最近の記事

アルコ&ピースの深夜ラジオに規定された人生を生きている

中学生の時。私はジョジョの奇妙な冒険に夢中だった。 それを理解してくれる友達なんて周りには居なかったけど、別にかまわないと思ってた。ディオの決め台詞をネットミームのように面白がって教室で叫んでみてるやつらと一緒になりたいとは思わなかったからだ。 荒木先生お気に入りのアルバムを片っ端からTSUTAYAで借りて聴いてみた。そうしたら、まあ正直何が何だか分からないのもあったけど、デフレパードとガンズ・アンド・ローゼズだけは世界一かっこいいバンドのように聴こえてしまった。そこからど

    • 今週の映画考察:パンズラビリンス

      ※重大なネタバレを含みます。 ①パンズラビリンス/ギレルモ・デルトロ(2006) 舞台は1944年、スペインは内戦真っ只中。(ピカソのゲルニカの時代。)父親を亡くした主人公は母親の再婚によって、義父となった大尉が居る内戦基地へと引っ越してくる。戦争、受け入れ難い冷徹な義父に囲まれた主人公は、ファンタジーの世界を夢見て現実から逃避していた。ある日守護神パンに出会い「君は地底の国の王女様だから、試練をクリアしたら地底に連れて行ってあげる」と囁かれた彼女は、その試練に熱中する

      • あるINFJの覚え書き:道徳的に考える「してはいけない事とはこの世に存在するか?」

        自分は学齢期の子供に接する仕事に就いているため、彼らに「道徳的な判断」について納得させなければいけない時がある。例えば 「友達を叩いてはいけません。」 すると跳ねっ返りのあるスーパーボールみたいな子供が大声で言い返してくるのだ。 「なんでしちゃいけないの?!?」 表面的な解答はとても簡単だ。 「友達を叩いたら友達が悲しむからだよ。」 ただ彼らはこんな柔な回答を許さない。  「悲しんだって良い、アイツのこと嫌いなんだもん」 「アイツが先に悪口を言ったんだもん」 私は更に説く。

        • 2023邦楽個人的名盤10選

          私が住む北海道の冬は、硬質で、つん裂くような痛さを帯びている。ただ夜、虫も獣も居なくなり人間も眠りについた冬の夜は、反対に不思議な暖かさを含んでいる。あまりの静けさが、孤独を、優しく抱いてくれている気がする。 思えば私が好きなアルバムはその多くが冬を連想させる。風のように鋭いギターやノイズが走り、雪崩れのように性急に転がり出したかと思えば、しんしんと降り積もる雪で温かく包み込んでくれる。今回紹介するアルバムにも、そのような要素が含まれているかもしれない。 ①『SPERIOR

        アルコ&ピースの深夜ラジオに規定された人生を生きている