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京都はなかなかに「懐の深い街」でもある

京都と言えば清水寺や嵐山に代表されるような観光地として人気(?)な反面、ぶぶ漬け列伝が示すような京都人の陰湿さが有名な街でもあります。
まぁ川崎勤務時代、めちゃくちゃ仲悪かった淑女が「こいつ京都人だろ」と思ってたらホントに京都出身だとわかったくらいには、曰く付きのものはあります。

そんな自分が今、京都に住んでいると言うのが皮肉以外の何物でもないのですが、他都道府県民には一般的に排他的な街として知られる京都には、同時に懐が深い一面も存在します。
少なくとも排他性という点については、東京は京都に負けずとも劣らぬ街であり、川崎・東京で私の30代前半は争いの絶えない日常を過ごすことになりましたからね。

🏢ダイバーシティの先進都市でもある

京都に良く行くキッカケになったのは駅メモです。駅メモ京都地下鉄コラボが原因で京都にはよく行くようになり、地下鉄全線はもちろん制覇しておりました。
一般的に古都と知られる京都ですが、その反面、最先端を行ってる側面があるのが京都であると言うのが、京都への訪問を重ねることで気付くことです。
そんな京都はダイバーシティの面でも日本で最先端を行っております。

京都は1978年の時点で世界文化自由都市宣言を打ち出しております。
この頃はまだダイバーシティなんて言葉も日本には入っていない時期ですが、今日のダイバーシティに関わる理念は濃縮されています。
東京よりも早くダイバーシティの取り組みを始めていたわけです。

🍀排他的に見えて懐は深い

京都人の排他性は「はんなりギロリの頼子さん」を読めばわかる(主に平野有希)一方、多様性にまつわる話も割とあります。

日本で始めてLG B T向けの結婚式サービスを開始したのは、ホテルグランヴィア京都です。お寺は春光院が会場として使われたようですね。

最近話題になったのは佰食屋さんですね。
こちらも多様な人間が働く職場になっているようで、マイノリティに優しい職場作りをしているようです。
実際のところ、戦前を見ても京都には多様性の尊重という意味では、素地はあったんじゃないかと思います。
例えば現在も営業中の喫茶店として初の文化遺産の指定を受けているフランソア喫茶室は、初代のオーナーを立野正一さんと言い、元々は反戦運動のアジトとしての機能を持った喫茶店だったりします。

⛩やっぱり1000年の都は違うよ

多様性の尊重という意味では、東京はまだまだ京都に及ばないんじゃないかなと言うのが率直なところです。
尤も、江戸はとても多様性のある街だったんじゃないかなとは思うんですけどね。
転換点は明治維新でしょう。
明治時代になってからの富国強兵、その延長に今の東京があるわけですけども、例えば靖国神社とかモロに朱子学の世界観が盛り込まれた施設だったりします。
ある種の「英霊崇拝を強要する施設」なんですよね、あれ。
遊就館の展示とか見てて絶句しましたよ。正しく朱子学そのものです。
ある意味、明治になって江戸から東京になった時に、色々と壊れたんでしょうね。

京都は1000年の都です。
太秦という地名は渡来系の秦氏にちなんだ地名であり、秦氏は平安京造りにも関わっています。
たくさんの人の涙、そして笑顔を繰り返し1000年の時を紡いできた京都は、今も多様なバックボーンを持つ人間と共存をしております。そうして伝統を守りつつ時代に合わせた変革を続けてきた京都ならではの懐の深さを感じることがあり、それこそが1000年の都の持つ風格なのでしょうね。

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