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#2 依頼する時の等価交換意識が危険

はじめに

どうも、Youkeyです。筆者は前の記事でも記載しておりますが、EM ( Engineering Management )に従事しており、その中で気になる事を書き留めております。
今回は、物事の依頼時に感じる" 等価交換意識 "の存在です。


頼み上手と頼み下手

皆様は他人(同僚・家族・知人)に物事を上手に頼めますか?
筆者はとてつもなく下手です。仕事の同僚どころか、妻や子供だろうが、気を遣ってしまい上手く頼めません。そうなると仕事で同僚に何かを頼む"気疲れ"よりも、自分で実施してしまった方が良いという"肉体疲れ"を選んでしまう時期が、過去にありました。
皆様の周りにも頼み上手、頼み下手の目線で見ると色んな方が頭に浮かんできませんか?

何故か頼られると頼られない人

同様に、皆様は頼られますか?道端で急に道を聞かれたり、同僚から"業務では無い"ちょっとした頼み事をお願いされるなど、思い当たりますか?
友人から転職のリファレンスチェック依頼を頼まれたり、ペットを預かったりと不思議な頼られ方をしたり。

等価交換意識

筆者はそんな中、いくつかの企業を歩く中でよく見かけるのがITエンジニアによる" 受けた恩は、同じ質の恩受けた恩と同じ分量で返そう "もしくは" 同じ分量で受けよう "とする人達です。律儀だなと思いながら接していましたし、筆者の目線ではいわゆる良い人なのでありがたい方でした。
そんな中、ある疲れた金曜日の晩に事件は起きます。

A : いやー、まいったよ。タスクが終わってなくて上司に怒られたよ
B:?? どうしたの?
A:タスクが今朝期限だけど、終わってなくて上司との1on1が大変だった
B:何が問題だったの?
A:いやさ、Cさんがわからない事があってたみたいで、困ってたから
   教えてあげたんだ。でもそのせいで時間がなくなって、間に合わず。
   私の進めないとダメなタスクが終わらずに徹夜しなきゃ。
   CさんもCさんだよ、私の仕事を手伝ってくれたら良いのに
B :うーん、まあね。でもCさんは凄く感謝して客先に行ったよ
A :やっぱり、手伝って貰ったらお返ししないとおかしいよ・・・

Aさんにはいろんな問題を感じそうですが、等価交換意識に注目します。
Cさんは手伝う事に抵抗はなく、人当たりも良い。損しがちな方。

どうやら、資料の不明点を教えてあげたようですが、その結果として同様に自分の作成している資料の一部も手伝ってもらう感覚があったようです。私が資料作成を支援した際も、

  • これをやって貰ったら、(筆者)さんの資料を手伝わないとダメだ

  • (筆者)のプログラムを貰ったら、私は書けないから貰えない

  • セミナー登壇の練習に付き合って貰ったから、同じ時間聴きます

当時の私には全くこの発想が理解出来ませんでした。
また別な企業にいる時には、

  • 不明点を上位エンジニアに聞かないのは、お返しナレッジが無いから

  • 上位エンジニアに手伝って貰うと、上位エンジニアの手伝いするべき

  • 支援を受けても、その人にお返しする時間が足りない

といった、物々交換のようなお手伝いにおける等価交換もしくは同等の代替提供が必須と考えている方を見かけます。
そもそも支援人は助ける余裕やナレッジのギャップがあるため、その差分を支援したのであって、(相当な悪意がない限りは)善意で出来る範囲の支援してくれたのでしょう。
それにしても、" お返ししないとダメだから支援を受けず "に結果として、間に合わなかったりぎりぎりになって管理職に怒られるなど、辛い思いをして損をしていますね。勿体無い。

等価交換がまずい訳ではなく、この支援を受けるシーンに適応しないルールなんだと気付いてほしい。
実際自分もこのルール適応をしていた中、仲の良い友達から" お前は器用貧乏だ "と言われ、人を頼らないと前進しないと指摘をされました。
最初は感情がざわつく嫌な気分でしたが、一回頼り、また一回頼りと少しずつ繰り返して" 支援する・支援受ける "双方とも少し上手くなった気がしました。

EMとしてのアドバイス

少しは人を頼ることができるようになった筆者。同僚の時には上手く声をかけられずに喧嘩ばかりしていたAさんに、今、EMを務める私としては助けてあげたい。例えば、このようなアドバイスを声掛けしています。

  • (プライドを傷つけない程度に)あなたは、弱いので頼っていい

  • (悪く伝わらないように)知識ギャップは人を頼って埋めよう

  • (前世と現世の時間の長さから)前世の影響は前世では出ず、現世で出る

  • 子は必ずしも親に介護で孝行する訳ではなく、立身出世でも孝行は出来る

いくつか無理があるのは承知の上ですが、自分の不足を認め他人に支援を頼む事を自身で正当化できるようになって欲しいと考えて声をかけてます。
私の知る人たちは、プライドを持って仕事をしているため、逆にプライドが邪魔をしているシーンがあるのでは?と思い接する事から、派生してきたような気がします。そのため、若いエンジニアには一思いに

  • 上位エンジニアに聞きたいことを乱暴に聞きまくるのが君の仕事

  • 社長に敬意を持ちつつ、荒く使え(社長使いが荒い企業多いですよね)

  • 上位エンジニアに技術質問をしたら、電車でお婆ちゃんに席を譲れ

  • お返しできない無い辛さは成長痛だから、痛みに耐えて伸びるのがお返し

などと、訳がわからないと言われるぐらいまでに違うところで貢献しろと等価交換の意識を断ち切るように話すようになりました。
自分自身が老害になりそうな不安はありますが、とにかく成長する段階では他人から吸収するものは沢山あると信じて言い続けています。

書籍を読んで知識を貯めるためには、書籍の購入費用を支払うだけで良いですが、同僚や上司から支援を受けたり教えを請うたりする場合にはそうはいきません。(同僚なのにお金を要求されると、それは違う問題)

また支援を受けた際に発する言葉は、

" すいません "や" ごめんなさい "ではなく、心の底から"ありがとう"という感謝の意を示す事だとも付け加えます。
支援をして、"すいません"と言われると何故か悲しい気持ちになったりしたことはありませんか?私は多数あります。

企業のチーム内で必要な感謝

助け合えるチーム、仲間がいると自然とありがとうという機会が多いと思います。また、ありがとうが掛け合うと自然と尊敬の念も育つと感じます。
企業にはいくつか必要な感情があると思いますが、感謝の気持ちは必須ですよね。

頼み・頼まれ、仲間を助け、仲間に助けられ。
そんなシーンが見られたなら、EMとしてチームに少し貢献できたなとニヤけてしまいます。

本記事が皆様のエンジニア人生の一助になれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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