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ネイティブ東京人(日記)

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「東京の人は冷たい」と言いますが、東京生まれ育ちの人はそれを言わない。これは外からやってきた人間から見た日記です。筆者は千葉県出身です。 過去から現在入り混じった日記のようなも… もっと読む
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#まち歩き

始まりの日:知らないまちで親しみのある記号を見つけるとホッとする

始まりの日:知らないまちで親しみのある記号を見つけるとホッとする

引っ越し初日、手荷物のスーツケースをガラガラと引きながら、引っ越し先の最寄駅に降り立った。

スーツケースのバランスをとるのに、下を向いて歩いていたら、目に入った「片手袋」。

*「片手袋」とは、道端に片方だけ落ちてしまった手袋のことで、石井公二さんという方が、2004年より写真に収め、集め、その種類の分類をしている。その集大成は『片手袋研究入門:小さな落としものから読み解く都市と人』(2019年

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さよなら、東京生活:あまり明文化されない場に出会うときに、まちの奥深さを知る

さよなら、東京生活:あまり明文化されない場に出会うときに、まちの奥深さを知る

私は、参照先のない情報があまり好きではない。

「ランチおいしかった〜!」とSNSに書くなら、最低でもその店名と地名は欲しいし、可能なら営業日・営業時間を知りたい。
せめてリンクを、しかも公式の。公式がなければ食べログでもいいが、なるべく個人のブログ以外がいい。
参照先が個人ブログしかないなら、読み手のことを考えた各種情報を載せて、食べたメニューやそれ以外のオススメもあると嬉しい。

そう思ってい

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さよなら、東京生活:引越し狂騒曲

さよなら、東京生活:引越し狂騒曲

東京生活カウントダウンと称して、しばらくの東京生活の思い出やあれこれを書いていましたが、とうとう東京から引っ越しました。

引越し前は、「引越しの準備、大変でしょう?」

と多くの方に聞かれたのですが、あまり実感がなく「うーん、よくわからない」と答えていました。各種の手続きも夫と手分けしてやってて、おそらく大変な部分を担当していない。

それにパッキング作業がそもそも大好きで、旅行など行くときも詰

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東京生活カウントダウン:いつものカフェでいつものが出てくる

東京生活カウントダウン:いつものカフェでいつものが出てくる

常連だったカフェで友達が引越しの送別会を開いてくれたりして、
ちょっとしんみり。

で、だいぶ前に送別会したのに、同じカフェで、その友達と最後になるお茶を、いつものようにダラダラしていたら、「いつものように」過ごしてきたこれまでの時間が尊い時間になって、心根の優しい人No.1と思っている友人がひそやかに泣いてくれている。

ずっと実家暮らしで、一人暮らしに憧れていた頃、いつかは違う街に住んで、自分

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東京生活カウントダウン:インドは誰も呼んでいませんと言われた

東京生活カウントダウン:インドは誰も呼んでいませんと言われた

まえに、インドに詳しい友人としゃべっていた時、

「『インドに呼ばれたら行こうと思っている』という日本人、なぜか結構いるけど、『インドは誰も呼んでいません』って日本在住のインド人が言ってたよ」と言われた。

全くその通りだと思った。

呼ばれたら行くというのは、よく考えたら、変だ。

いや、この世には超越した存在の声が聞こえる人はいて、運命の場所に呼ばれるとか、あるのかもしれないけど!

インドだ

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東京生活カウントダウン:好きなことを止める日

東京生活カウントダウン:好きなことを止める日

2000年頃、大学生だった私がよく聞いていたHarco(2018~本名の青木慶則名義で活動)のアパートという曲の歌詞で心に残っているフレーズがある。

僕の街では人が行く形がある
面白がっている様な景色でも見事だろう
あんなに好きだった事でさえ止めちゃったの?
誰にも預けられない感覚の仕業だろう
(Harco「アパート」より)

好きだった事を止める日って、来る。
止めるのは、急にかもしれないし、

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東京生活カウントダウン:相撲にハマる

東京生活カウントダウン:相撲にハマる

にわかファンとはこういうことを言うんだな、というくらい、短期間で相撲にハマりだした。

きっかけは、夏場所(2019年5月・両国国技館)。

両親は千葉、私は東京の東に住んでいて、両国に近いのだし、一度行ってみたいねとずっと話していたから、チケットを手に入れて、両親の結婚記念日に一緒に出かけた。

すっかり魅了されて、9月場所も両親はチケットを取り観戦に出かけ、私はチケットこそ取らなかったけど、国

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東京生活カウントダウン

東京生活カウントダウン

2019年の年末に、東京を離れる。

夫婦共々、関西を拠点に仕事をすることになり、西へ移動することにした。

東京生活もあと少し。

ということで東京近郊で行っておきたいところや、好きなところへ行っておこうと思った。

東京スカイツリーのふもとにある、日替わりの湯で攻めてる銭湯、薬師湯。

年に数回、スカイツリーを文字通りスルー(通り抜け)して行く、好きな銭湯の一つだ。

初めて行ったのは、201

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私の地図ラー道は、東京のガイドブックから始まった

私の地図ラー道は、東京のガイドブックから始まった

一七歳の誕生日に、友達二人に誕生日プレゼント何がいい?と聞かれ、「東京のガイドブックかな?」といった。

女子高生の欲しいものが、メイク道具でも、可愛い雑貨でもなく、「東京のガイドブック」。

友達二人は、「そんなものでいいの?」「そしてなぜ東京?」と大変訝しがったが、本人が欲しいと言うことだしと、二人でお金を出し合ってプレゼントしてくれた。

おずおずと「これでいいかな?」と言われながらもらった

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思い出の日記より:岩井海岸の民宿

小学6年の夏に、臨海学校という海遊びの合宿の学校行事で千葉の岩井海岸の民宿に泊まった。昼は海で泳ぎ、夜は学芸会や近くのお寺で肝試し。最終日は6時間のハイキングなど楽しんだ。

イベントごとが大好きなので、テンション上がりすぎて準備から当日まで天然ボケをかましまくってた。その点では未だ胸が痛む、それは、とてもとても。でも小学校最後の夏の思い出がいっぱいで印象深い。窓側に雑魚寝した民宿の、緑に光る庭灯

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エクアドルはインスタントコーヒーがインスタントじゃなかった

エクアドルはインスタントコーヒーがインスタントじゃなかった

2019年4月28日、不忍ブックストリートの一箱古本市に遊びにいき、谷根千を仲間とプラプラ散策していた。

同じ週末の4月28日~29日、谷中キッテ通りは、水玉市というスタンプラリーを開催していた。

ある店の前で「ここ2つスタンプおせるから、今からでもやって来なよー」と気さくに声がかかり、立ち寄ったら、コーヒーの出店なのにコーヒーの準備ができていない。店主が「全然準備できてねーの」とコーヒーの袋

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思い出の味はいつか偽物になる

思い出の味はいつか偽物になる

タピオカティーが好きだ。

最近増えているタピオカティースタンド。台湾から上陸したものから、流行っているからとただメニューに載せてる感じの店(笑)から色々ある。

とりあえずチャレンジするが思ってたのと違う!と撃沈することもしばし。

タピオカティーのおいしさは、客の回転数がよくてタピオカが作りたてでプルプルであることとミルクティーの甘みのバランスが肝な気がする。

台湾に5回行ってるし、行くたび

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