サハラ砂漠の怪談

夏なので、怪談というか怖い話を。

これはサハラ砂漠のベルベル人に聞いた話なのだけど。

そもそもベルベル人って何よとか、サハラ砂漠に何をしに行ったんだとかって話なんだが、それはまた別のときに書く。。。かも。

とにかく、サハラ砂漠のベルベル人に聞いた話である。

ちょっとした気まぐれと酔狂から、ベルベル人とラクダに乗ってサハラ砂漠に行って、そこで宿泊することになった。

ベルベル人ってのはモロッコの遊牧民族で、砂漠の民でもある。砂漠のエキスパート。

そんなベルベル人に連れられてラクダに乗ってサハラ砂漠を旅していた。

夕方に到着した宿泊地は、元からキャンプ地として整備されているのか、簡易トイレみたいなものがあったり、ラクダをつないでおくものがあったり、宿泊用のテントが既にあったりと、簡単ではあるが野営地みたいになっている。

晩飯はベルベル人がでかい鍋のようなフライパンのようなもので、クスクスという極小パスタと肉とか野菜とかトマトが入ったようなやつを作ってくれた。

それを12人くらいで各々鍋から手づかみで食べる。

砂漠の砂は太陽の熱で殺菌されていて清潔というので、ラクダを触った手を砂漠の砂で洗う。

砂でゴシゴシやったところで、どこまできれいになるのかは怪しいところではあるけれど。

そんな感じで晩飯を一緒に食いながらベルベル人が

「お前たち、砂漠でハシシは絶対やるなよ」

という話をしだした。

ハシシとは大麻、マリファナのことである。

昔、欧米人チームが砂漠の宿泊でここに来た。

今日のようにみんなでご飯を食べて、各々過ごして、テントに入ってみんなが寝静まる時間。

ベルベル人のテントにその欧米人が血相変えてやってきた。

「誰かがテントの周りを回っている。外に出てみても誰も居ないが、テントに戻るとまた周りを回りだして、テントを揺らしたり叩いたりするんだ!」

と。

もちろん砂漠なので、周りに人などいない。

ベルベル人たちは「お前たちマリファナやったろう。それはマリファナの幻覚だ。この砂漠に他に人などいない。大丈夫だ。俺たちもいる。ゆっくり眠るんだ」

と説得してテントに戻した。

次の日になって欧米人のテントに行くと、誰も居なくなっていた。
この広い砂漠でどこかに行ってしまったらもう探すこともできない。
結局、彼らがどうなったかは知らないとのこと。

「だからお前たち、砂漠でハシシはやるなよ。絶対だ」

そんな砂漠の夜。

しかし、その夜、俺に不思議なことがおきるのであった。

多分続く。

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