小説の書き方・細部編

結論

小説はいくらでも修正が可能です。とにかく見直しましょう。

初めに

Twitterにて、ルビやダッシュなど、文章における細部の話題を見かけましたので、この機会に自分の場合はどうか、考えてみることにしました。
雨坂の作品を読んだことのある方は分かると思いますが、私は読みやすさ、分かりやすさを重視して、創作をしています。
そのため、シンプルな言い回しになることも多々。ですが、何も伝わらないよりは遥かにマシなのです。

ルビについて

Twitterで盛り上がっていた「ルビ」の件、多すぎるとダメということですが、難読漢字や技名など特殊な場合を除き、という話のようです。
漢字の読みにおいてどこからルビを振るか、というのは永遠の問題ですし、これといったルールがあるわけでも有りません。なので、想定する読者層に合わせるのが無難です。
私の場合、同年代から一つ下の世代くらいを想定することが多く、ルビどころか漢字を開くことも多いですね。
「諦める」や「眺める」などは、開いて書くことがほとんどです。わざわざルビを振るの、面倒くさいですから。

技名はもうご存知の通り、中二病にはたまらないあれです。
四字熟語に英語のルビが振ってあると、テンション上がりますよね。真似したくなりますよね。
かくいう私は現在、英語ではなく中国語でカタカナのルビを振っています。中国語、結構かっこいいんですよ!!
というわけで、これはライトノベルならむしろやりたいし、ぜひやってほしいところです。

そして個人的にやってしまうのが、「微笑う」や「理解る」といった書き方です。
それぞれ「わらう」「わかる」と読むのですが、微妙なニュアンスを表現したい時に使っちゃうんですよね。
もちろんルビは振るんですが、読者がどう受けとっているかは分かりません。
雨坂作品にはよく出てくるので、もうルビなんて振る必要がないかもしれませんが、やはり振ります。少し考えればすぐ読めるものですが、読んでくださる人全員がそうとは限りませんので。

ダッシュについて

ダッシュとは「――」ですね。
これも多用がダメ、とTwitterで話題になっているようですが、そもそもこれは本来、文章の間に別の文章を挟む場合に使われる表現だったはず。

例:
彼女の笑みは穏やかで――俺の好みではないが――とても綺麗だった。

といった感じで、心情を挟むなどして補足する使い方です。
あくまで自分はそう思っている、というだけなので、もし違っていたらご指摘くださいね!(汗)

あと自分がよくやるのは、会話文で台詞を妨げられた時です。
最後まで言葉にできなかった、というのを表現する時に使いますね。

例:「ちょっと待っ――!!」

個人的に「――」って、呼吸が見えるような気がするんです。
そのキャラクターの息遣いと言いますか、一秒もないような間を表現できると思っています。
ただし、多用はNGです。使いすぎたと思ったら、すぐに修正して別の表現に変えます。

例:「ちょっと待ってよ!」と、言い終わらぬうちに(略

などです。
小説、しかも日本語は、実に多用な表現のできる言語ですから、別の表現に置き換えられないかと思考を巡らすことも大事です。

その他

雨坂が読みやすさや分かりやすさを無視してとにかく書くと、とても読みにくくて目も当てられないような文章が出来上がります。
pixivで公開している「偏愛セレナーデ」がまさにそうなのですが、初稿をそのまま上げているからそうなるんですね。
一方、Kindleで配信している作品は、いずれも最低三度は見直して、推敲・加筆・修正をしています。多い時は、七稿や八稿まであります。
前後のつながりもしっかり見直しますし、余計な文章はさくっと消します。入れ忘れた情報は頑張って入れます。

ここでは「不老の若葉」を例にします。
pixiv公開分では、クルミという女性キャラのある設定が活きておらず、いまいちでした。
その設定が「父親が軍医である」というものです。
クルミは母と同じ「化学兵器開発」の道を選びますが、そこで挫折を経験します。その後、作中で医療従事者となるのですが、pixiv公開分では「軍医の父」の影響を描写できず、設定そのものが放置されていました。
そしてKindleで電子書籍にするにあたり、この設定が活きるよう、加筆修正をしたのです。
「クルミは母と同じ兵器開発の道へ行くか、父と同じ医療の道へ行くか悩んでいた過去がある」ということにし、医療従事者となった今の方が自分に合っていると自覚します。
これでクルミの存在感、キャラが深まりました。「軍医の父」という設定が活きて、クルミというキャラの人物像の一端として昇華されたのです。

小説ではこれができるんですよ。
アナログ時代でも、小説は何度も直しが入るものでしたが、デジタルだとこうした修正がすぐにできちゃうんです。
なので、何度でも直しましょう。誤字脱字だけでなく、文章そのものを見直しましょう。

放置してしまった設定、ありませんか? 私はよくあります。
同じ文章を何度も書いてませんか? 私はよくあります。
文末が「〜た」「〜る」で単調になってませんか? 私はありすぎて、ここめっちゃ直します。
「そして」「すると」「しかし」など、使いすぎていませんか? 私はこれもよくあるので、見つける度に消したり別の言葉に変えます。

見直しましょう。ルビもダッシュも、その他の細部もしっかり見直して修正しましょう。

結論再び

小説は紙の本にならない限り、いくらでも修正ができます。
見直しましょう、修正しましょう。自分の作品の何が悪いか、何がダメなのか分からない人は、他の人の作品を読んで勉強しましょう。
小説作品でなくビジネス書でもかまいません。とにかく他の人が書いた文章に触れることで、自分の癖に気づけます。

とにかく直す。これにつきます。



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