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ため息85:ITバブル絶頂期の頃

ネットベンチャーのシステム開発を受託、納入したシステムが本稼動して少したってから、開発事例として使ってもよいということになりました。コピーライターを同行して先方に取材にうかがいました。記事にならなかった雑談部分をご紹介します。

Q1:技術本部長の略歴について。2年前にIT業界に転職されましたが、2年で技術の責任者になっていますね。インターネットの知識や技術を2年で習得されたわけですか。
A1:そのとおりです。まったくの異業種からの参加でした。ウェブを使ったシステム構築やビジネスモデルに取り組むということは簡単なことではありません。何しろ、ビジネスモデル特許を申請するほどの先端技術が要求されています。短時間で普通の技術者の数倍の勉強をしました。

Q2:御社のスタッフは異業種からの転職者が多いですね。
A2:そのとおりです。旅行代理店、レストラン、運輸会社などからインターネットを活用したビジネスに参加してきています。ITは知らなくてもITを使う業務のプロですから、後は技術を習得すれば実務で使えるシステムを構築できるわけです。

Q3:今回のプロジェクトの責任者が退職されるとのことですが。
A3:彼は、今回のビジネスモデル特許の功績で会社からインセンティブをもらった後、大手コンサルタントにヘッドハンティングされました。はっきりいって、会社に忠誠心を持っている者はいないかもしれません。皆、今の仕事を成功させ、キャリアを積んでステップアップするつもりです。

この会社のその後:
技術本部長は茶髪、社員はラフな服装。屋上のテラスには、ビーチパラソルがあって、海の家風。この会社の提案に、大手のクレジット会社、物流、製造メーカが賛同し業務提携しました。そして、ビジネスモデルは時代の波にのり注目されました。お約束どおり上場し、社員はストックオプションの資金を元手にスピンアウトしていきました。

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