あいたいひと

中学1年生の時の担任の先生。彼について少し話したいと思います。

彼は当時28歳でした。妻子持ちで、少しふっくら気味の微妙に顔の良い先生でした。アニオタ気味でアニメのぬいぐるみを学級キャラクターにしていました。私もアニオタでしたし、理解を示してくれる先生で良かったと思っています。少し毒舌な口が回る先生で、乙女ゲームなどで言ったら俺様気質。そんな先生です。

彼について話したかったのは、彼が私が愛してもらえたと初めて実感した人だからです。これは恋愛的な意味ではないです。庇護された感覚というか娘とかペットによしよしする感覚なのですかね。

例えばテスト返却の時にからかわれたり、頭を撫でられたり。初めはそんなことをされました。自分がそこにいることを認識してくれている様で、気にかけてくれてる様で今までの「先生」には無かった事だったので、少し戸惑ったのを覚えています。

先生はよく見てくれる人でした。私が波風立てないでかわすのが上手いこと、話を聞いて寄り添うことが出来ること。ちゃんと知ってました。2年生に上がり担任じゃなくなった時でさえも、覚えていてくれて、私の小学校からの友人同士でイザコザがあったとき、「お前が聞いてやってくれん?俺が何かするよりもお前の方がうまくいくから。」と頭を撫でて頼ってくれたことがありました。解決した時も「ありがとう」って声をかけてくれたのも嬉しかったんです。

私が遅刻しそうでセーラー服のスカーフを巻かずに学校に行った時も、先生が巻いてくれたり。私がイイ子じゃなくてヘルメットの留め具をゆるゆるでつけてた時もよくあげてくれました。足を骨折している時もすごく心配してくれました。

ただ、少し行き過ぎなところもあって、提出物を出さず逃げたら壁ドン!股ドン!顔10cmの距離でお叱り!距離が近いよ。

また、脅かすのが好きなのか友達と喋ってると良く後ろから脅されたり、倒れた所で迫る感じを見せてきたり…

先生と生徒の正しい距離感では無かったと思います。

それでも自分を認識してくれる先生が大好きだったし、その当時は親よりも愛情をくれた人だと思います。


卒業して2年ほど経った時でしょうか、ちゃんとは時期を覚えていないのですが、

先生が免職になった。

と聞かされました。

なぜ?と思うよりも先にもしかしてと思うことがありました。女子生徒に手を出しちゃったか。そう思いました。

結果としてはその通りです。中学3年生の子と、合意の上なので「法律は犯していない」けど、先生としてはしてはいけないことをしているため免職です。

この話が私の周りで広がった時、みんなの反応も「ああ、納得」というものでした。「危なくなってたもんね。」とも言われました。中学生の私には先生という存在を性的に見る事はありませんでしたが、実際求めたらくれる人だったと思います。全ての女子生徒をそう見ているわけではありませんが、学年に2,3人ずつはいたのではないでしょうか。

もう行方もわからない先生。

また逢いたいでも逢えないんだろうなとたまに思い出しては諦めの境地。

愛をくれてありがとうございました。だいすきでした。