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ホワイトデーまで5

前回までのあらすじ。
ストリートピアノを弾いて、
いつの間にか大観衆が集まり…。
(違うので前回のも読んでみてください。)

日が変わっても、気分は逆に落ち込んでる感じだ。
「確かLINEに…」とスマホを探す。
ああ、やっぱりだった。
忘れようとしていたLINEのメッセージ。
「14日まではLINEを控えて戴けると助かります。」
あの人らしい”気遣いからの内容”なのだとわかる。
「返信不要」
は、あの人から初めて来たメッセージだった。
二重に使われて書いてあるだけに、
念を押されている感じが伝わる。
状況は少しは知っている。
ストレートに文字の内容だけを受け止めたら、
立ち直れないな。

だが、これは気遣いからのメッセージなのだ。
何度も自問自答の形で自分に言い聞かせる。
もしも、もしもの話だ。
メッセージに書いてあるのに連絡をしたら…。
最悪の展開ばかりが頭に浮かぶ。
LINEの通知は切ってある。
そう言っていた。
車の運転中くらいしか見られないから、
事故に繋がるかもしれない。
書斎を何往復も歩きながら考える。
考えるだけ無駄なことは知っている。
だが、落ち着かない。

二重否定!!!
ではない、見ただけでわかる。
伊達に文筆家をやっている訳じゃあない。

気を遣っているのは確かだ。
マイナス方向に読まずに別の読み方で…。
いくら考えても、
メッセージを届ける言い訳や理由が思いつかない。
相当疲れている中で、
メッセージを書いて送ってくれたことは、
はっきりとわかる。

つまり、

「メッセージの何処かに
メッセージを本当は送って欲しい。」

「メッセージを送っても良い。」

そういう理由を見つけたいのだ。
メッセージを控えて戴けると助かります。
返信不要。
それらのメッセージを斥ける(しりぞける)理由が。

難攻不落!!!
まさに今の状況だ。
相当疲れている中でも、
気を遣いながら書いてくれたメッセージ。
メッセージの文章にも疲れが表れている。

今の時代は少しキーワードで検索をすると、
マイナスの意味に捉える内容がたくさん出てくる。
検索エンジンとは、そういうものだ。
本来、表現の意味は発信した人と受け止める人。
性格等々によって変わる物だ。
もちろん発信側は、
わざと他の受け取り方を出来るように、
発信したりもする。営業戦略的にだ。
文筆家の間では、
表現力が稚拙だと言われているが。

だが、今の問題は1体1のメッセージだということだ。
自分宛に送られたメッセージ。
素直に送らなければ、いい。
そういう選択肢もある。
だが、メッセージを送りたいのだ。
自分自身が、だ。

どうする!?

(続く)









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