ」というようなところだけではなくて、例えば「A社さんのエントリーを稼いで内定を出したいというのであれば、求人掲載はすごくいいよ」「逆にB社さんは、ダイレクトリクルーティングするのがすごいいいよ」というかたちで、ただ媒体だけを紹介するだけでなく、手法というものも聞くべきなんじゃないかなと思いました。

次に、さっきもお伝えしたんですけれども、A社さんはダイレクトリクルーティングの場合は、転職モチベーションは低いのではないかという仮説を立てたときに、すぐに転職する可能性が低い。

逆に、通常の転職サイトであれば転職モチベーションが高い人たちが集まっているので、すぐに転職する可能性が高いのではないかという仮説を立てたら、攻め方は、A社さんのスカウトは種植え型。

要は、3ヵ月後のジョインを狙う人たちを採用しようとしてるときに使うものじゃないか。

逆に、通常の転職サイトは刈り取り型。

転職モチベーションが高い人に向けてアプローチを行うので、1ヵ月半後のジョインを狙うというところで、きっちり住み分けられるんじゃないか。

でも、「すぐに人がほしい」と言っている企業さんには種植え型はなかなかできないですし、逆に「いい人がいればジョインしてもらいたい」と思っている企業であれば、刈り取り型ではなくて、種植え型でどんどん攻めて採りにいく手法のほうが合っているんじゃないかなと思います。

というふうに考えたら、ただ媒体×手法だけで見るのではなく、自社の現状を踏まえた上で媒体を選定していかないといけないんじゃないかなというところに気づきました。

面接官の腕が内定辞退率と関係している!?

最後に、面接官の出来が内定率に直結するということです。

私自身が人事として動いていく前に、特に1次面接では、「面接を通過するかどうかのジャッジをするだけでいいのではないかな」と思っていたんですけれども、やっていくうちに「本当にそれでいいの?」って思うようになってきました。

求職者でいうと、「すぐに転職したいと思っている」「興味があるけどまずは話を聞きたい」「転職するかどうかもわからないけれども会ってみたい」など、さまざまなモチベーションがある。

企業でいうと、「我々のスキルがある人がほしい」「急募で人がほしい」「いい人がいたらほしい」など、さまざまなニーズがあって、それらに対して求職者側のニーズであったり企業側のニーズに合わせてディレクションしていかなければいけないということに気づきました。

“もし”という仮説をいろいろ立てたときに、「もし、あまり転職したいと思っていない人に魅力あるプレゼンができれば来てくれたのではないか……」。

「もし、求職者の希望職種とは違う職種のほうがマッチしていると判断できる人がいて、そこにマッチングさせられることができたら……」とか。

人手が足りないと言われている昨今でいうと、この“もし”をどれだけ排除できるかがすごい肝なんだなと思ってきました。

面接官というのは、1次面接を通過できるかどうか、2次面接を通過できるかどうかのジャッジをするだけではなく、求職者と企業の間を取り持つディレクション能力であったり、面接判断能力であったり、この会社にきたいと思わせられるプレゼン能力であったり、求職者の転職モチベーションに応じた対応力。

あとは、企業が求めているスキルをチェックする最低限の知識であったり、あとは職種ごとにテンションを変えたり、さまざまなニーズスキルがある。

Webの制作会社ではエンジニア、ディレクター、デザイナーであったり、メディアもやっていれば編集者、ライターさんであったり、さまざまな職種がある。

本当にさまざまな職種の人を採用しなければならないと考えたら、職種ごとにテンションを変えていくことの意味がすごいわかるようになっていきました。

あとはスキルでいうと、譲れるポイントを見つける力。

企業側が「30歳の人がほしい」と言って、「本当にそれ30歳ですか?」と。「25〜35歳までの人でいいんじゃないですか?」と言ったときに、「本当にそうだね、それは譲れるわ」みたいなかたちになったら、本質的に譲れるポイント、譲れないポイントが見えてくる。

そういうのをしっかり見つけていかなければ面接官は務まっていかない。

次に、社内戦力を変える力。例えば本当に協力する仕組みが整っていなくて、「即戦力しか採用できません!」みたいな状況であれば、「こうして教育できるような体制を整えていったら、即戦力じゃなくてもいいんじゃないですか?」。

「じゃあ、社内体制変えましょうよ」みたいな、社内体制自体を変える力。例えば、マッチングを引き出す力みたいなかたちで、エンジニアで応募してきた人と面談をしたときに、「この人、今うちで募集している秘書のほうが合っているんじゃないかな」と思ったら、「あなたはこういう観点から、エンジニアじゃなくて秘書をやったほうがおもしろいんじゃないですか」と提案。

「確かにそうですね」となったら、求職者の希望するエンジニアのマッチングだけではなく、さまざまな数(のマッチング)が生まれてくるなと。そういうマッチングを引き出す力も必要になってくるなと思いました。

面接官の出来が本当に内定率に直結するのが採用なんだなということに気づきました。

そもそも、求職者の転職モチベーションを把握していかないと採用ができない。

いい媒体かどうかは媒体だけではなく、媒体×手法×自社現状で判断していかないといけない。

3つ目、面接官の出来が内定率に直結してくるなと。これに気づきました。

走りながら微調整をして、ゴールを目指すこと

最後に、いろんな媒体でさまざまなアプローチをやって、大きな気づきを見つけて、その気づきから、走りながら改善し続けました。

先ほど紹介した3つの気づきでいうと、「求職者の転職モチベーションを把握しないと採用できない」というところに関しては、「メッセージ、面接、フォロー、すべてにおいて求職者の転職モチベーションを把握して動けば最適化できるな」。

要は、求職者の転職モチベーションのマネージメントですね。これが必要になってくる。

次に、「いい媒体かどうかは、媒体×手法×自社現状で判断する」というところでいうと、「それぞれの媒体、手法の特徴をつかんで、自社現状に合わせて最適なアプローチ方法を選択していくことが必要だな」。

要は、アプローチの選定が必要になってくる。

最後に、「面接官の出来が内定率に直結する」というところであれば、「優秀な面接官を用意する、もしくは育てていく」。

つまり、転職モチベーションのマネージメント、アプローチの選定、優秀な面接官の配置。

この3つをしっかり行っていくと決めて、ずっと走り続けました。

転職モチベーションのマネージメント、ダイレクトリクルーティングのスカウトメッセージに関していうと、媒体別に変更していったり、求職者のプロフィールを見て、内容をちょっと変更したりしています。

面談でいうと、媒体・手法ごとに切り替えています。

エントリー内容でも切り替えています。

実際に会って、「この人あんまりうちに興味ないな。でも、無茶苦茶ほしい人だな」と思ったら、すぐに切り替えて、「うちってすごい企業なんですよ」ということをアピールし始めたりとか。

逆にグイグイ、「他の会社さんに入りたいんです」って言ってくれる人に関しては、その人に対しての対応の仕方を変えて展開していくというようなことをやってました。

後追いフォローも、無茶苦茶ほしいんだけれども、きてくれるかどうかわからない人に関しては、飲み会やランチを一緒にしたりしてタイミングを伺っていました。

また、1回面接はしたんだけれども、今転職を考えてないという人に関しては、1ヵ月後、2ヵ月後にしっかり後追いをするみたいなかたちで、転職したいというモチベーション自体をマネージメントしていくということを行っていました。

やって、仮説を立てて、計画を見直すの繰り返し

1次面接から最終面接まですべて私1人でやってました。

1次面接でジャッジをして、2次面接にも入って、最終面接にも入ってみたいなことをずっと繰り返していました。その中でディレクションしたり、求職者をマネージメントしたり、企業側をマネージメントしたりということを常々繰り返して、トータル的に面接をフォローしてずっとやり続けました。

自分自身が役職をいただいて権限が多くあって、いろんな判断であったり、いろんな配置変換をすることができたので、まずは自分がしっかりとやらないといけないなということでやってました。

求職者の転職したいというモチベーションであったり、「今あんまり興味ないけど……」という求職者のモチベーションのマネージメントをしっかり行っていくということ。

なおかつ、媒体であったりとか手法であったり、自社に最適なアプローチをきっちり選定していくということ。

最後に、優秀な面接官をしっかりと配置していくこと。この3つを大事にしていくことで、お金とリソースの無駄をしっかり省き、なおかつミスマッチングを防ぎ、最適なアプローチとなっていくんじゃないかなと思います。

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