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オワハラが起こってしまう2つの理由

フライングゲットしようとしていた

2016年新卒採用から選考開始が8月1日と後ろ倒しになった。
今までは大手企業が学生を集めた後、中小企業が学生を集めていくことが前例としてあった。

それが2016年からは逆転する事になったため、採用活動に不慣れな企業が続出したため、オワハラという現象が起きたのではないだろうか。

それとオワハラが社会問題になったのは、ソーシャルメディアやインターネットの普及にともなって、情報伝達のスピードがオンタイムに近い状況で伝わったこともあるだろう。

伝え方次第、相手がどう解釈するかで意味が変わってしまう。
一度掛け違えたボタンを修正するには時間がかかるが、修正している間にいろいろな風評がでるというリスク管理ができていない。

オワハラを本質的に考えてみるといろいろな問題点、勘違い、思い込み、決め付けが存在しているがよくわかります。

その1つ目の問題点が、8月1日の経団連が決めたルールまで待ちきれなかったということである。

これは、経団連が勝手に作ったルールであり、このルールに従わなければならないという暗黙の了解があるということについて、知識のなかった人事や採用担当者がやらかしてしまったケース。

時代はロストジェネレーションと言われている1990年後半から2000年前後まで遡ってみましょう。

時は就職氷河期と言われていた時代で内定率も50%中盤ぐらいだった時代です。

その時は買い手市場だったこともあり、内定だしの後、即断、即決を迫る企業が多かった。

人事の立場としては、あなたが断るのであれば他の人を採用しますという殿様商売に近い。

パワーバランスが企業が上、学生や応募者が下という時代であった。

この時代に人事のキャリアを積み始めた人たちが採用責任者とか採用マネージャーになっている世代である。

ということは過去に自分たちがやられてきた手法というのが正解であるということを思い込んでいる。

私が就職をするのか、留学をするのかで迷っていた2002年の頃は、「3日以内に回答をしてください」という人事が多かったことを思い出します。

それが景気の回復に伴い、少しずつではありますが2000年代後半になると、
内定出しをした後、内定承諾の意思を取るまでに1ヶ月から2ヶ月程度かかることになります。

徐々に新卒採用を増やしていく企業が多くなっていたのと、エッジの利いた学生を探すため、
選考回数も増える事になり、企業も慎重になり、学生も慎重になり採用の長期化が始まった頃です。

そして迎えた2016年の新卒採用からは、経団連会員以外について、早いところですと年明け早々に会社説明会を行い、春休みの間に選考を済ませて、
ゴールデンウイーク前後に内定を出すという企業が続出しました。

そうすると内定承諾まで3ヶ月〜4ヶ月程度待つことになるでしょう。

しかし、本命企業が8月1日以降に選考開始になるので、学生としては自分が考えている本命企業以外であれば、内定を保留したまま、本命企業の採用にチャレンジしたいというのが本音です。

内定を出しますから1週間以内に回答をしてください。というように、
きちんとロジックを立てて、学生に伝えるのであればいいでしょう。

中にはちょっと脅迫に近いかたちで内定出しを伝える人たちがいます。
「うちが内定を出すから、他社の選考はすべて断って欲しい」ということ密室で伝えます。

その場で承諾をすれば、すぐに解放をされるケースも有りますが、ちょっと間違えると脅迫と言われても仕方ないケースもあります。

それが内定承諾書をその場で書かせたり、その場で電話をさせたりするケースもあります。

そして、内定承諾書は推薦状みたいなものだから断れないからと追い込む人事もいます。

断るともう一度選考がある旨を伝えてお祈りメールが送られる。

ここで迷った表情をしたり、相手に隙を与えてしまうと、グリップを企業側に握られてしまうことを学生たちは知らない。
そこで暴走をしてしまったのがリクルーターや新人の人事担当者である。

ここから見えてくる問題点

企業人事をやっている人にとって、ソーシャルネットでの炎上というのは死活問題です。

ネタが新しいだけにあっという間に学生内に広まってしまうと、検索キーワードでも上位に表示されてしまうことがあるということを認識しておくことが必要。

リクルーターや経験の浅い人事担当者については事前にきちんとした研修をするなり、アシスタントとして前に出さないようにしないといけない。

人事は学生との窓口でもあるし、企業の看板を背負っているということを自覚させる必要がある。

また、わからないことや怪しいことについてはロールプレイングをおこなっていたり、電話の内容を確認しながらその場で企業ブランド力を低下させない様に、応急処置をする必要がある。

信頼と実績を持っている人たちを投入することができないのであれば、コンプライアンスに引っかからないようにするためにはどうしたらいいのか、いつでも、どこでも相談をできるようなフォロー体制をつくっておくことが必要である。

なんでもハラスメントと言ってしまう学生にも問題があるかもしれませんが、火のないところに煙は立たないというようにデキるだけリスクヘッジをすることが必要になります。

十分な人事のスキルと面接技量、コンプライアンスを重視できなければ、
ハラスメントの噂がでてしまうぐらいです。

情報漏洩対策というのは内定者に対してはしっかりとおこなっているケースが多いですが、選考対象者に対してはガードが甘くなっているケースが多くあります。

そのため、個人情報の取扱の書面を交わす際に、情報漏洩対策の文言を入れる企業も増えています。

ネットでの噂については真偽問わずにいろいろな情報が出回るため、機会損失になるケースや企業ブランド力が意外なかたちでダウンすることもあります。

就職活動をうまく進めるためには、Facebookとtwitterを使う学生が多くいますが、普段はほとんど使わない学生が増えてきている。

そのため、LINEやインスタグラムなどを使いながら採用をしていくことになるため、いいことだけを書くというよりは、面接に対する情報提供をすることによって、業界研究、企業研究に使ってくださいというぐらいのスタンスがいいのかも知れない。

blogについてもランチの写真や働く人たちの楽しそうな写真ばかり掲載されていたとしても、広報宣伝活動の一環であるとみられてしまうため、業界研究や企業研究には使えないものが多い。

共感性と等身大のマーケティングが騒がれているからかもしれないけど、
ほとんどが似たような内容が乱立しているだけに見えてしまうのが不思議である。

また、経営者がblogを描いているケースも多くありますが、自分のセールスプロモーションの一環で書いていたりするケースが多い。
著書やセミナーのチケットを売りたいから、blogを書いて、ソーシャルネットで拡散するケースが多い。

もっと人柄(にん)を全面に出して書いてみてもいいのではないだろうか。
採用をする上で経営者が差別なできるポイントであると感じている企業であれば、特に経営者が今何を考えているのか、どういう戦略をやりたいのかなど、もっと書いてもいいような気がしている。

twitterを駆使してもいい、Facebookでもいい、インスタグラムでもいい、
本気でこんなことを考えているから、新しい力や素人としての意見を聞きたいと言えないんだろうか。

新しい力を入れる事は、会社全体に刺激があることですし、素人ならではの観点からモノゴトの本質をズバッと見抜くことができたりする。

そうすることによって、より磨かれたコンテンツができるのではないだろうか。

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