見出し画像

納得のいく京都旅行を探し求めて Part2

むずかしいとばかり思っていた京都旅の正解を求めて急遽決行した初のひとり京都。
ゆったりダラダラな旅レポの後半戦です。

前回は、ブランチから京セラ美術館で開催中の村上隆さんの個展について書いています。


京都に来たからには、なんとなく神社仏閣も一軒は行っておきたいなと思ってしまう初心者の私。
東山駅から京都駅に戻る。

今回の目的地は「東寺」。
旅の前、京都によく行かれる職場の先輩にオススメを聞いた。
最近お遍路さんに興味を持ち始めている彼が教えてくれたのがここ。
聞けば、平安時代、唐から帰国した弘法大師「空海」に嵯峨天皇が託したのがこのお寺。
今は、真言宗の総本山となっている。
最近、仕事でうまくいかないことがあると「僕には弘法さんがついているから。」とぼやく先輩。
京都に向かうたびに東寺の五重の塔は目にしているけれども、意外とちゃんと行ったことがなかったため、これを機に私も彼の心の拠り所となっている弘法大師様にご挨拶をしようと思った。

京都駅八条口から徒歩15分の距離に位置する東寺。
ワコールのビルを超え、住宅街を超え、寺に近づくと、人が段々と賑わってくる。

さあ、いよいよ東寺に着いた!!

着いて早々の感想。あれ?イメージと違う、、、

なんだか勝手に厳かな雰囲気の静かなお寺をイメージしていた。
だが、それとは裏腹に門の前後には出店がいっぱいで人が賑わっている。
愛知から来た私的には、なんだか商売の神様、豊川稲荷みたいっていう第一印象。
意外と弘法さんって賑やかな雰囲気が好きなんだろうか…?

あとで調べると、私が訪れたのはたまたま21日。
弘法大師の月命日であるこの日は、「弘法市」として、骨董品や古着、食料品を販売する出品する出店で賑わうのだという。
完全に勉強不足でした…

多くのお堂を構える東寺。
きっと正しい回り方があるのだろうけど、なんだか今更調べるのもな〜という気分になり、思うままに参ることにした。

メインらしき、有料エリアの講堂と金堂へ。
思うままに参りたいところだけど、歴史マニアの父が行くとこ行くとこどういった「所以」があるのか気にするから、癖で説明書きを結局熟読してしまう。

講堂と金堂には、入口に「お静かに」の言葉が。
先ほどの賑やかさとは一転、静けさが室内を包み込む。
規則正しく並べられた複数の仏像。
密教の世界を表現すべく、仏像の種類にも位置にも意味があるという。
一度は焼失したが、桃山時代、江戸時代に再建された東寺の建物たちや仏像。
時代を超えて、弘法さんの唱える教えに感化され、守ろうとする人達がいるのだなとしみじみする。

有料エリアに入るといつも見ていたあの五重塔の真下までいける。
中を見られるのはかなり稀で、五重塔の中にも密教の世界を表現するように、四方の柱に「金剛界曼荼羅」が描かれ、仏像がいくつか配置されているとのこと。
真下からみる五重塔は圧巻。
現存する木造の建造物では日本一の高さであるという五重塔の建築は1644年に行われたものだが、その高さを維持する構造はスカイツリーにも応用されているとのこと。


一本だけ早咲きの桜が
これだけで画になるからきっと桜の時期は綺麗だろうな…



ひとしきり写真を撮ったのだが、なんだかこれで去るのはもったいない気がする。

あ!パンがある!!!

実は先輩から、「お昼は志津屋のパンをかじればいい。」というヤバそうな助言をもらっていた。
あんまりあてにしていなかったのだが、京都は予約の街でいい店はスッと入れない…
そしてブランチが微妙な時間だったので、新幹線を降りて一応、近くの志津屋さんで買っておいた。

幸い五重塔の下のベンチが空いていたので、3月とは思えない極寒の中、ぷらっとこだまについていたドリンクをお供に志津屋のパンを食べた。

先輩、いいこと言うじゃん。
色々と欲張りたいひとり京都のサクッとランチにはこれが最適解かも!
と、生意気な後輩は思う。

有料エリアを抜け、食堂へ。

修行する僧侶たちの食堂。
現在は八十八ケ所巡礼の納経場となっている場所。
ここで、御朱印がもらえる。
御朱印をもらうとともにここではやりたいことがひとつあった。
写経だ。

なんだか仕事が忙しくて自分と向き合えてなかった日々。
心落ち着ける場所で、じっくりなにかに取り組みたいなと今回の京都旅でやりたいことリストにいれていた。
ランチを省略したのは、早めに終わってしまう写経の受付に間に合いたかったためでもある。

受付にいき、塗香で手を清めて席に着く。
写経場の前には観音菩薩像がおり、見守ってくれている気がする。
深呼吸して、いざ写経へ。

書いていくと結構大変。
開始早々、こんなにあるのかと思ってしまう。
そんな邪念とともにいろんな考えが浮かび上がる。
忙しく、自分と向き合えていなかった最近。
でもなんだか不安なことは度々頭の中をよぎって、なんとも心が晴れなかった最近。
そんなこんなで、浮かび上がる考えはよくない自分の行いや心情ばかりだった。
辛いな……そう思いながらも筆を進める。

気付くと先ほどのもやもやした考え事は、いつの間にかなくなり、私は写経に集中しきっていた。
最後の行が終わり、自分の願い事を書く。
書いた写経は後日祈祷されるらしい。
なんだかすごくスッキリした気分で、写経コーナーをあとにすると、ご自由にお取りくださいと書かれたコーナーがあった。
気になる言葉を見つける。

毎月更新の弘法さんのおことばらしい。
最近、自分の仕事のスタイルにもやもやしていた。
私は自分の楽さより他の人がやりやすいように気を遣ってしまうタイプ。
そうするとありがたいことにみんなから頼ってもらえるのだけど、自分の仕事は重くなってしまっていた。
最近は特に忙しくて、ほんとまた損なことしてるな…とつらくなった自分を責めることが多かった。

そんな自分に弘法さんが語りかけてくれているような感じがして驚いた。
頼りにされる自分かっこいいかも!
自分の思う正義を貫こうと前向きな気持ちで東寺を後にした。


今回の旅で気をつけていたことのひとつが、京都を欲張らないこと。
そのためにいつもはこだわるけど、今回少しおろそかにしたのが "食"
京都で食にこだわると、お金も時間も予約や店探しの手間もかかる。

でも、東寺観光がおわり、帰りの電車の時間にはまだかなり余裕がある。
少しだけ、京都の食を楽しみたくなった。

そこで向かったのは京都タワー。
これまた東寺の五十の塔に負けない京都の高いシンボル。
でも、私はエスカレーターをくだる。

地下は、京都タワー内の商業施設「京都タワーサンド」が構えるフードホール。
好きなお店からごはんを買い、席で自由に飲食するスタイル。
ここでのお目当ては、「KYOTO TOWER SANDO バル」
クラフトビールにハマっている最近の私が以前友達と行った京都旅行でおいしい!と思ったビールが京都醸造の「一期一会」

京都駅周辺であの味を気軽に飲めないかなと思って探し当てたのがここ!
早速席を取り、注文する。

せっかくなので、3種飲み比べセットにしてみた!ビール初心者には説明書きもうれしい❣️


ここはおひとりさまには最高でした。

私はもうぜんぜんバーとかでもひとりのみできるタイプだけど、やっぱ抵抗ある人が多いと思う。
でもここならなんていってもセルフサービス!!!
人と話さず、ゆったりビールに浸れます…
久々に飲む一期一会おいしかったな〜!京都行ったら毎回飲みたい!!

お腹を満たした後、まだまだ時間がある…
でもどこかに行くほどではないので、京都駅内になにかないか必死で調べる。
すると、京都タワーを独り占めして神ショットを撮れるスポットがあるとの記事を発見。

場所は京都駅ビルの10階スカイウェイというとこ。
なかなか場所を見つけるのに苦戦してようやく着くと…
えっ!!!ほんとに全然人いないじゃん!!!
京都駅の人だかりが嘘のように、たぶん私と同じようにここを探し当てだんだろうカップルが何組かいるだけ。

そして数ヶ所あるガラスから覗くのは…

圧巻の京都タワー!!!!
めちゃ曇天なのにこの迫力!!!!!!

正直あまり期待してなかったんだけど、これには少し感動した。
京都駅で同じように時間の余った人たちにオススメしたいスポット。

さあ、電車の時間が近づいてきた!
けどさっきのビールと少量のおつまみだけじゃなんだかお腹に不安が出てきた。
軽食でも食べておくかと思い、意外とはじめて入ってみたのが、京都の老舗「イノダコーヒー」

カツサンドとコーヒーをいただく。
地元愛知の名店コメダ珈琲と比べると少し高級志向なイメージ。
値段も量も少しリッチな感じ。
でも、まわりのお姉さんたちや中年カップルの方々が居心地よさそうにおしゃべりする姿を見ると、きっとコメダみたいにほっとできる身近な場所なんだろうなと思う。
カツサンドお肉が分厚くて、おいしかったです!


イノダコーヒーを最後に京都旅行は終了。
このあと、鉄ヲタの先輩から京都は案外鈍行でもいけるという言葉を鵜呑みにして、鈍行で帰るのだが、これは失敗だった。
乗り換えや平日の帰宅ラッシュに揉まれ、なんだか疲れてしまった。
少しお金をかけてでも、新幹線で行こうと心に決めた。
あともうひとつ、今回の旅行の反省点は欲張らなさすぎて時間を持て余してしまったこと。
でもおかげで、京都タワーの圧巻写真が撮れたのでよかったのかな?とも思ったり…

やっぱり納得のいく京都旅行って難しい。

それでも、正解を求めて何度も訪れてしまうのが京都なのかなとも思ったり…
また悩み疲れたら、ふらっと京都旅行をしたい。

この記事が参加している募集

今日の振り返り

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?