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先生から書類をお預かり

茶道の先生はご高齢ゆえ、事務的な処理も思うようにいかなくなってきた。そこで自分が代理で必要な処理をする為、書類一式お預かりしてきた。先生も喜ばれ一安心。

断続的に送付されてくる茶会の案内やら事務連絡の書類、ひとつひとつ内容を確認し、必要に応じて返送したり、FAXしたり、お金を振り込んだり。結構、時間をとられる。

お稽古以外の事務的なあれこれも、今まで先生が全て行ってくださっていたことに改めて感謝しつつ、仕事の合間、振込に行ったり。


懐石料理の先生は、たびたび「財産はお人よ」「お人が財産」と諭される。先生の体験談と共に語ってくださるのだ。宝である人々がどんどんお年を召され、そして、この世からいなくなっていく。「あー、あの方に尋ねたい」「お聞きしたい」と思っても、もう聞くことができない、二度と。

そんな話を聞くたび、自分に置き換えて思うのは父である。今なら、もっともっと有意義な会話が沢山できたはずなのに。色々聞きたいと思っても、もういない。自分の成長や気づきが2倍速くらいだったら、いいのに。

幸い、自分の周囲には敬うべき方々が、今はお元気でいてくださる。しかし、母親にしろ、茶道関係の先生方にしろ、長く元気でいてほしい私にとっての「宝」は既にご高齢ゆえ、いつなんどきどうなるか。

「今、すぐ、やっておかねば」「後悔するようなことになりはしないか」と、焦りをおぼえ、つい無理をしてしまうことが多くなってきた気がする。

自分ももれなく年を取り、高齢の域も遠くないのだけれども。


令和元年六月十九日(2019.06.19)

 

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