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大人へ絵本memo~いつでもそばに寄せる戦争の中にいた人たち~

日々の暮らしの中で戦争の物語を手に取れるようになった時に
その時代の人々がやっと身近になった気がしました。

全部は聞けなかった

父は港区芝大門一丁目1番地で空襲に遭い、防空壕の中で命を繋いだ。
昭和13年生まれ。母は同じ年だけれど北海道で生まれ育ったので、それほど怖い体験はしなかったようだ。どちらにしてもその頃のことを、私が聞いても多くは語らなかった。出会った頃の2人は30を過ぎていて、お互いを慰めあうどころか、良い時代に向かって賑やかになっていく町並みを謳歌していたように思う。超がつくミニスカートを履いた母の写真が物語る。

戦争体験者が高齢になり語り部がいなくなると聞いても
両親がそれに当てはまるとは結びつけたことがなかったから
「7歳までは戦争の体験者だったんだよね。だから色んな事を語っておいてね」なんて言ったことがなかった。

でも今になると、焼け野原の光景を知っている父の話を
もう少し上手に聞き出せたら良かったと思う。

2人は今、地上を眺めて何を話しているだろうか。

母「世界は感覚的には近く狭くなったと言われているようだけれど
  実際の距離は上空から見れば変わらないねえ」

父「これじゃあ勝手に理解し合えるなんて無理ナ話だ」

母「そうね・・」

父「なあ、みなさ~ん

  意図的に

  理解し合いなさいよ・・・」


私・・・あ、聞こえた。


黙っていても世界は仲良くはならないってことよね。

戦争を知らない私たちも

伝えていかないと。。。

・・・・・・・・

父は一度だけ話してくれたことがある。戦後に芝大門で自治会長だった祖父は頑張り屋さんで、復興のために身体を使い果たして早くに亡くなってしまった。父は家で祖父の看病をし、そして看取った。その時の最後の一呼吸が忘れられない。無念だった。戦争がなければもっと長生きできたんだ。

話している間の父は、父親を恋しく想う子どもの顔だった。



子どもとも読める絵本を紹介します。

画像1

『猫は生きている』
早乙女 勝元 (著)  田島 征三 (画)
1973年 理論社

大空襲の日。

その時の子どもが

大人が

猫たちが

何を話して何を見て

どうやって動いていったのか。

一度読んだら戦争しようと思わない。


怖くて目を背けてしまうけど

生命の大切さを。

世界中の紛争に目を向けられるようになって欲しい。


稲妻と名付けられたお母さん猫が賢明に子どもを守る姿に、
人間の家族はちりぢりになりながらも勇気をもらっていきます。


このお話は、子ども達と読めます。

悲しいけれど読めます。


絵本を一緒に読めるうちに

その一時の貴重な時間に

この本を。




画像2

『鳥よめ 』
あまんきみこ (著) 山内ふじ江 (画)
2014年 ポプラ社








が消えたのは

戦争の時。


やさしい人間に恋をした鳥。

胸があたたまる幸せを

生まれてはじめて知った若者。


お互いに支え合った

真実のように感じる
        物
        語。



読み継いでいきたい絵本を紹介させて頂きました。
読んで頂きありがとうございます。

・・・・・・・

一週間noteの中でたくさんの曲を聴きました♪
平和が続いていく行動を、日々重ねられるように。
どの人々も安寧に生活できる社会を考えながら。

休み時間
料理中でもnote読む
音と言葉と映像と
心動くは
純真の夢