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中国代表の急成長

 侍ジャパンが初戦を中国代表と交えた。前回大会迄の中国戦は星は当たり前のように予測でき、日本が「さあ何点取れるかな」という気分で左手団扇を仰ぎながら見ることができたが、今回は終盤まで手に汗を握るもつれた試合となった。今回は、善戦を魅せてくれた中国代表について、そして今後発展していくであろう中国野球への期待を書いていくこととする。

若武者の台頭

 昨日の試合では、10代から20代中盤の若い選手たちが大いに活躍した。従って、中国国内でも野球が盛んになりつつあると言えるのではないか。

 この試合、素晴らしいと感じたのは先発の王翔である。制球を乱しマウンドをおりたものの、落ち着いて投げられることができたらNPBの二軍ほどのレベルでも活躍することができるのではないか。中日の岡田俊哉の若い頃のような、投げっぷりのいい投球は敵ながらに見ていて爽快なものであった。また、2番手で出てきた王唯一もこれまた光るものがあった。俗に言う動く球の使い手であり、スライダー、シュートともに驚くような変化は無いものの膨らみの少ない良質のものであった。彼らはまだまだ19歳との事なので、独立リーグやNPBの育成枠で獲得しても面白いのではないか。

基本のキで戦う「アルミ軍団」

 両国代表を金属に例えると、侍ジャパンが金だとすると中国代表はアルミになるのではないか。見た目での輝きは無いものの、ひとつひとつのプレーを着実にこなすことが出来るナインである。

 それが最も現れていたのは守備である。所作は決して綺麗と言えるものではないものの、内野陣は必ず一塁手の取りやすいところに送球をし、外野陣は無理に本塁へ投げるのではなく中継プレーを徹底していた。特に二塁を守っていた選手はイレギュラーになる可能性のある回転のかかった左打者の打球を身体で受け止めていたことが印象に残った。失礼な表現にはなるが「身の丈にあった」プレーの徹底は野球少年のお手本と言えるだろう。

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