1年前くらい前にご縁があり、地元で小学生女子のミニバスのコーチをしないか？という誘いがあった。中・高バスケ経験者だったのと、コーチングや人助け(ボランティア)に興味があり、2つ返事でコーチになった。
そこから現在に至るまで、資格とったり勉強したり平日は練習、土日は試合で、時間ばっかりとられるけど、コーチングは奥が深く、やりがいも感じて良いご縁だったなぁと感じる。
誘われたくらいの時期に、地元で自身のバスケットボールも再開したということもあり、地元のバスケットボール事情を聞くことが増えた。

聞いていく中で一番驚いたのが、母校の中学・高校が県の上位を争う学校になっていること。ミニバスでは全国大会へ出場できるチームがあること。地元地域全体のバスケレベルが上がってることに驚いた。
地元は○○の県北のド田舎で「県北はバスケットボールの弱い地域」というレッテルを昔から貼られていて、もちろん戦績からみんなそれに納得していた。それが今じゃ、県から一目置かれている地域に成長しているから本当に驚いた。

なぜここまでバスケットボールが強い地域に成長できたか？と考えた時に思いついたのが、“インターネット(デジタル)・スマートフォン(デバイス)の普及”。

ひと昔前、地元にあるバスケットボールチームは決して良い環境ではなく、バスケットボールを学ぼうと思うと「指導者」「雑誌」からでしか学べる術がなかった。雑誌は大会の情報やNBAの情報しかなく、トレーニング・スキル紹介などの実用できるTIPSのような情報はない。しかも、バスケットボールは当時マイナースポーツということもあり、雑誌や本自体も圧倒的に少なかった。

なので、田舎もんは指導者の教えが全てだった。それ以外に頼る方法はなかった。
田舎のスポーツが栄えていない地域に、優秀な指導者がくるはずもなく、ましてやバスケットボールを知らない人が、教える人がいないからという理由でバスケットボールの監督やコーチをしていたから、今となってみればもちろんチームや個々が強くなるはずもない。

それが今は違う。トレーニング内容から考え方まで、世界的に有名な指導者に、ネット記事やYoutubeから直感的にわかる情報となって、どこでも場所を選ばずに取得することができる。この“インターネット・スマートフォンの普及”による影響が、”都会には良い指導者・環境・情報があるので強い”という状態をシームレスにしたんじゃないかと思う。googleやyoutubeで検索すれば全て答えに近い情報がでてくるしね。

ただこれは、情報の取得が平等になっただけで、個人やチームが強くなる理由にはならないと思う。うまくはなるかもしれんけど。
結局はその情報を支える”指導者”による影響が大きいんじゃないかと思う。

今教えてる小学生によく、〜〜をYoutubeでみた。〜〜を記事でみた。ということをよく聞く。一人で勝手に情報を取得しているみたい。でもそれは、今必要のない情報やスキルだったりすることが多い。むしろ成長を妨げるモノだったりもする。
指導者はその情報を理解し、必要に応じて取捨選択し、適切にチームや個人にフィードバックすることがすごく大事になってくる。

子供はただただ、がむしゃらに学ぼうとする、身につけようとする。しかしその知識が間違ったモノであると必ず良い成長はできない。子供は良い知識か悪い知識か、今身につけないといけないスキルか？などの判断はできない。
その判断を指導者は必ずジャッジしないといけない。判断を誤ると取り返しのつかないくらいの影響を及ぼすこともある。
特に、昨今重要視されているメンタルトレーニングは、デジタルで学ぶことが難しく、指導者の普段の声がけなどで育むしかない。スポーツにおいて「メンタリティ」は重要なファクターであり、指導者の手腕によってかなり左右される。

テクノロジーの発展によって、高いスキルを学ぶことは可能だが、それを最大限機能させるためには、やはり指導者の力が不可欠。

今の子は本当に物知りで、いろいろなところでいろんな情報や知識を培ってる。もしかしたら、指導者から新しい知識を与える必要はないかもしれない。
子供の頭の中に散らばった外からの情報を集約して、整理してあげる。それをレールのように連結させて、設定したゴールに繋げていく。そんな作業が必要なのかもしれない。

そんなこんなで、時代に沿って柔軟に変化できる”指導者”がいたからこそ、地元のバスケットボールは盛り上がってきてるんだと思う。

地元が強くなった理由を、一概にこれをしたから強くなった！って言うのは難しいけど“インターネット・スマートフォンの普及”は必ずなにかしらのキッカケにはなっていると感じる。

もしかしたら、昔から良い指導者がいたのかもね。