バラク・オバマが好きな2018年映画が凄過ぎた件

昨日、バラク・オバマ前米国大統領が好きな2018年映画が発表されているのを知った。政治家もこういうのやるんだと覗いてみたら、そのラインナップが映画評論家かい?と思う程コアなラインナップだった。確かにバラク・オバマはデートでスパイク・リーの『ドゥ・ザ・ライト・シング』を観に行ったエピソードがあることから、なかなかの映画好きだということが伺える。ただ、精々2018年のお気に入り映画は『ブラックパンサー』や『ブラック・クランズマン』といった黒人映画の有名どころに政治映画が加わってくるぐらいだと侮っていました。

ただ、このリストを見たら、

「すまないオバマさん、やっぱりスゲーよあなたは!」

と土下座したくなりました。彼の選んだ作品を分析していきます。

Barack Obama's favorite films of 2018

・アナイアレイション -全滅領域-
ブラックパンサー
ブラック・クランズマン
Blindspotting
バーニング 劇場版
スターリンの葬送狂騒曲
Eighth Grade
・ビール・ストリートの恋人たち
Leave No Trace
・Minding the Gap
ザ・ライダー
Roma/ローマ
万引き家族
Support the Girls
Won’t You Be My Neighbor?

※下線部ある作品はクリックすると映画ブログ『チェ・ブンブンのティーマ』に掲載したレビュー記事に飛べます。

ポイント1:黒人映画多め

今年は、『ブラックパンサー』に始まり『ブラック・クランズマン』、『ビール・ストリートの恋人たち』と黒人映画が強い年だったので、案の定沢山選出されています。ゲテモノ映画の巨匠ジョン・ウォーターズも絶賛していた『Blindspotting』なんかも入っているの点なかなかコアだなと思わずにはいられない。

そしてやはり、言及したいのが『ビール・ストリートの恋人たち』。監督のバリー・ジェンキンスは前作『ムーンライト』で黒人作家の巨匠ジェームズ・ボールドウィンからの影響を語っており、本作は監督が本当にやりたかったボールドウィンの小説の映画化だ。差別に抑圧された社会に対して絞り出すように吐露される感情が特徴的なボールドウィンの文体はアメリカ史を語る上で重要となっている。バラク・オバマは勤勉家で読書家でもあるので、やはり本作を選んだ。これは彼の評を読んで見たい。

ポイント2:Netflixユーザーだった!


面白いことに彼は、VOD映画にも積極的に挑戦しておりNetflix映画『ROMA/ローマ』と『アナイアレイション -全滅領域-』を選んでいたのだ。特に後者は驚きだ!ゲテモノ映画なのだから。しかもゲテモノ映画だがタルコフスキーの『ストーカー』に近い難解さをもっている作品。多忙なスケジュールの合間に到底観るような映画ではありません。麻生太郎は観ているかもしれないが、小泉純一郎や安倍晋太郎、ドナルド・トランプは観ないと思います。Netflixガチ勢すぎて好感度しかありません。

ポイント3:ドキュメンタリーも観るよ!


オバマさんよ、、、あなたはアカデミー賞の会員ですか?

アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にノミネートしそうな作品をちゃんと押さえています。それも米国最高裁判所の女性判事ルース・ギンズバーグを扱った『RBG』ではなく、伝説的教育番組「Mister Rogers' Neighborhood 」 を手掛けたフレッド・ロジャースのドキュメンタリー『Won’t You Be My Neighbor?』と3人の家出した青年の友情を描いた『Minding the Gap』を選出しているのです。前者は、ドキュメンタリー映画としては2千万ドルの興行収入を獲得した大ヒット作なので、分かるが後者は超マイナーな作品だ。知る人ぞ知る作品という感じ。それをしっかり押さえてくる姿に魂揺さぶられました。

ポイント4:お馬鹿映画もあります

何故か、ボンクラ映画オタクが喜びそうな作品『スターリンの葬送狂騒曲』、『Support the Girls』も選出されています。前者は、まあ分かるが、後者はかなり攻めている。Wikipediaのあらすじを読むと

リサ・コンロイは高速道路沿いにあるキャバクラ風スポーツバー、ダブル・ワーミーズで管理責任者を務めていた。リサはお色気的なものからは縁遠い人物ではあったが、その面倒見の良さから多くの人々に愛されていた。黒人をあからさまに侮蔑する店の経営者(キュビー)やセクハラ客への対処に頭を悩ませながらも、リサは懸命に働いており、時には部下が抱えるプライベートな問題の解決にも尽力した。そんなある日、リサが店員のトラブルを解決するために店のお金を使用していたことがキュビーにバレてしまった。キュビーは問答無用でリサを解雇したが、リサを慕う店員たちはそれに反発してストライキを画策した。その日は格闘技の試合の日で、スポーツバーにとっては格好の稼ぎ時であった。

主人公は黒人だし、労働環境を風刺した作品ではあるのだが、予告編を観ると、パリピの極み感が漂っています。それを容赦無く入れてくるあたりもなかなかツボです。

ポイント5:押さえるべきアート映画はしっかりと

こう攻めたラインナップではありますが、『万引き家族』や『バーニング 劇場版』といった今年MUST WATCHなアート映画もしっかり評価しています。A24の傑作青春映画『Eighth Grade』、『ウィンターズ・ボーン』監督8年ぶりの長編映画『Leave No Trace』も押さえています。しまいには、批評家絶賛の超インディーズ馬映画『The Rider』まで押さえています。非常にバランスが取れています。

・おわりに

いかがでしたでしょうか?確かにオバマ大統領がアメリカを統治していた頃、日本に対して強い姿勢を見せたこともある。アメリカ国内の統治だって目標が達成できなかったりして口先だけではと非難されてたりした。でもやっぱりブンブンはシネフィルの隣人、映画ファンの隣人としてオバマ前大統領のことが好きだ。彼のチョイスは尊敬に値します。そんな彼は映画だけではなく、本や音楽についても、Webマガジン"DEADLINE"でリストを出しています。来年もチェックしたくなりました。

オバマ前大統領のお気に入り本2018

・American Prison by Shane Bauer
・Arthur Ashe: A Life by Raymond Arsenault
・Asymmetry by Lisa Halliday
・Feel Free by Zadie Smith
・Florida by Lauren Groff
・Frederick Douglass: Prophet of Freedom by David W. Blight
・Immigrant, Montana by Amitava Kumar
・The Largesse of the Sea Maiden by Denis Johnson
・Life 3.0: Being Human in the Age of Artificial Intelligence by Max Tegmark
・There There by Tommy Orange
・Washington Black by Esi Edugyan

オバマ前大統領のお気に入りソング2018

・Apes••t by The Carters
・Bad Bad News by Leon Bridges
・Could’ve Been by H.E.R. (feat. Bryson Tiller)
・Disco Yes by Tom Misch (feat. Poppy Ajudha)
・Ekombe by Jupiter & Okwess
・Every Time I Hear That Song by Brandi Carlile
・Girl Goin’ Nowhere by Ashley McBryde
・Historia De Un Amor by Tonina (feat. Javier Limón and Tali Rubinstein)
・I Like It by Cardi B (feat. Bad Bunny and J Balvin)
・Kevin’s Heart by J. Cole
・King For A Day by Anderson East
・Love Lies by Khalid & Normani
・Make Me Feel by Janelle Monáe
・Mary Don’t You Weep (Piano & A Microphone 1983 Version) by Prince
・My Own Thing by Chance the Rapper (feat. Joey Purp)
・Need a Little Time by Courtney Barnett
・Nina Cried Power by Hozier (feat. Mavis Staples)
・Nterini by Fatoumata Diawara
・One Trick Ponies by Kurt Vile
・Turnin’ Me Up by BJ the Chicago Kid
・Wait by the River by Lord Huron
・Wow Freestyle by Jay Rock (feat. Kendrick Lamar)
・ The Great American Songbook by Nancy Wilson※12月13日に亡くなったナンシー・ウィルソン追悼の意味を籠めて

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映画ブログ『チェ・ブンブンのティーマ』の管理人です。noteでは、映画にまつわるコラムを書いていく予定です。

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CHE BUNBUN

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