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分からないから面白い

旅が好きで、旅行も好き。
すると、旅と旅行って何が違うの?と聞かれる。
これまでも色々答えてきたけど、今は、前もって楽しみを膨らませるのが旅行なら、その瞬間を味わうのが旅かな。

どっちもいいよね。



小さな自慢話

僕は10代の頃から旅を始めました。

17歳という多感な時期に、車でキャンプをしながらヨーロッパを旅する経験をさせてもらったことがきっかけで、それまで取り立てて関心があったわけでもないのに一氣に海外志向になりました。

そんな貴重な経験が積めたのは、快く機会を作ってくれた両親と、受け入れてくれた伯父家族のおかげです。

時が過ぎるのはあっという間で、それはもう30年も前の話。
その当時はバックパッカーなんて言葉はまだまだ知られていなくて、旅人なんてかっこいいものでもなく、大人たちからはヒッピーとかプータローと呼ばれるような時代です。

ベルリンの壁が壊され、ソ連が崩壊する直前のまだ混沌とした時代でした。

全てが真新しく新鮮に感じ、カルチャーショックを受けた僕は、高校卒業後すぐにオーストラリアに行くことを決心し、ワーホリでオーストラリアでの生活を始めます。

思えば、その時に、少しずつ旅の仕方を学びました。

帰国後も、20代の半ばまで、お金を貯めては海外を放浪しました。

根無し草や糸の切れた風船なんてよく言われましたが、その言葉通り、いつもフラフラフワフワしていましたから、人としっかり向き合うとか、特定の人と関係性を深めるということは逆に経験が浅く、大人になってから苦労しました。

そんな僕が、ある時、友人の紹介であるお坊さんと出会い、そのおかげで人生の景色が少しずつ変化していきます。

人間関係に悩み、不安に押しつぶされそうになり、希望を全く見出せない中でそれでも虚勢を張っていましたが、その方に自分の全ての感情を吐き出させられるという不思議な体験をし、その上で

「仲間」をつくりなさい

と言われました。

一人旅が好きだった僕は、人と一緒に何かをするという考え方に違和感を感じましたが、

「キミのやりたいことを実現するためには仲間が必要だから、人に会いなさい。」と勧めてくれた人との出会いから僕の日常は少しずつ変化していきました。

人は人を繋いでくれます。

そして、確実に人生を変える出会いがあるということです。

今日は、そんなニオイのするプチ旅でした。



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人と違うことをやりたかった小さな自分

昔から、人と違う経験をすることがスゴイことだと思いこみ、興味の赴くままに実践あるのみと、人生を遊びながら生きてきました。

遊びを仕事に変える力も、考える頭もなかったので、本当に恥ずかしい話ですが、僕には経済的な余裕や、人に誇れる何かを示す力もありません。

でもこれだけは言えることがあります。
それは、人とのご縁にとても恵まれていることです。

そのご縁の上で、衝撃的な体験をさせていただきました。

東北地方太平洋沖地震から49日目、そのお坊さんの付き添いとして陸前高田市に入りました。

自衛隊の方々が瓦礫を退けながら道を作ってくれている中、その瓦礫に埋もれた街だったはずの中を歩きました。

耳を劈くような乾いた風の音が、今も耳の奥に残っています。
世界が悲しみでいっぱいだったのと、自分がいかにちっぽけな人間なのかという事実だけがそこにありました。

「何かしてあげようなんて考えは捨てなさい」

「キミの苦手な部分は人と向き合うこと」と言われ続けた意味をこの時に理解しました。

自分は随分とわがままな生き方をしてきた結果、関わってくれたたくさんの人の感じた「嫌」を意識したことがない、勝手な人間です。

そういう自分に今も一緒に何かをしようと言って関わってくれる「仲間」に何度も何度も救われました。



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ちいさな旅の始まり

旅は何も大げさなものではなく、自分が思えばそれが「旅」です。

ちょっとしたコツは、前もってあんまり決めないことでしょうか。

何があるか分からない、何が起こるか分からない、そんな約束されない時間の過ごし方さえ理解できれば、いつも行くスーパーにだって旅を感じることはできるんです。

できればその中に小さな「初めて」を入れ込むと、旅の味はグッと引き立ちます。

なので、今日の旅は全て仲間にお任せ。

バスのハンドルを握るのも、BBQの準備も僕の役割でしたが、自分で決めないことで何が起こるか分からない感が、僕の中のワクワクを止めることができません。


初めての経験に対し、だいたい多くの人は、

・知ることが楽しい
・やってみるが楽しい

のどちらかに分かれます。

実はこれには順番があって、

1)やってみる
2)それが何だったか理解する

もう少し詳しく言えば、
知らない⇨知る⇨やってみる⇨理解する⇨知ったものの見え方が変わる
と、こんな風に進んでいきます。

それを18歳の息子は、
経験すると知識が得られて、視野が広がる
と、自分の言葉で説明してくれたことがあります。

僕が理解したのは20歳の時だったので、もうすでに追い越されてしまいました。

ちなみに僕は、

知識は経験によって知恵に変わる

こんな風にカッコつけて言ってました。


人生の景色の変え方は色々ありますが、今日はそれらを一日で体験できる小さな旅でした。

仲間に心から感謝。





サポートされた資金で新しい経験をして、それをまたみなさまに共有したいと考えています。