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【アーカイブ2019】データ班、本当の意義~滋賀大会延長戦6日目・膳所

去年のセンバツで話題になった野津風太さんと髙見遥香さんの2人。膳所のデータ専属部員が引退を迎えた。

データのキモは相手の打球傾向で、映像から分析したデータをもとに大胆な守備位置を取れるようになった。日本航空石川戦の衝撃は記憶に新しい。スマホでデータを共有できるようになり、独自アプリの開発にも挑戦。自チームの打撃にデータを生かすため、相手投手の動作解析にも取り組んだ。

ただ、2人が本当に取り組んだのは、1度もプレーをしないまま現役を全うし、『選手』と『マネージャー』以外の選択肢を高校野球界に作り上げたことだ。

注目は反感も買い、心ない声もあった。夏の甲子園には出場できなかった。それでも「縁のないスポーツに携われた」(野津)、「こんな経験はできない。友達も増えた」(髙見)。

データ班を発案した上品監督は、「新しい野球との関わり方」と表現した。これからどんな役割が現れても、2人がパイオニアだったことに違いはない。【2019年7月15日掲載】

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