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柔らかすぎる問題

最近はヨガやピラティスがSNSで簡単に
見られるほどかなり身近なものになっています。

このヨガやピラティスは、
柔軟性の要素が大きいです。

柔軟性があった方が良いか、無い方が良いかの
2択を問われたら、あった方が良いと答える方
が多数なんじゃないかと思います。

しかし柔軟性を過度に信用しすぎると致命的な
問題点を招く可能性があるかもしれません。

しかも、インストラクターによる指導を受けずに、
ただヨガやピラティスといった柔軟性を必要とする
エクササイズをSNSを見ながら行っている方には
かなり注意が必要です。

柔軟性を過度に信用している人、
柔軟運動をSNSで仕入れ自分流で行っている人は、
もしかしたら『柔らかすぎる問題』
を知らずに抱えている可能性があります。

そういう僕も、過度に柔軟運動を行い、
柔らかすぎる問題を抱えていた人物の一人です。

この記事では、柔らかすぎる問題を3つ紹介したいと思います。

柔らかすぎる問題① 感覚迷子になる

人は”重力”に24時間常に晒されています。
重力環境の中で、身体活動を行うために、
”感覚”という機能が備わっています。

常に自分の身体がどうなっているかということを
感覚情報として仕入れ、脳で処理され、
リアルタイムでフィードバックしながら、
身体活動を行っています。

身体の筋肉には”筋紡錘”という身体の
変化を感じ取る感覚センサーがあります。

筋紡錘は”筋肉の長さ”が変わったときに反応し、
その情報を感覚情報として脳へ伝達されます。

この情報を元に、姿勢を修正したり、
動作を修正したりして、
身体を安定させることができます。

しかし、この感覚センサーは、
筋肉の長さが伸ばされ続けると、働きが悪くなる
という特徴があります。

脳は筋肉がどういう状態に
なっているかの情報が
入ってこないので、
感覚迷子になってしまうのです。

結果、姿勢が悪くなったり、
身体を安定させる能力が
悪くなってしまったりします。

柔らかすぎる問題② 慢性痛の原因になる

柔らかすぎる問題から慢性痛に
派生する2つの要因があります。

一つ目が姿勢が悪くなって生じる慢性痛です。
柔らかすぎる問題を抱えている人でよく見られる姿勢があります。

それが、

・開脚できるのに、股関節伸展(足を後ろに引く時の股関節の動き)が硬い
・代わりに、腰を反ることによって、
 足を後ろに引いている
・歩く度に腰を反っている
・姿勢が反り腰になっている

柔らかすぎる問題がある人は、
反り腰が多い印象です。
しかも股関節が硬い。
一見開脚ができるのにです。

上記例では、腰に負担がかかり
腰痛の原因となってしまいます。

2つ目の要因は、
靭帯に異常が生じることにあります。
靭帯は骨と骨をしっかりと固定する
セロハンテープみたいなものです。
このテープはある程度の伸長性しか
持っていない特徴があります。
この特徴のもと、関節は保護されているのです。

しかし柔軟運動を過度に行うと、
テープ(靭帯)が異常に伸ばされた状態に
なってしまい、関節の保護機能が
失われてしまうのです。

これにより関節に持続的な負担が生じ、
慢性痛に発展してまうのが2つ目の要因です。

柔らかすぎる問題③ パフォーマンス力を下げる

柔らかすぎる問題をここまで読んだ方で勘の良い人は思うはずです。

感覚迷子になって、
姿勢が悪くなって、
靭帯が異常に伸びてしまって、
慢性痛があって、
関節保護が破綻している状態。

パフォーマンスは当然下がるよね。。。と。

僕はパフォーマンス向上や腰痛などの
慢性痛改善には”身体操作”の視点が
必要不可欠と考えています。

柔らかすぎる問題がある人は、
身体操作性を損なわせてしまいます。

当然、パフォーマンスにも悪影響を及ぼします。

ここで大事なのが、柔らかすぎる問題を改善するには
”運動療法”しか無いと言うこと。

適切なトレーニングを行わないと
絶対に良くなることはありません。

マッサージは無意味です。
マッサージは柔らかくする事を
目的とした手技なので。

柔らかすぎる筋肉をマッサージしたら、
さらに柔らかくなって、症状の悪化を招きます。

不適切な運動は柔らかくすぎる問題を生み、
柔らかすぎる問題の解決方法は運動である。

しっかりと専門家のもとで
運動することは重要と言えます。

痛み改善やパフォーマンス向上を目指すなら特に。

スポーツ選手には例外もある

バレエや新体操、フィギュアスケートなど、
スポーツ特性上、過度な柔軟性が必要な
競技があります。

そのスポーツで勝つために必要な柔軟性だから、
全く別の視点が必要となってきます。

柔らかすぎる問題は、ある種、職業病として
付きまとうので、どのようにケアしていくかが、
パフォーマンス向上として重要なファクターです。

もし気にしたことがないのであれば、
身近なトレーナーに一度相談し、
自身のトレーニングの一環に取り入れることを
お勧めします。

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