LongHouse Reserve in East Hampton, NY 僕の船と出会った日

画像1 ある日僕は見知らぬ白い一群と出会った。彼らは遠いところから来て、遠いところに行く途中らしい。ちょっと寄り道したのだと言う。いい星だなあ。空はキラッキラで青いし、芝生は瑞々しくて香しい。そう言って笑った。
画像2 「ねえ、お名前なんて言うの?」「きみが好きなように呼べばいい。」「・・・」「じゃあ、『今日のきみの船』にしよう。明日になったら変えればいいし、10年経って思い出したらそれもいい。」僕は『今日の僕の船』に乗ってみた。
画像3 「すごいよ。光がキラキラしてる。」「ああ、そうさ、光よりも早いからな。」「すごいなあ、ずっと乗っていたいよ。でももう行っちゃうんだよね。」「ああ、だけどまた会えるさ。そのとき必要な『きみの船』に乗って会いに来てくれたっていいさ。」「『僕の船』はたくさんあるってこと?」「そうだよ、きみの望むだけいくらでも。そしてどこまでもだ。」「うん、わかった。きっとまた会えるね。」「ああ、会えるさ。」「約束だよ。」「約束だ。」
画像4 それからしばらくして、彼らは行ってしまった。芝生は夏の光の下で同じように輝いているけれど、彼らの姿はもう見つからない。僕はあの日みつけた大きな鉄の星を思い出す。『僕の船』を見つけたら、いつかここじゃない別の星で出会うことだってあるかもしれないって思った。『僕の船』はいつだって飛び立てる、どこまでだって行けるから。もう一度彼に出会ったら、今度は素敵な名前をプレゼントしなくっちゃって、僕は思った。

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