ノンステップバス【N】表記を目指したヒストリー3

その後、彼は路線バスから飛躍して、高速バスにチャレンジした。九州1周高速バスの旅BY高速バス。たしか、出発式とおかえりなさいイベントは新聞の記事にもなったと記憶している。その時にできた音楽もあった。高速バスでノンステップバスなどなく、介助してもらって、一番後ろの席に「座」って乗車した。やはり、不便だったわけで、快適なバス旅ではなかった。でも、快適な旅を求めていたのではなく、バスに乗ること=車椅子ユーザーの生活の一部ということをアピールできれば良かったわけだ。

彼なりのチャレンジで、バスが車椅子のユーザーにも日常的なツールだとアピールしたことで、【N】の表記が必要なんだと、世論を動かしたということに、大きな意味があった。

今、当たり前に【N】を目にしているが、ほんの15年ほど前は、それがないことが当たり前だった。そのヒストリーに立ち会った人間として、そのことを記録として残しておくことが大事だと思ったので、こういう記事という形にさせていただいた。(厳密には2020年5月時点では、【N】はなくなり、その代わりに、ほぼ全ての市営バスはノンステップバスになっている)

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