田中正義は「いい補強」だ

 人的補償の話題でも「新庄劇場」が開催された。日ハムの新庄剛志監督が人的補償について「た」から始まる速球派というヒントを出し、1日遅れで田中正義の人的補償が決まったが、僕は日ハムにとってとてもいい選手を取れたなという感想を持った。今回は、そんな日ハムの台所事情を踏まえてこの話題について触れていこうと思う。

故障がなければ…

 恐らく、大方の野球ファンが抱く田中という投手のイメージは「故障さえなければ」というものであろう。創価大の頃から故障に苦しんだが、大学3年時に出場した全日本チームでの一世一代の好投で一躍時の人となり、5球団もの強豪の末ドラフト1位でソフトバンクに入団した大器である。

 恐らく、彼が故障しやすい理由はフォームにあるのではないかと感じる。肘がゴムのようにしなる点は素晴らしいのだが、胴体の回転が悪く腕が遠回りしてしまい、本来必要のない場所に力が入っているように見える。従って、同じ150キロでもフォームのいい投手よりも多くの負担がかかってしまうという訳である。これが上手くできているのは同僚となる上沢直之なので、彼を参考にすると非常にいいのではないか。

気になる起用法は

 前段落で扱った通り、怪我をしないプレーを目指すことがまず1番大切ではあるが、その次に大切なのが怪我を「させない」起用法である。「何が酷使にあたるかは人それぞれ」とは言えど、田中は古傷を持っているので先発、救援どちらをするにしても、投げさせすぎないことが大切となってくるだろう。

 そこで、昨季ロッテで台頭した佐々木朗希式の起用をするのはどうであろうか。基本は中6日で回す。ただ、次の登板を万全で迎えられるような球数、投球回数でスパッと変えるという起用法だ。疲労が溜まったと判断すれば二軍にいつ落としても構わないという「働き方改革」のような起用法をしてはどうかと感じる。また、連投を避けられるだけの選手層があるのであれば回跨ぎをしない抑えの投手にしても面白いのではないか。素質はある投手なので、投げられる状態であれば必ず活躍するに違いないのだ。

最後に

 正直に言って、田中はこのままソフトバンクにいても厚い選手層に呑まれてしまっていたのではないか。プラスに考え、開花して欲しいものだ。

この記事が参加している募集

スキしてみて

野球が好き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?