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10分間の恋愛小説

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君が歌う恋の歌

君が歌う恋の歌

高校最後の文化祭も二日目が終わり、あとは後夜祭を残すのみだ。この二日間、俺たちの学舎は見渡す限りの人、人、人でとんでもない賑わいを見せていた。俺はといえばクラスの出し物と軽音部の発表と、他の部活の友達の手伝いと、PTAの案内などお祭り騒ぎを極める忙しさだったりした。それほどの騒ぎだったにもかかわらず、片付けもひと段落した校内の廊下は生徒の影もなくひっそりとしていた。ついさっき後夜祭を告げるアナウン

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いつものカフェ

いつものカフェ

#10分間の恋愛小説 とは、大体10分以内で読める恋愛小説です。
こちらのツイートが元ネタとなっています。

朝晩の通勤のお供に、寝る前の読書に、ちょっと暇だなぁと思った時に気軽に読める小説です。今回のお話は「カフェで始まる恋の話」です。ぜひ読んでみてください。

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自宅から電車で30分、東京駅のほど近くのビルに私が勤めるオフィスがあ

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君に贈る恋の歌

君に贈る恋の歌

高校最後の文化祭も二日目が終わり、あとは後夜祭を残すのみだ。この二日間私たち達の高校には全学年の生徒はもちろん、卒業していった先輩、これから入ってくる中学生や私たちの両親、地域の人までたくさんの人で溢れていた。私といえばクラスの出し物や軽音部の発表で右に左に大忙しな二日間だった。後夜祭が始まるまでの数時間、片付けもひと段落し屋台の熱気と所々で上がっていた歓声は何処へやら、あれだけ出し物の屋台で

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水曜日の昼休み

水曜日の昼休み

このツイートをもとに短編小説を書きました。10分もしないで読めると思うのでよんでみてください。

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お昼休みにいつも一緒にご飯を食べている友達に、行ってくるねと声をかけて、ギンガムチェックのバンダナに包まれたお弁当と朝買ったお気に入りのお菓子を持って教室の外へ出る。40分しかない貴重な休み時間を無駄にしないために、あちこちから生徒が廊下

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