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ひなたの質問に答えるコーナー#5: 「親の介護を一人でしたのに、遺産分割で、なんの考慮もないケース: 「寄与分」を認めてもらうことは難しいのですか?」

今回は 「親の介護を一人でしたのに、遺産分割で、なんの考慮もないケース: 「寄与分」を認めてもらうことは難しいのですか?」について見て行きましょう。

こちら読者のわさびん さまからの質問です。

質問: 親の介護を一人でしたのに、遺産分割で、なんの考慮もないケース: 「寄与分」を認めてもらうことは難しいのですか?」

回答: 論理的にはわさびん さまの考えで問題がないと思います。 では、現実的には?

というところを見て行きましょう。

質問背景: ↓

この不公平に対抗するには「寄与分」という制度で対抗できます。
相続: 「寄与分」 <ー 親の介護をすれば、「寄与分」が発生し相続で有利になるのか?|ひなた (FP) (note.com)

「(相続の)寄与分」: 被相続人の生前に、被相続人の財産の維持や増加に特別の貢献をした相続人に対し、遺産分割で決定した相続分に加えて、貢献の度合いに応じた相続分をプラスすることができる制度のことをいいます。

上記の回答通り、兄弟姉妹がいて、一部の子供に介護などの不安がかたよるなら「寄与分」も当然で認められると思います。

が、問題はこの「介護をどうやって認めてもらうか&その証拠」だと思います。

寄与分を認めてもらう条件は?

寄与分が認められるためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

  • 相続人自らの寄与であること

  • 被相続人との身分関係に基づいて通常期待される程度を超える特別の貢献であること

  • これによって被相続人の財産が維持された又は増加したこと

これらの要件のうち、特に**「被相続人との身分関係に基づいて通常期待される程度を超える特別の貢献であること」**が厳しく判断されます。

例えば、親の介護をしてきた子が寄与分を主張する場合、親と同居していた子であれば、ある程度の介護は当然とされる可能性があります。そのため、介護をしてきた期間や頻度、内容などが、被相続人との身分関係に基づいて通常期待される程度を超えるものである必要があるでしょう。

また、寄与分が認められるためには、客観的な証拠が必要となります。例えば、介護をしてきた場合は、介護記録や病院の領収書などの証拠を用意しておくとよいでしょう。

寄与分が認められれば、相続分が増えることになります。そのため、寄与分を主張したい場合は、しっかりと準備をして、他の相続人の同意を得ることが重要です。

なお、寄与分が認められるまでの期間には、「10年」の制限があります。被相続人が亡くなってから10年以上経過した寄与分は、原則として認められません。

寄与分を認めてもらうための難しさは、以下のとおりです。

  • 寄与分の要件が厳しい

  • 客観的な証拠が必要

  • 10年の制限がある

寄与分を主張する際には、これらの難しさがあることを理解しておくことが重要です。

つまるところ、良い制度があっても使えるかどうかは別問題です。 それなら、親が生きている間に、きちんと遺言書でカバーした方がい良いかもしれないというのが個人的な意見です。

だいたい、日本の制度は今回の様に素晴らしいものが多いのですが、厳しくて審査がとおらないのでは、単なる飾りに近いと思います。

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