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ニンニクの血小板凝集抑制効果(血液サラサラ効果)

こんにちは!

今日は、ニンニクの健康効果についてお伝えします。

私たちが歳をとるにつれて、血管は硬くなります。いわゆる『動脈硬化』です。動脈が硬くなると、高血圧により、脳や腎臓の血管に圧力がかかり、脳卒中や腎臓機能障害のリスクが高まる可能性があります。

JRSM Cardiovasc Dis 2012 Sep 30;1(6)


しかし、ニンニク(1日に小さじ1/4程度のニンニクパウダー相当)を消費する人は、動脈硬化の程度が軽いことが報告されています。これは、ニンニクが動脈壁の弾力を改善し、動脈をリラックスさせるのに役立つからだと考えられます。
(下のスライド参照・・・安静時と運動時の動脈の血流速度を評価した結果です。)

ニンニク1


Circulation. 1997 Oct 21;96(8):2649-55.


心臓や血管に対するニンニクの保護効果は、複数あり、抗凝固・血栓溶解作用(血液サラサラ効果)、抗酸化作用、血圧およびコレステロール低下などが報告されています。

Nutr Rev. 2013 May;71(5):282-99.


また、血小板凝集抑制効果(血液サラサラ効果)により、米国麻酔学会は、待機手術の1週間前にニンニクの摂取を停止することを推奨しているくらい、その効果は強力なんですよ。

Ann R Coll Surg Engl. 2012 Sep;94(6):451.


タマネギにもニンニクと同じように、血液サラサラ効果がありますが、ニンニクはタマネギよりも約13倍強力です。しかしニンニクは、加熱調理により、血液サラサラ効果が減弱します。(下のスライド参照)


ニンニクとタマネギ


Prostaglandins Leukot Essent Fatty Acids 1999 Jan;60(1):43-7.


生のニンニクをサルサ、ドレッシング、ディップに入れたりすることはできますが、一般的に、ニンニクは加熱調理に利用されます。


文献を調べると、ニンニクの血液サラサラ効果が加熱調理により減弱させないための工夫がありました。それは、加熱する前に潰したり、細かく刻むことです。その前処理により、サラサラ効果を抑制する酵素が加熱で失活するので、サラサラ効果が少し長持ちするようです。(下のスライド参照)


ニンニク2

J Agric Food Chem 2007 Feb 21;55(4):1280-8.


ニンニクには風邪の予防効果(風邪にかかる確率が下がり、風邪にかかっても早く回復する効果)もあるので、オススメ食材ですよ。