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ココルポート (35%Exit)

(追記)
本文結論に記した5,580円(1年後個人予想EPS186×PER30倍)でExit、初値4,135円

3/31上場

障害者の就労支援を行い、国民健保から支援に応じて報酬を受け取る。
報酬制度が大きく見直された2018年にリクルート出身の3者が経営の中枢(現任の佐原社長、及び2部門トップの取締役)に入り、それ以降の増収率は年換算で50%を超える。半期を経過した今期の計画は25%。

就労に至るまでの道のりは下図の通り長く、出店してから十分な売上に至るまでに時間がかかる。表現が適切ではないかも知れないが、リードタイムが長いようなイメージ。

原価は労務費が大半を占め、次いで地代家賃。
販管費は人件費がメインで、売上高販管費率は増収と共に低下している。

今後の見通しにおける要点は、
1「法定雇用率」
2「報酬単価(=就労定着率)」
3「事業者の淘汰」。

1「法定雇用率」
従業員に占める障害者の割合について民間企業に義務付けられているもので、下図の通り段階的に引き上げられており、実際の雇用率はそうした段階変化を徐々にキャッチアップしていく形で近年直線的に向上している。

2「報酬単価(=就労定着率)」
3「事業者の淘汰」
雇用率、すなわち雇用数が増加していく一方で健保から支払われる報酬については2018年(!)にその制度が就労定着率に応じたものに大きく改定された。これにより、「事業者の淘汰」が進行中で、雇用数が伸びていても事業所数は減少している。

同社は受け入れの間口を広く持ち、就労に至るまでの支援において個人差を重視している。こうした「就労への慎重な姿勢」によって高い定着率を実現しており、直近で88%台となっている。
更に向上すれば毎年4月の見直し時に単価がアップする余地がある。

また、首都圏にドミナント戦略を採ることでコストメリットを出している。

以上から、
法定雇用率引き上げの果実は報酬制度の改定によって”①体力があり、②就労定着率が高い”事業者に偏在することとなった。同社は戦略的に①②を充足することで果実を享受する立場を築いている
と言えよう。

なお、ベースとなる法定雇用率は2026年度にかけて段階的に現在の2.3%から2.7%に引き上がる見込である。(厚労省)

一方、事業のリスクとして最大のものは、報酬制度の見直しだろう。
特に26年にかけての法定雇用率引き上げにおいて行政の負担総額が顕著に増大するようであれば、再度その伸びを抑制する施策が導入されてもおかしくない。

同業他社では、リタリコとウェルビーが上場している。
ウェルビーはコロナ関連の医薬開発への投資で曰くがついたところが業績面でも信頼性の面でも多分にある。
リタリコの今期計画PERは63倍、来期予想PERは38倍。
ココルポートは、24.6増収率を今期同様の25%、営業利益率を14%(原価率不変、販管費の増加額を今期・前期1.3億に対して1.5億とした場合)とするとEPS186円。リタリコに比しては劣後するものと考えてPER30倍とすると5,580円程度の水準がイメージ可能か。

小型株、いまはとりわけグロース株の評価を業績面から行い、見た目のPERではわからない「成長性に鑑みて割安な銘柄」の発掘を目指しています。IPOセカンダリーなど。