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【節約生活#530】未来のための節約ではなく今のための節約

 趣味で節約生活をはじめてみた。
 健康的で文化的な生活をしながら節約をするというルールで挑戦している。

節約は本当に未来のためのものなのか

 常識的には、節約は未来のものであることが多い。
 将来の不安をある程度お金で解決できるようにしよう。今はできないくらしぶりをいつかやってみる。
 そういった、未来にお金を使えることができるように、支出を減らして手元にお金を残したいということが多い。節約本の大多数もそういった文脈であった。

 だからというか、節約は貯金だとか投資だとかいった分野とつながりやすいのだとも思う。

 ただ、節約生活をしていくうちに、未来をみるよりも今を大事にしていくという変化を感じた。
 むしろ、「いま」に集中しないと節約生活が成り立たない。意識高い系のことばで言えば"right now, right here"に集中することが節約の本質とも考えている。
 このことは苦しい節約ではなく、楽しい節約ともつながっているように考えている。

「いま」は苦しくなければならないのか

 将来のための節約をするという発想は挫折をしやすい。

 多くの節約本で、節約の目的を明確にしようということが書かれているけれども、これも将来系の発想がもとである。
 具体的な将来がわからないから、いつまでこんな生活が続くのか・・・という不満につながって節約がだめになる。だからあと何年とかあと何日という単位で目標を定めようというのだ。

 未来の生活のために「今」を犠牲にしよう。そういう洗脳(?)に似た考え方である。
 だからなかなか厳しい節約手法をとったりする。ちなみに厳しい節約法の方が受けがよいのだとは思う。見ている分には過激なものは面白いからである。
 ただし、世の中一発逆転はほとんどない。地道で面白みのない方法の方が成功に近道である。

 逆説的に「いま」を大事にした方が節約はうまくいく。なぜなら、節約は「いま」の判断の積み重ねでできるものだからである。

一度散財はしておいた方がよい

 なぜ将来にお金を残したいのだろうか?
 たいていの場合、もっとよいくらしをしたい、というのが答えのようである。
 もう少し具体的には、老後の資金になるだろう。アンケートなどでも老後のためが1位になることが多い。リンクはその一例である。

 以前散財をした経験がある。
 ストレスと疲労、不眠から、毎晩飲み歩いて珍しいものを食べたり飲んだりした。意味もなく奢ったりもしていた。そのころのエンゲル係数は5割や6割をこえていた。
 ついでに、目についた面白そうなものを買ってみたりもした。ちょっとしたプロジェクタだとか、おしゃれなカゴだとか、座り心地のよい椅子だとか・・・。

 結局何も残らなかった。人のつながりも残らず、癒やしもなく、楽しい思い出すらない。ただ虚しさだけがある。
 考えなしの浪費というのそういうものなのかもしれない。

 老後にお金を使えるように今を頑張ろうという気にはとてもなれない。老後に散財して虚しくなるということは、虚しくなるために今苦しい思いをしようということになる。
 なぜそういう意味のないことをする人が多いのだろうか。きっと散財をして虚しい気分を味わったことのない真面目な人が多いのだろう。 
 一度散財をしておいた方がよい。

「いま」を充足する

 節約生活をはじめて、精神的に安定することが増えた。

 節約技術は現代のサバイバル技術でもある。料理の腕をあげたり、整理整頓の習慣もできた。お金の計算をすることができるようにもなった。少しずつ失敗を重ねながら節約技術を身に着けている。
 毎日の節約も目標をもち、理由を考えて実行している。失敗することも多いけれども。

 節約のための発想をしていくうちに、発想力もついてきたように考える。そもそも考えることが増えた。

 健康に留意し、自分の時間をとることで心身の健康た保たれるようになった。

 つまり、節約は今現在の自分の成長に効果がある。そして、節約は今現在の心身を保つことに効果がある。

 お金の勉強もしている。図書館で生活や節約、金融に関係する本を借りてきたり、インターネットで検索をしたりしている。
 例えば、家計管理は死ぬ時に資産を最大化させることが目的はない、というようなことが書かれていたことを覚えている。

 こういうことを知るだけでも自分はどう生きたいのかを考えるきっかけになる。

なぜ節約をするのか

 自分が節約に挑戦し始めたのは、趣味がないのでなんとなくであった。
 けれども、今となっては、自分のしたいことをよく知り、自分の目的を定めることとつながっている。

 そもそも生活するにあたり、それほどお金が必要なくなってきた。ならば、目的のない仕事はさっさと辞めてしまえばよい。自分のすべきことだけに人生を集中させたい。
 人生での大きな決断ができるようになったことも節約をし続けてきたからだと考えている。

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