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菫色の春を想う

暖冬とは言え、私のニオイスミレは綺麗さっぱり姿を消しています。寒くなるまではこれでもかというほど葉を茂らせていたのに。ここへきて、SNSのタイムラインにどんどん上がってくる日本のみなさんのパンジーやヴィオラのお話。私にはまだまだ先のことだけど、その写真を見ていると麗らかな春を思い浮かべずにはいられません。

こんな時はそう、去年の春に作ったスミレの砂糖漬けの出番です!初めて作ったそれは、乾燥させすぎて半分がちりちりになってしまい、小さくて派手さはありませんが、作った日と同じきれいな「菫色」は健在です。

花びらが開いたままだった方も、欲張ってお砂糖をつけすぎたせいであらあらの代物。う〜ん、まだまだ修行が必要だ・・・と痛感していますが、まずは念願のスイーツでも作ってみようではありませんか。

さっぱりすっきり、小さな花たちにはシンプルなケーキが似合いそうな気がしたのでレアチーズケーキに決めました。冬場のレアチーズケーキ、なんだか寒々しくありますが、チーズケーキ好きですからね、いいことにします。

しかし白一色と言うのはどうだろう、見た目の楽しみに欠けるような。と言ってオレンジや赤の華やかな色を合わせては「菫色」が台無しになってしまいます。

じゃあバタフライピー(青)は?抹茶は?と思い描きますが、どうもピンと来ない。春を想うスイーツですからね、スミレ咲く木陰を感じたいわけです。主役はあくまでスミレ「菫色」。ここは潔く白で勝負すべきでしょうか。

悩む、悩む、悩む。しかしここで新たな悩み発生。手持ちのゼラチンが必要分量ない。速攻で買い物行かねば!と思いながら隣りを見れば、寒天の小袋。あっ、寒天でもできるよね、でもどうだろう、、、なんて自問自答しつつ小袋をひっくり返せば、きゃあ〜、正味期限が!というわけで、今回は有無を言わさず「寒天でレアチーズケーキ」に決定です。しかしまだまだその色合いが決まりません。

そして一晩明けて私が出した答えは・・・イチゴでピンク?お〜い、一晩かけてこれかい!と思わず自分でツッコミを入れたいほど、ありふれすぎていて痛い回答ですが、「春、それはピンク!だから王道です!」とごまかしておきます。

これでようやく始められるかと思ったのに、冷凍庫を覗けば今度はイチゴがなかった(うちの今年のイチゴ、先日全部ジャムにしたんでした・・・)。結局、買い物に行き(でもそこにはゼラチンは売っていなかったので、寒天決定に密かな満足感を覚える私、苦笑)、この時期ほぼほぼイチゴを買わない主義なので(どうも食べるものから季節感が薄らぐと嫌なタイプ)、オーガニックの小さめ冷凍バックを購入。必要なのはほんの少々ですからね。

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そして出来上がったのがこちら。日本の皆さんのレシピに登場する「流し型」が欲しくて欲しくて、ついに買ってもらったもの。四角いもの、初めて作りましたが可愛いですね。小さい頃、母が牛乳寒を作っていたことを思い出しました。缶詰のみかん入り。牛乳が苦手な私は食べませんでしたが(苦笑)。

それはさておき、ケーキトップです。イチゴのジュレに少々生クリームを入れてピンクにしたのですが、菫色のためにはもう少し白くても良かったかなあ。色のクッション材として、庭で今日も頑張るチャービルを添えてみることにします。さあ、最後に念願のスミレの砂糖漬けを飾って、出来上がり。

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気温が下がり始め、土曜日には雪の予報です。春はまだまだ遠そう。でも、今年は宿根草のヴィオラも植えていますからね。春先の共演がとっても楽しみです。冬の日の、わずかな陽だまりの中で、今はしばし菫色の春を想います。


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