演劇集団キャラメルボックス「あなたが地球にいた頃」を観て

久しぶりの更新となってしまいました。

このブログで過去のことを書いていたら、忘れていた辛かった出来事を鮮明に思い出してしまい、鬱期に突入してしまいました。

今はだいぶ鬱期から抜け出すことができたように思います。

そんな時期に迎えたクリスマス。
彼氏が私にビデオデッキをプレゼントしてくれました。

昔のキャラメルボックスの作品をずっと観たくて、
でもDVD化していないため、観れずにいたのです。

作品のビデオは地道にメルカリなどで買い集めていたのですが、
ビデオデッキに関してはどの中古品を購入したらいいのか分からず
買うことをためらっていました。

彼氏はそのことを覚えていたらしく、私が1泊2日で実家に帰っている間に買いに行ってくれたみたいです。

家に帰ったらこたつの上に大きなクリスマス模様の袋が置いてあり、
開けてみたらビデオデッキが入っていました。

私にとって、なによりも嬉しいプレゼントでした。

さっそく、キャラメルボックスで1番好きな「あなたが地球にいた頃」を観ました。


キャラメルボックスとの出会い

「あなたが地球にいた頃」は、1997年に公演された舞台です。

幼稚園に通っていたころ、母がキャラメルボックスにハマり、常にテレビで様々な作品が流れていました。

まだ幼かったので、内容を理解していなかったと思いますが、私も好きになりテレビにかぶりついて観ていました。

作品の概要

作品に出てくる女の子は、結核にかかり20数年間、病院で生活していました。
26歳で退院し、外の世界に放り投げられました。

学歴も職歴もありません。
父の会社を手伝うことになり、その前の1か月間、姉がいる東京の家に住むことになりました。

女の子は、絵を描くことが好きでした。

女の子の夢は、イラストレーターになること。
その夢に大きな影響を与えたのが、同じ病院に入院していたおばあちゃんでした。

心に届いた場面

退院する3年前の話です。

女の子が絵を描いていると、おばあちゃんは「絵を描くことが好きなの?」と尋ねます。

「絵を描くことが好きなら、毎日書いてごらん。
どうせなら、画家を目指して。」

女の子は「今から目指しても間に合うはずがない」と言います。
女の子はもう23歳で、17年間病院にいたため、一般社会から離れた場所で生活していました。
病気だって治るかどうか分からない。

おばあちゃんは、女の子に言います。
「あなたにはまだ時間がある。まだ若いから、病気だってきっと治せる。
あなたが治せると思ったら、きっと治せる。
だからやりたいことをやるんだ。他の人が何を言ったってかまわない。
自分のやりたいことだけを。」

自分の病気に対しての考え方が変わった

私は、双極性障害は一生治らない病気で、社会の中で弱者として生きていこうと思っていました。

障害年金をもらい続けて、その金額の範囲内でおさまる生活をしていこうと。

もし、大きな鬱がきて自殺してしまっても仕方ない。
むしろ、近い将来にそうなってしまうと思っていました。

だけど、この作品のおばあちゃんの言葉を聞いて気が付いたのです。
私は病気を治すことを諦めていたということに。

双極性障害という病気を受け入れることは、一生治らない病、躁状態と鬱状態を繰り返していくことを受け入れ、諦めることだと思っていました。

だけど、自分が治す努力をすれば、症状が良くなる病気でもあるのです。

実際に、この1年間でかなり症状は落ち着きました。
自殺計画を立てていたころと比べたら、ものすごい変化だと思います。

でも、なんだか自分の周りに常に「死」という言葉がありました。
生きることより、死ぬことの方が身近に感じていたのです。

それは、いつ来るかわからない鬱に怯え、自分の意思をコントロールできなくなったときに自殺してしまうのではないかと考えていたからだと思います。

自殺してしまったら、それはそれで仕方ないなと思っていました。
それを含めて、双極性障害という病気を受け入れていました。

だけど、作品に出てきたおばあちゃんは、生きることに対してのパワーを与えてくれました。

それは、私にとって大きなパワーでした。
病気が治るって信じてもいいんだ、と思いました。

死ぬことを受け入れるのではなく、生きることを目指すべきだと気が付きました。

そのことに気が付いたことは、自分にとって大きな進歩だと思います。

すぐに何か行動には移せないけど、双極性障害でも生きることを目指し、もっと症状が良くなると信じて、鬱がきても負けません。

そのエネルギーが、私にはあるのです。


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