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邪気が回る

「邪気をまわす」とは一般的には嫉妬するという
意味らしいが、当地に置いては、「有りもしないことを
懸念し、心配したり怒ったり他人にあたったりする」
というような意味もある。
分かりやすくいうと、覚醒剤などの中毒者が「警察がくる」とか
「誰かが俺を付け回してる」というようなことだ。
覚醒剤中毒でなくても、不安症やうつ病、統合失調症でも
起こり得ることである。

以前の(ADHDの治療を受ける前)僕は、邪気を回すことが
とても多く、家の前に車が停まる音がしただけで、
何かよからぬことが起こるのではと不安に苛まれた。
今日久しぶりにそんな経験をした。

外出先から戻ると、家の少し先に大型のバンが停まり、
中からカメラをもった人と、アシスタントらしき人が
降りてきた。
事故でもあって、その後の取材だろうかとも思ったが、
家の前で事故があった記憶はない。
それでなくても、「報道陣」というのは物々しい
雰囲気があるので、「どうかしたのですか?」と
尋ねてみた。
すると、「いえ、風景を撮るだけです」との答え。
はて?
確かにこの辺りは景色はいいが、テレビクルーが
わざわざ来るような「見もの」はない。

そこでザワザワと邪気が回りだしたのだ。
警察が自分を逮捕にくるに当たって、その瞬間を
撮るために、先に到着したのではないか?
もちろん、警察に捕まる覚えなど毛頭ないが、
それを考えてしまうのが「邪気」なのだ。
すると、もう不安で不安でたまらず、カメラマン達の
動向を固唾をのんで見守った。
といっても、屋外にいて、ずっと見てるのもおかしくて、
2階の部屋から、報道陣のバンをずっと見ていたのだ。
その間約30分(!!)
悪い方ばかりに想像が膨らみ、本当生きた心地がしなかった。

結果、「風景を撮った」と思われる報道陣は去って行き、
事無きを得たのであるが、久々に味わう「邪気を回す」
体験に、心底恐怖をかんじた。
上記したように、メンタルの失調で、このような経験を
する人が多数いると思う。
その方々には同情を禁じえない。
悪い想像の9割は起こらないとはいうが、残りの1割が
今すぐにでも自分に降り掛かってくるのではという不安が
どうしても起こってしまうのだ。

何はともあれ、何事もなくてホッとしています。

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