これは僕らの家庭内戦争だ。①

 毒親を持つ人びとへ

 皆さんのご両親はどんな人だろう。他人に自慢出来るくらいすばらしい人徳の持ち主?自信を持って「尊敬できる人間は両親です。」と断言できる?自分が困っている時に助けてくれるほど頼りがいがある?毒親を持つ僕らはそんな風に両親を尊敬しようとは到底思えないのだ。

 僕は5人家族の長男だった。だった、と言っても今もそうなんだけど。両親がいて、年が離れた姉が一人いて、双子の兄としての僕。弟。姉と9つも離れているし双子だから僕たち自身は末っ子と見ることもできるかもしれない。
 事実、末っ子のように可愛がって育てられたとも思う。双子で全くおんなじ服を着させられた記憶が残っているし。僕らの人生の絶頂期は小学校1年生くらいまでだった。とはいえ幼少期から高校くらいまでは物質的に何不自由なく過ごすことができた。わかっている。おそらく普通以上の恵まれている家庭だ。僕らが高校2年で父親が死ぬまでは。

 とはいえ父の死以前からも我が家の空気は何故かいつも息苦しく閉塞感が感じられた。両親がとりわけ仲が悪かったわけではない。むしろ仲が良かったと思う。しかし何か気持ちが悪く居心地の悪さが感じられた。父が死んでからはその家庭内の閉塞感が一層強くなっていった。父が亡くなってからも大学に行けていたし僕自身浪人、留年を経験しても大学に通わせてもらったことは本当に感謝しているし、頭が上がらない。

 こんな気持ちになる僕がおかしいのだろうか?しかし双子の弟も同じく感じられていたようだった。二人ともおかしい・・・?僕と弟の二人ともADHDだから定型発達の人に比べたら変なのだろうけど。しかし、比較的普通に育った姉も閉塞感を僕らと同じく感じており、とりわけ母と仲が悪いため思春期は壮絶な家庭内衝突を繰り広げ、嫁に行ってからは実家とほぼ絶縁状態だ。思春期のエネルギーのやりどころに窮しての家庭内衝突にしては、現在までそのしがらみは続いている状況を考えるとそれだけでは片づけられない我が家の問題が潜んでいるように思える。まるで我が家を爆心地とした放射能から逃げるように姉は実家に姿を見せなくなった。

 現在も続く我が家の閉塞感はなんなのか、大学入学を機に一人暮らしをすることになって考える時間があった。一つは僕らがADHDであることが原因だ。このことに気づくことは一人暮らしを始めて、ある程度周りと関わる社会生活を送っていれば時間の問題だったと思う。もう一つの原因として考えられることは母が毒親を通り越して我が家の核弾頭として機能してしまっている、ということだ。さながらlittle boyならぬlittle ladyである。

なぜ母が核弾頭なのかというと、核の抑止力ならぬ母の抑止力によって我が家はかろうじて均衡を保っている状況といえるからである。もちろん母自体にものすごい社会的地位や権力、財力があるわけではない。彼女は社会にほぼ出たことの無い、ごく一般の無能な専業主婦である。もちろん専業主婦全員を敵に回すつもりはない。我が家の母について言及しているだけなので悪しからず。
そんな我が家の母の必殺技は被害者意識による身内への罵倒である。これが非常に効く。応える。やめてほしい。

その攻撃は俺に効くのよ

我々の精神に直接訴えてくる金切り声もあいまって我々は戦意を喪失する。

これってもう核として機能してるじゃん!

 僕たちは幼い頃から、今で言うモラハラに近いような罵倒を受け続けてきた。話し合いにもならず、事実を母の中で捻じ曲げられてしまって、あることないこと好き放題、という感じだ。こうなってしまうと我々も発狂して抵抗するか、大人しく戦争の終末が来るのを祈るしかない。僕らや、姉が思春期の時は抵抗を試みはしたものの母に変化はない。それはそうだろう。母という国家は既に核保有国であり、実家の援助なしでは生きられない僕たち小国は従うしかないのである。
 しかし、これは一人暮らしの大分後半になって自覚できたことだが、僕たち自身も母と経済的・精神的に依存関係でズブズブであったためにこの国(母)から抜け出そう、独立しよう、と考えられなかったのである
 それが身内関係の恐ろしいところである。だって、普通は自分のお母さんが辛い目に合ってたら嫌でしょう?僕らもそうだった。だから助けてあげたいのが普通。しかし、僕の母親は全ての家庭で起きた問題の原因は僕たちにあるから、住むところも親の介護も何もかも親の言いなりにならないといけない、と本気で考えているのだ。ただ身内というだけで。

 僕たちの実家は現在経済的に困窮している。高2から父が死んでから10年ほど無収入な訳だから当然といえば当然である。むしろここまでよく持ったと考えるべきだろう。しかし、母は経済的に困窮したり、姉がほぼ絶縁状態になった原因を全て自分以外のものにぶつけているのだ。僕らを精神的に支配しようとし、自分の血族だからという大義のもと、全て親に捧げるよう僕たちに訴えてくる。確かに途中から女手一つになった母の苦労は計り知れないものだと思う。僕もこの一年自分で国家試験浪人したツケは自分で払う予定だ。だからといって、精神的に自分の子どもを追い込み今までの不幸を全て他人のせいにする生き方は間違っているように思えてならないのだ。

 だから僕たち双子はこの家を出ていくことに決めた。これは母との依存からの解放、すなわち母からの独立を宣言する、ということなのだ。姥捨て山上等。僕たちは革命を起こしたいのです。

キリが良いので言わせてください。

母ロシア、おそろしあ。と。

続く→

 思わず引いちゃうような毒親母とのエピソードも後で投稿したいと思います。では、次回。 ちゃんちょん。
僕らが何者なのか興味が出た方は以下の記事も読んでみてください。↓



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?