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数学的に思考しよう

あなたは学生時代に数学の証明問題が得意でしたか?
私は大学ではかなり苦戦をしましたが、数学自体は好きでした。初めて積分の証明をしたときなんて数式が美しいとすら思いました。
そのころから早20年以上が経ち、書籍『数学的思考トレーニング』に出会ったので紹介したいと思います。

最初に結論

数学って何でしょう?もしくは数学の特徴って何でしょう?
著者は『定義をしないと始められない』としています。
そして書籍のタイトルにもある数学的思考を数学をするときに頭の中で行っている行為と定義し、数学的思考=定義×(分析+比較)×(構造化+モデル化)と表しています。
そしてこれらの各要素を章立てで解説してくれます。実に分かりやすく。

定義とは

物事を定義するとは『そうであるもの』と『そうでないもの』をはっきり分類するルールを明文化することとしています。そしてこれが最重要であると。
個人的な感想としては『前提』と『目的・目標』を合わせた概念で、それらを明確に『する』行為だと思いました。
そして定義しないと共通認識の欠如が起こるため非常に困ると述べています。確かに小学校時代の算数の文章問題にあったような走る速度の違う二人が出てくるような問題では、前提として二人は絶対に疲れて歩いたりはしません。まぁ、そんな感じかなと。
ではここでちょっとした演習問題を。
あなたの仕事は何ですか?つまりあなたは自身の仕事を何だと定義しますか?
これに対する回答で出来るビジネスパーソンか否かが分かるそうです。
個人的な見解ですが、これにはMACの法則に則って定義すると良いと思います。

分解とは

問題解決を目的とし、考える対象についてはっきりさせることであるとしています。テーマに影響を与える変数を洗い出す行為ともいえると思いました。
数学的用語を使うと因数分解をするイメージだそうです。ですので分解は細かければ細かいほど良いのだそう。

比較とは

得られたデータを何度も比較してデータを読み解く行為だそうです。
その際はその比較が妥当か?データの定義は正しいか?という視点が大切なのだそうです。
それを行うことで直感的な比較を論理的な比較に飛躍させることが出来るのです。その際は定性的な変数であっても数値にすることがお勧めです。そうしなければ比較ができません。

構造化とは

そもそも数学の最終目標は?というと、著者は物事を説明できる状態にすることor言語化することと定義されています。すなわち体系化。
そして体系化には2種類あって演繹的に導き出す『構造化』と機能的に導き出す『モデル化』があります。
そして構造化とは分解・比較したデータを構造として説明することと定義してあります。
よく書籍なんかでも紹介されているビジネスモデルの図解なんかは、この構造化の分かりやすい例だと思います。
そして私は気づきました。構造化が行える人は既存のビジネスモデルを構造化し、似たようなアナロジーの別の事業を考え出せるのではないかと。

モデル化とは

最後にモデル化。これは分解・比較したデータの関連性を説明することです。
機械学習のモデルに似ていると思いました。何故か理由は良くわかないが、強い関係性を持っているなというう気づきに近い感覚でしょうか。

結論

本書は個人的にかなりおススメの良書の一冊です。
理由は2点。
1.ページ数が少ない。200ページ程なので1日あれば読める。
2.ロジカルシンキングや問題解決法のエッセンスが詰まっている。

今日のところは以上です。

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