「プリンセスメゾン」ていう素晴らしい漫画を読んで

昔は漫画を読んでいたけど、今は読まなくなってしまったあなた。普段は漫画を読まないけど、本が好きなあなた。本も漫画も全然読まなくなってしまった、でも、本屋が好きなあなたへ。そんなあなたに、美しい筆致で僕らを魅了する池辺葵の最新刊を紹介したい。

小学館「ビッグコミックスピリッツ」編集部がお届けする無料WEB漫画サイトで連載されている本作は、

年収250万円ちょっとの主人公沼越さんが、理想の「わたしの家」を求めるおはなし。

誰だって「寂しさ」を抱えて生きているのだなと、作品中に漂う「寂しさ」に触れると、逆に何だか安心できるから不思議だ。そんな中でも、「わたしの家」を求めて日々を淡々と、そして力強く生きる主人公「沼ちゃん」の幸せを願わずにはいられない。

「わたしの家」を「独り」で探していたはずの沼ちゃんの周りに段々と、それぞれに、当たり前に「寂しさ」を抱えた人たちがゆるやかに繋がって、その和が少しずつ大きくなっていくのも微笑ましく、楽しい。

また、「家」について色々な考えを持った人物が現れては、沼ちゃんとは繋がらずともすれ違っていく。この辺りは今後の展開が気になる所。

そして、池辺葵の漫画はなんと言っても画の美しさ!素晴らしいの一言に尽きる。セリフがなくとも情景だけで、その画だけで、心動かされるのだから池辺葵の漫画は凄い。WEB漫画という媒体での連載だけども、なんとなく池辺葵は漫画として、1冊の「本」という形で作品とする事を想定して描いている気がする。電子書籍とかもあるけども、「本」として手元に持っておきたい1冊だなと強く感じる。

ので、是非「本」としての「プリンセスメゾン」がオススメです!他の著作もどれも素晴らしいのだけれど、池辺葵入門にぴったりだとも思っています。


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