ほんとに万引き対策か?【🇩🇰交換留学】
プルルルルルルルと耳をつんざくような警告音が広い店内にこだました。ヒジャブを巻いたイスラム系の女性2人組にジロジロ見られる僕。ただ、何も買わずにスーパーを出ようとしただけなのに。
1.改札なき駅
デンマークの、少なくともコペンハーゲンの電車には改札がない。アプリ上でチケットを買うか、ホームに何本か生えてる機械にsuica的なやつをタッチして乗車する。ちなみにこの機械の反応速度はびっくりするくらい遅い。suicaが誇るタッチ&ゴーのペースを想定していると確実にエラーが出る。感覚的にはtouch, wait, wait, wait, then wait, and goくらいのスピード。
5回に1回チケットもしくはタッチ履歴の確認のためのスタッフが車内を回ってはいるものの、理論上はタダ乗りができるシステムになっている。異国で容疑者になりたくはないのでもちろん毎回支払っていますが。
自動改札の導入コストよりもタダ乗りでの損失の方が少ないんだろうけど、にしてもずいぶん性善説に則った社会だなあだなんて思ってた矢先のスーパー事変。
2.240円のクロワッサン
コペンハーゲンに来て1ヶ月、赴いた7~8店舗のスーパーには全て「ゲート」があった。一度入ったら、有人レジのレーンに並ぶか、セルフレジの場合はレシートについているバーコードをスキャンしないとゲートが開かず外には出られない。
そんなわけで、とにかく何かを買わないと脱出しづらい環境が出来上がっている。"出られるけど入れない"佐賀の真逆。
が、昨日入ったスーパーには珍しく入り口のゲートがなかったので、何も買わずに逆走を試みたら警告音の餌食に。そのまま外に出ても良かったのだがあらぬ疑いをかけられるのも癪なので、「万引きなんかしてるわけじゃないですか」という喜怒哀楽どれにも当てはまらない表情で店内に戻った。
となれば店内からの脱出経路はレジしかない。しかしレジには長蛇の列。横を通り抜けるスペースなどなかった。え、何か買わなきゃじゃんか。熟考の末、対してお腹も空いていないのに20クローネ=240円のパンを紙袋に入れ、10分ほどレジの列に並んで購入した。
たった2つのレジにそれぞれ30人ほど並んでいるのに、別のレジを開けないのも北欧クオリティ。スローライフ、やってんねえ。
はたしてあれは本当に万引き対策なのか。マーケティングの一種だとしたら、あの240円は向こうの思う壺だったのではないか。水筒を家に忘れ、口の中をパサパサにしながら食べたクロワッサンは、少ししょっぱかった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?