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「和菓子のアン」読了

「和菓子のアン」坂木司著(光文社文庫)

可愛らしい装丁に惹かれて、ブックオフで買った本。10年くらい前の作品だが、内容に古さは見られず、ページをめくるのが楽しかった。

主人公は、高校を卒業したばかりの18歳の女子で、本名の杏子から「アンちゃん」とよく呼ばれる。そして大福にそっくりな子だ。
5月から和菓子屋さんでアルバイトを始め、個性豊かな店員さんに囲まれながら「謎」をみんなで解いていく。「謎」と言っても微笑ましいものばかりだ。

私がこの作品で気に入ったのは、和菓子の描写だ。登場人物も、謎解きも見逃せないが、なんと言っても、本当に食べたくなるような和菓子の書き方をしているのが好きだ。
文字情報だけで読み手を空想の世界に引き込むのは小説家の腕だと思うが、それにしても見事。

我が家では上生菓子なんて買った事もないのだけど、実際に見て、目で楽しみ、舌で味わい、心で満足したい。
今度、デパートへ主人と出かけたら、和菓子屋さんに寄ってみようかな。

そんな風に思わせてくれた作品だった。

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