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北朝鮮で”読書”をするということ #34

ご無沙汰しております!

しばらくお休みしていましたが、久しぶりに更新します。
月1〜2記事という予告通りのペースではあるのですが、なぜかサボっていたような自責感を覚え、早速月初に投稿することにしました💧

いきなり当たり前のことを書きますが、子育てをしながら働くのは容易ではありません。

看護師としてのキャリアを継続しつつ、在宅でできる仕事があったらいいのに…

育休期間にそういったことを漠然と考え始めたものの、いきなり実現できるわけもなく、仕事に復帰する時期がやってきます。しばらく子育てと仕事に追われる生活を継続してみて思いました。

「うん…無理。」
(毎日がんばっていらっしゃる皆様、心から尊敬いたします😭)

それぞれの家庭や職場の環境、お財布事情、子どものタイプ、実家との物理的・心理的な距離感、旦那の家事スキル、旦那の育児への貢献度、旦那の仕事内容、旦那の…etc
種々の条件により最適解は変わってくると思うのですが、我が家としては”新しい生活様式を検討する必要がある”という結論に至っています。

”看護師としてパートで働きながら、フリーランスとして自宅でできる仕事を組み合わせる”というのが当面の方針となりました。
前半は問題ないとして、後半部分が問題です。”フリーランスで自宅でできる仕事”というのは甘美な響きですが、言うは易し。当時の私には実行可能なアイディアが皆無だったのです。

学ぶしかない。それが二つ目の結論でした。

北朝鮮で美術系の大学に通っていたので、何かしら活かせるものがあるのではないかと期待していましたが、そんなに甘いものではありませんでした。手探りで進む状態が続きましたし、これからもきっとそんな感じでしょう。

わからないことだらけの中で、YouTubeで参考になるような動画を延々と見たり、書籍を調べたりしているときにふと感じたことがあります。

本の種類が多すぎる。。

いろいろな情報にアクセスすると、参考になる書籍が度々紹介されるのですが、それぞれ違う本を挙げいることが多く、参考書籍リストの行が無限に追加されていくような感覚に陥ります。

しかも、何冊かおすすめされた書籍を購入してみると、実際に役に立つではありませんか。全部買うわけにもいかないし、困ったな…

北朝鮮で暮らしていたときは、本に対して全く違う思いを抱いていました。
今回は北朝鮮の書籍について書いてみたいと思います。

北朝鮮では本の種類は多くありません。
本といえば、金一家の関連書籍と教科書(これも金一家の関連書籍なことが多いです)、あとは少数の小説や絵本くらいでしょうか?
他にも辞書や参考書などがありますが、金一家の本以外はとにかく入手することが難しいです。(※正規ルートの場合)

一応、本屋というものは存在するのですが、薬についての記事で書いた薬局のように、本棚は空っぽでいつも閉まっています。

図書館にはある程度の蔵書がありますが、原則として貸し出しはできません。

過去の記事を読んでくださった方にはもうお馴染みかと思いますが、そんなときは賄賂ですね。
日本でいう司書さんのような、図書室の管理を担当する人に賄賂を渡すと本を借ることができます。

自分が読み終わってもすぐには返しません。友達が(賄賂を払って)借りた本と交換するなどして、返却の催促が来るまで最大限に活用します。

だからか、本は基本ぼろぼろで前と後ろの数ページがないのは当たり前です。半分くらいしかない本もあります。読む意味ないですよね😆

他には個人間で取引する古本市場があります。
午後あたりにふらっと市場に行くとたくさんの人がウロウロしているので、私もしばらくウロウロしながら様子をみます。(文章にすると変な感じですね😂)
すると唐突に「本ある?」と聞かれます。
お互い持っている本を交換することもあれば、売り買いもあります。
稀に個人間の古本売買が摘発される時があるので、慎重にやろうとした結果が前述の”ウロウロ”です(笑)

古本市場で人気がある本の中には、日本で知られているような名作もあります。
「風と共に去りぬ」「赤毛のアン」「飛ぶ教室」「シャーロック・ホームズ」など
名作というのは国境を越えて愛されるものかもしれませんね。
北朝鮮でもこのような書籍は(部数は少ないものの)出版されています。

私の人生に最も影響を与えた本は「赤毛のアン」だと思います。
巻頭と巻末の数ページが破れてなくなってしまっている中古の本を購入して、アンの世界にのめり込みました。
天真爛漫で想像力が豊富なアンに魅了され、数十回は読んだと思います。
つい先日、Netflixで「赤毛のアン」のドラマを観て、久しぶりに10代の頃を思い出し、懐かしい気持ちになりました。

ちょっと意外かもしれませんが、北朝鮮の保安部(日本でいう警察)の図書館には日本の犯罪推理小説が多く所蔵されています。
外に出回らないように厳しく管理されている…はずなのですが、それも賄賂次第で借りることができます。このあたりが北朝鮮のおもしろいところかもしれません。

”本の虫”だった私は(その時のあだ名は「本屋」でした😆)、保安部からも何十回借りて読んだ記憶があります。今思い出せるのは「砂の器」ぐらいですね。日本に来た後に有名な本だと知ったものの、内容はほぼ忘れてしまいました😅

ときどき、日本のように書籍や情報に溢れる国で育ったら、私はどんな人間になったんだろうと思うことがあります。
でも、「赤毛のアン」にあれほどのめり込んだのは、”本が希少な北朝鮮だったから”かもしれませんね。

皆さんはいかがでしょうか?
自分の人生に最も影響を与えた本は何でしょうか?

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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