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湿度の高い夏 体調を崩す前に『水滞対策の漢方』という選択も(^^)/


前回に引き続き、湿気対策について書こうと思います
が、そうこうしているうちに、梅雨明けしました。

湿気のジメジメで悩む期間がとても短かかった今年の梅雨でしたね。

湿度のピークは過ぎましたが、日本の夏は湿気が多いので、湿気対策ができる漢方薬を知っておいた方がお得です!
湿気と熱で脾(胃腸)の調子も悪くなります。日本人のほどんどが脾(胃腸)が弱いというデータのあります。
海に囲まれた国に住む民族だから、湿気が日本人の脾を傷めているという説もあります。

湿気による不調には水滞(水毒)対策の漢方

前回は湿気の多い季節の対策として
食薬(生薬としても使われている食べもの、お茶など)を紹介しました。

それでも、改善しない方は、漢方薬という選択もあります。

水めぐりの悪いこと
水滞、水毒とも言いますが、

水滞、水毒の症状とは

浮腫(むくみ)はもちろんのこと、
下痢、めまい、頭痛、動悸、痰のからみ、皮膚のトラブル、関節痛、神経痛、リウマチ、緑内障 なども水滞(水毒)の原因となります。

これを正しく対処せずに悪化させてしまうことで
万病の元にもなりかねないのです。

五苓散(ごれいさん)

水滞(水毒)の漢方薬、代表が五苓散です。
沢瀉 茯苓 猪苓 白朮 桂皮 という生薬で構成されていますが、
桂皮以外は、水の巡りをよくして体の中の除湿をする生薬。
桂皮は体を温めて膀胱のなどの気化作用を高め、水の代謝能力を上げます。 
二日酔いにも効果があります。

適応:めまい、嘔吐、関節のむくみ、急性、慢性腎炎、緑内障、蕁麻疹、水溶性下痢、二日酔い、急性・慢性腎炎、排尿困難、緑内障、関節浮腫
です。

次にご紹介するのが
よくドラッグストアではダイエットに効く漢方薬として表示されている

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

という漢方薬です。
ダイエットに効くといっても、どのような太り方をしているかで、この漢方薬が効かない人もいるので注意が必要です。
この『防已黄耆湯』でダイエットに成功するタイプは、水太りの人です。固太りタイプの方には効果は少ないです。

構成生薬は、防已 黄耆 白朮 甘草 生姜 大棗 の6つで
胃腸を元気にして、気という見えないエネルギーを補いながら水の代謝を上げるという構成になっています。

水太りタイプのダイエット、、、脾の機能を上げて、水太りを改善して身体をすっきりさせる。
薬品会社の表示が最近は自由になっていることで、漢方薬が身近になってきて良いのではないかと思います。

適応:肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症(筋肉にしまりのないいわゆる水太り)、自汗、浮腫、体の重だるさ、尿量減少

次は

ヨクイニン湯 

という、ヨクイニン(はとむぎ)がメインで使われている漢方薬で、
特に、水滞(水毒)の影響で、手足関節が腫れて痛みがある、しびれ、屈伸が困難な症状が出ている人に効くものです。
病名としては、リウマチ、関節炎、神経痛、リウマチ結節、慢性骨髄炎、結節性動脈炎、しびれ 
などです。

構成生薬は、ヨクイニン、麻黄、白朮、佳皮、当帰、芍薬、甘草 の7つです。
 
筋肉や関節に血をおぎないながら(当帰、芍薬)よくいにん(はとむぎ)と白朮が水はけ をよくする仕事をして、麻黄(宣肺利水)が肺の働きを強めて、肺から呼吸によって水を 出す、という 構成の漢方薬です。

最後にご紹介するのが

桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)

という、寒さによって、水滞(水毒)になっている人のための
漢方薬です。

冷えというのは、思った以上に、身体に悪影響を与えているものです。
まず、気、血が流れなくなります。気が働かなくなると、水の代謝が悪くなり、尿の出にも影響が出ます。

佳皮、芍薬、大棗、生薬、甘草、白朮、ほう附子
が入っている生薬で、特徴的なのは、桂皮と附子がどちらも温める作用が強いものです。体を温め、巡らせ、発汗させながら、水を外に出す という構成の処方です。
適応:体力虚弱 冷えによる水滞 の 関節痛、神経痛

冷えによって、気血水が滞り、水がたまるべきでないところに溜まることで、関節痛、神経痛になりますので、水滞を改善することで、
症状がなくなります。


水滞(水毒)という水巡りが悪くなり、身体に水や湿がたまることで、どのような症状がでるのかを知っておくと、自分の養生方法を考えられるようになります。

関節の痛み、胸の痛みは、水滞(水毒)によるものだということがわかれば、体の水分代謝を上げればよい、ということになります。

水滞・水毒を改善するには、食養生、漢方養生だけでなく、生活の中で汗をかくこと、筋力をつけることなども大切です。

これからも、このnoteで、漢方、東洋医学の視点で体の養生ポイントを
お伝えしてまいります。

また、個人カウンセリングによって、その方のどこを改善したらよいのか、食薬、お茶の提案、場合によっては漢方薬、健康食品のご提案も行っております。
自分に合った、食薬、漢方薬に出会って、見違えるように元気になられた方が多くいらっしゃいます。
漢方にご興味のある方、自分の養生を漢方の視点で行いたい方、
どうぞご気軽にご連絡ください。

『漢方からだラボ チャカラティーズ』
上級漢方養生士 織田 縁 
東京都杉並区浜田山1-12-22 050-3718-3588 
orita@ysdotfirm.co.jp
         


今回の内容をお喋りしたものは、ポッドキャストでも配信しています。
こちらもどうぞ聞いていただき、漢方の知識を深めていただけましたら大変嬉しいですし、励みになります。

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