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何故俺が不利なんだ!

東日本新人王決勝戦

今大会一番の注目カード富岡VS久保。正確に言うと注目されているのは富岡。前評判抜群の18才。久保は不利予想は否が応でも本人の耳には届いていたはず。ナチュラルなハメドスタイルの富岡、スピードもパンチ力もA+の評価を与えていいほどのセンス。しかも18才とは思えない程の落ち着きよう。

たまにいる新人王は単なる通過点。取って当たり前負ける事なんてありえない。オーラがそう言っている。最近で言うと中谷か。もしくは新人王怪我で途中リタイアしたが佐々木尽。

落ち着いた中にギラギラした目の輝き。観客は皆んな富岡に注目している。2Rにクリティカルな左ストレート顔面に直撃させてダウン奪った時はやっぱりこの18才は凄いなと感心させられてしまい。一体いつ負けるんだろう。ランキング上位の選手と当たるまでは負けないんだろうなと思ってしまいました。

そんな刹那続く第3R、ロープ際に詰めた瞬間逆転の右カウンターを当てた久保。崩れ落ちる富岡。遂数分前まで富岡の負ける姿が想像出来ないと思っていた矢先の出来事。いや、ここから富岡逆転するストーリーか?と思っていたらフラフラの富岡にレフリーが試合を止めました。絶叫する久保。

こんな試合中々見れないと背筋が凍り付きました。

試合後久保は相手の印象は全く無いです、スピードも無かった。ダウンも効いてなかった笑いながらコーナーに戻ったほど余裕だった。周りが強い強いと煽り過ぎただけ。本音と強気が入り交じる。

ボクサーにとって不利予想程悔しいものはない。井上尚弥が相手じゃないんだ。同じ新人王に出てる者同士。

ましてや年は五つも下。試合数だって重ねた白星だって自分の方が上。何故不利なのか。俺の何を知って不利だと言ってるのかと言いたかっただろう。プロは結果が全て。それを体現してみせた。

レフリーが試合を止めた瞬間「見たかボケ!!!」と何度も叫んでいた、決して相手に対して言ったのではなく客席に、いやリング上の大きな空間に。見えない何かに叫んでいるように見えました。

強敵との対戦。不利予想に対しての重圧から解放されたのか、東日本優勝よりも富岡選手に勝てた事が嬉しい。どのパンチで倒したのかも覚えていない。実感がない。心からの本音だと思います。

不利だから死に物狂いで練習した。

不利だから負けたくなかった。

不利だから悔しくてダウンも跳ね返した。

不利がボクサーを強くした。

そう考えると不利も悪くない。

今回負けた富岡選手がこの敗戦をバネにどう這い上がってくるのか

今後この二人のボクサー人生がどうなるのか気になります。

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